第3話 未知のメタルアーマー

俺達、鋼鉄鎧メタルアーマー部隊が【ロクノール】の修理の為に外に出ると敵歩兵の攻撃が始まった


大量に撃ち込まれる携帯対戦車グレネードランチャーRPG

戦車とロクノールだけでは迎撃するだけの砲台が足りない


「重装兵、盾展開!!」


メカニックを守るために装甲が厚い重装兵で壁を作り、俺達はその前で伏せて砲台代わりになる

タイミングを合わせて大量に撃ってきた携帯対戦車グレネードランチャーRPG

【アイギス】にリンクした鋼鉄鎧メタルアーマーがマシンガンで自動迎撃し始める


自動で動く腕に振り回されないよう体を固定しようとするが爆音と衝撃で安定しない

その分余計に弾は消費するが全弾迎撃成功


絶対防空システム【アイギス】とリンクしてれば出来る芸当だが、向こうは知らないのか第二射までが遅い

それが敵の時間稼ぎで、此方から見えない位置で何かを用意してる様だった


「修理が遅いがどうなっている?」


「罠を解除し、中の装甲を溶接し、新しい中装甲を追加した。今は中に入った砂を除いてパンクを塞ぎたいんだが、爆風でうまくいかん。

塞いだあとラバーの保護で終わりだ」


「分かった、奴らの弾が少なくなってきた時を見計らって反撃に移る。鋼鉄鎧メタルアーマー隊は準備だけしておけ」


携帯対戦車グレネードランチャーRPG以外の攻撃も受けるが全て【アイギス】で迎撃

たまに迎撃した流れ弾が敵歩兵に被害を出したが誤差範囲でしかない


頃合いを見て突撃命令が出た


「突撃命令だ、行くぞ!!」


鋼鉄で身を包んだ鋼鉄鎧メタルアーマー部隊が発進する


「正面10、左右20で対応する。俺が正面の指揮を、第一と第二中隊長は左右の指揮を担当しろ」


敵の旧型戦車が狙いを変えて鋼鉄鎧部隊に撃つが【ロクノール】が迎撃する


「怯むな、進め!!」


迎撃された爆発で姿が見なくなる鋼鉄鎧メタルアーマー部隊

彼等は次々と発煙弾を使って敵の捕捉レーダーから姿を隠しながら敵歩兵に接近していく


敵歩兵も機関銃やマシンガンを煙に打って反撃しているが鋼鉄鎧メタルアーマー部隊の装甲は貫けない


「テロ屋はいい加減、鋼鉄鎧メタルアーマーに銃は効かないと気づけ!」


「重装兵、盾は耐えるか?」


「大丈夫だ、隊長」


「よし、全員抜刀し突撃!!」


「「「「「「「「うおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」」」」」


片手で剣を持ちながら鋼鉄鎧メタルアーマー用のマシンガンを敵歩兵が居る方にばら撒く

発煙弾の煙で見えないが悲鳴が聞こえ、それが徐々に減って聞こえなくなった


「生き残りと伏兵は居ないか?」


煙が晴れ、見えてきた死屍累々の有様だがまだ息のある者は数人居た


「息の有る者には自爆される前に止めを、持ってる武器が確認できない者は念の為に死体射ちしとけ」


勝てないと分かってる相手に特攻、自爆させる

テロリストらしい嫌な手口だが手を抜くとこちらが死ぬ


「正面の敵戦車はロプノールの相手で手一杯か、左右もこちらの戦車が抑えてるし」


対戦車用グレネードランチャーRPG!!」


閃光、爆発が起き仲間の鋼鉄鎧メタルアーマーが煙に包まれた


「糞が!!」


敵の伏兵が居た場所をコンピューターが割り出し即座に各隊員が反撃して蜂の巣にしたが、

そのタイミングで砂が盛り上がり敵が出て来た


「敵、鋼鉄鎧メタルアーマー!!」


「伏兵見逃してるじゃねーか!!」


砂の下から出て来た敵の鋼鉄鎧は動きが鈍い


「見逃してねーよ!! 奴ら歩兵の足跡で砂に隠した鋼鉄鎧メタルアーマーの痕跡を消しやがったんだよ!!」


「奇襲されれば同じだよ!!」


互いに鋼鉄鎧メタルアーマー様のマシンガンを打ち合うが装甲が硬く貫けない


「一般用(パワードスーツ)を魔改造した鋼鉄鎧メタルアーマーだ、動きは鈍い、叩き斬れ!!」


伏兵は5機、背中にある対戦車用グレネードランチャーRPGの装填までに接近して腕を斬り、トドメに時限式爆弾を付けて離脱

爆発を確認する前に敵の戦車に向かう


味方が5機やられて生死不明だが気にしてる余裕はない

