第14話 魔女の家
魔女の家である洞窟は外からは普通の洞窟にしか見えなかった。
なのに中に足を踏み入れるといきなり景色が変わって、中が明るくなった。
そして洞窟の中とは思えないようなどこにでもありそうな一軒家が建っていたのだ。
「この洞窟は普段は一族のもの以外が入ったら、ただの洞窟にしか見えない仕掛けになっているんだ。だから一般の人が立山を探し回ってもここは見つけられない」
「何だか嘘みたいな光景……こんなところに家が入ってて、しかも洞窟の中とは思えない明るさだし」
私は惚けたように家とその辺りを見つめ、驚いていた。
「疲れたでしょう?さぁさぁここに休んで」
魔女の家に着くと、叔母さんはリビングの大きなソファをぽんぽんしながら私を導いた。何だかお客さんみたいな扱いだけど、私は修業にきたんだよね?
でもちょっと、ホッとしちゃった。何もわからないところに来たから緊張していんだもの。
洞窟の中の家は普通の家だと聞いていたけれど、普通の家より大きめだった。
ソファに座ったものの、そのまま寛いだままでいるのも何となく居心地が悪くて荷物を片付けるための部屋を尋ねようと思った。その前に……
「あの、叔母さん……これから何とお呼びしたらいいですか?」
これから師匠と弟子みたいな関係になるわけだから、叔母さんと呼び続けるわけにはいかないわよね。
「んー、叔母さんでいいわよ?私は魔女である前に、文乃ちゃんの叔母さんだし、師弟関係というより親子関係みたいな感じでやっていけたらと思うわ」
そう、ニッコリと叔母さんは言う。
「ありがとうございます。あの、それからこの荷物を先に片付けちゃった方がいいと思うんですけど、どこに置いたら良いですか?」
「ああ、そうね。文乃ちゃんの部屋はリスの間に用意したから、雄、連れて行ってあげて」
リスの間?雄くんに案内されて奥の方の部屋が並んでいる廊下を歩いて行くと各部屋にはそれぞれ動物の名前が付いた部屋になっていた。
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