ヘロインはヒロインである(本心だとは限らない、ネタで言っている)とかいうやつらの社会学
ヨウイチキも、ヂックも、サイトウも、みんな、高校の時は、社会学の本を読んでいた。
カッコつけで読書。ではない。そうだ、ヨウイチキも、ヂックも、サイトウも。
ガイキチパワーでやれること。ガイキチパワーとは、とても、危険な橋も渡れるような、強さがあるもの。芸能界進出欲は、ガイキチパワーで補うことをオススメしているお医者さんもいるぐらいなのだ。そうだ、それは、ヂックことだ。
「はぁ、なんか、もうアニメも見るのも飽きたな」こう言ったのは、サイトウの精子と何かから生まれた、UMA。サイトウは、手術で、人外的要素を体に取り入れた副産物で、自動的な増殖ができるのだ。サイトウ自体も、アニメは五百億年前ぐらいに飽きている。昔はとてもヲタクに熱心だったのに。
「普通の人なのに、いろいろ思いつくから変なやつ扱いされる、っていうな、これ。普通とされている人たちは、特になにもやる才能がないから、変なやつとされないっていうかさ、誤解されてると多いと思うんだ。例えば、ネットに小説の内容を打ち込んでる、これでもさ、かなり変って思う人は思うのだろう、否定されるかもしれないってことだ。馬鹿にされるかもしれないってことだ。オレは、それはただ、なにもできないから、より否定的に物事を見やすくなってるんだと一番最初の人生の、少年の頃から知っていたんだ」ヂックが言った。
「確かに、なんかいろいろ創作活動した時に、高校の頃とか思い出すともう戻れないところに来たんだな、って思うんだ、悪い意味で」サイトウは言った。
「そうだ、いろいろと思いついちまうから、ヲレは、何かを書いて残したくなるんだ、無理に、無意味な創作をヲレはしようと思ったことは、ない」ヨウイチキは、初期のほうで、ヂックの病院で作家を夢見ていた頃を思い出してそう言う。
「ただ普通に見せていても、つまらない。結局、変なほうに行く。そういった意味でも、チャップリンって面白い人なんだ」ヂックはそう言う。
「道化っていいよ、すばらしい。自分たちが売り物であることを自虐的にもネタにしたラヂオヘッドはやはり偉大だ。まあ彼らよりも前にもそういう精神を持った人はいるはずだが」ヨウイチキはそう言う。
「人生は生き方が悪いからつまらないというのは、あってる部分もあれば、そうでもないって部分もあることだろう。人生は、つまらないんだ。だから、オレは、暴れたりするのもつまらないと思う。ようは、暴れまわる、ワルらは、あれ、人生に苦労をそこまで知ることができない弱いヤツらだって思ったことはある。ワルではない、ならオレはそれに文句は言わないよ。でも、ワル、なのに人生に苦しみを感じれずに甘えている、オレは、気持ち悪いと思うんだ、だからワルらを」サイトウはそう言う。
「ヲレにも昔、ワルにダチがいた。でもさ、そいつ、もうだいぶ前の世界で死んだんだ。オレはさっき言ったオマエの意見に同意だ、サイトウコーラ」ヨウイチキは言う。
「オレたちは、誰か好きな女がいるとかでもないが、見守る。地球を。もう、見飽きた。だから、もう荒らしたりなんか、しないんだ。これは、統合視聴症の、興奮期を終えた、燃え尽きと似ている、きっと地球の大衆は、オレたちに、”いや、おまえら統合失調症だろ”ってなるんだろ。そうなんだろ」ヂックは言う。
「ヘロインは、オレのヒロインだって頃はある。好きな女もどうでも良くなったりとしてさ、でももう、オレたちは麻薬すらもやっていない」ヨウイチキは言う。
「ジジイにとって変な写真集出したことキレられた、すげえピエロである人生を送ってきた、オレだが、くだらないよ、もう、どうだっていいんだ」サイトウは言う。
「オレたちはラヂオヘッドになるんだってノリで、音楽ではないけど、作家目指して、いろいろあって、勘違いも多いのか、いろいろした後、結局、アートって、”オレたちなにやってたんだよって感”、あんだ。ちなみにヲレは、ひとりラヂオヘッドをやろうとした」ヨウイチキは言った。
「いいんだよ、ひとりラヂオ体操よりも、立派だ、オマエは。でも、結局トーマスやジョナサンたちとも、距離縮められなくて、なんか複雑さ」サイトウは言う。
「もういいんだ、もう。オレたちは、死ねなくても」ヂックは言う。
「そうだ、ヲレたちは、死後の世界は、知らないんだったよな、はっきりと。でもヂック、あんたなら」ヨウイチキは言う。
「いや、オレも知らねえよ」ヂックは言う。
「それは本当か?」ヨウイチキは言う。
「きっと、本当だって言っても、信じてもらえねえだろ」ヂックは言う。
「結局俺らも元はヒトの子か」ヂック、ヨウイチキ、サイトウの三体同時にそう言った。
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