第9話 試作機、泰山
試作
元々はイージス艦の防空能力を戦車に取り付けたことから始まる
より小型で高性能、当たり前といえば当たり前の進化
それが宇宙ステーションの事故から始まったケスラーシンドロームでさらに進化を促した
それまで大量にあった低軌道人工衛星の一部が事故の影響で都市に落ちてきた
日本のように島国でイージス艦のような対空兵器を持ってる国でさえ被害を避けられなかった
対空戦車というのが少数ながらあったが陸国ではミサイルを主体として迎撃して弾が無くなったあたりで世界大戦がはじまる
いや、世界大戦というのは正確ではないかもしれない
それまでの世界大戦は大きく分けて二つの勢力が戦争をしていたが、その時の戦争は戦国時代の様にバラバラに、
しかし先進国も含めた殆どの陸国が参戦し、終わった後には国の勢力バランスが一変したことから世界大戦に位置付けられている
その世界大戦で最も変わったのは対空能力だ
人工衛星が落ちてくるような状況で戦争を始めたものだから自分の頭の上に落ちないよう対空能力を上げるのは必須で、
対空能力を上げる内に戦闘機などの航空機がバンバン撃墜される様になり、自然と戦場の空に戦闘機が消えた
戦場の主役が戦闘機から戦車に変わった頃、戦車を守る機械化歩兵も重要になり、戦車に追い付ける歩兵として足にタイヤを付けたパワードスーツが生まれた
今の
イージス艦の能力を戦車に求め、完成した戦車の能力を今度は
これは戦車の迎撃能力こそないが面積が低い分、【アイギス】で予測し、避けることを想定されて作られた
通常の
デュラハンや首なしと呼ばれるほど何もなかった頭には、顔らしい形にした【アイギス】を装備
両腰には斬鉄刀を二本、両腕には対戦車用の粘着機雷を4個装着しさらにマシンガンを一丁装備
この試作機を初めて実戦で使うのが俺らしい
「捕まった仲間を牢屋に入れられる前に奪還、即撤退の流れだが、………本当にやるのか?」
おいおい、やれって命令した司令官の言うセリフじゃないだろ
「それ部下の前で言うなよ、……まぁ、やるだけやるって感じだな」
試作機以外の
それ以上は【
「そうか、無理だと思ったら偵察だけで帰ってきていい、だから無茶するな」
その目は真剣で父親として心配してるのが分かる
「わかってるよ、乗るのに邪魔だから退いてもらっていいか」
【
「各部正常、試作
動作チェックとして腕を動かし、足を動かし、体を動かす
「どうだ、前回起動した時よりバランスよく仕上がってるだろ」
そんなものはもっと激しい運動しなければ分からない
「
ロプノールの前方の入り口が開き外に出る
赤と白の試作機カラーの
彼等を気にせずに詳細な動作チェックを開始
まず倒れてゴロゴロと転がり、起き上がるとプッシューっと機体が風を出し隙間に入った砂を吹き飛ばす
軽く動いて防砂対策をチェック……………、問題なし
屈伸運動をしてバランス状態をチェック…、問題なし
急加速してスピンストップで止まる………、問題なし
簡単な動作は問題ないので大技、円を描くように加速してからの三回転ジャンプ
「「「「おぉ!!」」」」
と何人か声に出したところで注意を受ける出来事があったが、そんな動作チェックをしてると同僚から声がかかる
「さすが隊長、俺達にはできないことを軽くやりますねー」
「そんな足に負荷掛けてるとメカニックにどやされますよ」
彼等は一緒に救出破壊任務に就く同期の二人だ
最初に話しかけてきたのが伊藤大尉、次に話しかけてきたのが杉田中尉
両者共に危険な前衛突撃のポジションで重装
私達はこの三人と復帰した戦車1両で任務に就くことになった
まず最初に
そこで俺達が見たのは試作
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