ロプノールから発進した後に戦車の後ろで砂山で隠れてた投車器が見えた


「隊長、戦車の後ろに投石器が見えます!」


「投車器だ!やつら廃車を質量弾代わりにするつもりだ!!」


「撃ってきたぞ!!」


車は乗用車だけだったが当たれば重さでフレームごと潰れ死ぬ

飛んできた廃車をロプノールが撃つが、爆発せずに廃車の回転を強める結果になった


「糞、勢いが強くなってるぞ!」


「自動の欠点だ、各自防空圏内で散開!!」


ランダムにバウンドして飛んできた廃車の数は12個


コンピューター予測は当てにならない


勘と反射神経と運で避けるが一人当たってしまい残り4機


後退しはじめる敵の戦車


追撃しようとしたその時、戦闘中なのに緊急アラームが鳴る


「ロプノールより緊急連絡、前(宇宙進出)時代の資源衛星が戦闘区域に落下中、

全軍直ちに対衝撃体勢を取れ」


上空には煙を吹きながら燃えてる物体が線を描き落ちてくる


「ウソだろ」


資源衛星アレの被害予測範囲は戦場を含めた数km、落下まで30秒切り、その範囲から逃げられる者はこの場に誰も居ない

鋼鉄鎧メタルアーマーはその場で腹這いになって衝撃に備えた時に資源衛星ソレは爆発した


地上にぶつかる寸前に爆発した資源衛星は、その場に居た俺達を吹き飛ばし、隕石となった資源衛星の欠片をまき散らた


「エアクッションが無ければ死んでた」


軽く状態を確認し周囲を観察したところ、正五角形の立方体で出来た骨組みと、

その中に3mサイズの赤い鋼鉄鎧メタルアーマーが固定されて俺の目の前にある


その五角形の骨組みがプシューと煙を吐いたかと思うと、バラバラに崩れて赤い鋼鉄鎧メタルアーマーが解き放たれた


俺はそれを見た瞬間、全ての確認を後回しにして赤い鋼鉄鎧メタルアーマーを取り押さえに駈け出した


「武器は無い、味方不明、機体は限界」


それでも赤い鋼鉄鎧コイツは抑えなければならない

味方に赤い派手な鋼鉄鎧メタルアーマーは無い

なら敵の鋼鉄鎧メタルアーマーであり、今まで姿を見せなかったのは敵の切り札だったのだろう


味方を確認するよりも赤い鋼鉄鎧コイツが動き出す方が早く、後手に回ればそれだけ味方が死ぬ

俺は赤い鋼鉄鎧メタルアーマーが気づく前に押し倒してしまおうとしたが、相手に反応され取っ組み合い状態になってしまう


「Stop Please stop. I have the no will against which I fight.

(待って、待ってください。私に戦う意思は有りません)」


「Why, English? Aren't you Chinese?

(なぜ英語だ? 中国人では無いのか?)」


「I'm half in Japan and Russia.

(私は日本とロシアのハーフです)」


赤い鋼鉄鎧メタルアーマーが英語で喋ってきたのを疑問に思って返事をすると妙な答えが返ってきた

鋼鉄鎧メタルアーマーに乗ってるため顔は見えず本当か嘘か判断ができない


「なら日本語は喋れるのか?」


「あ、日本語、……もちろん喋れます!」


「日本人のハーフなら顔を見せてから武装解除しろ、そしたら降伏を受け入れる」


「この状態だとハッチが開きません、手を放すので下がってもらえますか?」


何時でも飛び掛かれるようにしながら手を離し後ろに下がると、

プシューっと言う音と共に正面の腰から上の装甲が上に持ち上がって開いた


ヘルメット外し銀色に輝く綺麗な髪をした彼女は月の女神と思ったほど美しかった


「これでいいですか?」


要求とは違い、武装らしき物を持っていなかった彼女だったが俺の耳に言葉は入ってなかった


「……美しい」


「はい?」


彼女と同じように正面の装甲を開け、顔が見えると自己紹介をする


「私の名は龍野神谷たつのこうや、ここに派遣された鋼鉄鎧メタルアーマー隊の隊長です」


「ご丁寧にどうも、私の名は神代輝月かみしろきづきです」


「惚れました、もう少し大きくなったら結婚してください」


「はい? 何を言ってるんですか??」


俺は神代輝月を見たときに一目惚れしてしまった

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