666の愛のオコトバ

アヘン顔

 再生される世界、そう言ってもいいのような世界。いまは西暦2018年12月31日、そう、イチカワヨウイチキは、またその日を、生きている。西暦2018年12月31日、これはもうだいぶ昔にもあったのだ。でも今生きている人の大半が、それを信じてはくれないようだ。


 再生される世界で、ある一人の男が奇行をしだした、アヘンを使った勢いで。自分の写真集を出した。そして、その出版社からプレゼントとしてその本が送られてきた。が、その男の大嫌いな祖父が、その荷物を受け取ってから開けたのだ。

「気持ちが悪い。悪戯かと思って捨てた」と、不評が下された、祖父から。

「わかってねぇなぁ。おまえこそワル気質でキモチワルイゾ、ワル」と、写真集出した当人。

「ンアォオオオオオオオオオオンッ?!」と祖父が。

 祖父と大喧嘩の写真集出した当人。

 目があうのは嫌だ、祖父とは。もう、自ら霊体にでもなって消え去りたいんだ、この世から。でも、それは自殺と同じだ。

 自殺、してしまうと、良くないって聞くよ、死後呪われるだとかね。自殺は迷惑になるだろう。でも、悪さなのか、自殺は。こちらに種の繁栄の欲がないとなると、親が子を作ったわけが理解できなく、勝手すぎて人外だって思いたくもなると、親を。その男は言った。彼の名前は、”サイトウ(仮名)”。


 イチカワヨウイチキは、最近、サイトウのことを見ている。イチカワヨウイチキは、いま、自分がヂックの立場にいるように思えたんだと。

「モウイヤナンダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ!」サイトウはほえた。

 サイトウは童貞だ。自分は一体何なのかがつかめない、わからない、もう、すべて実はヴァーチャルなんだって感じの狂った精神状態。

「チックショオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォッ!」サイトウほえ続ける、アヘンの効果もあってか、激しい。

「おぃ。サイトウ。いや、これ仮名のほうだで通じないよな」ヨウイチキが言った。

「こんな世界はもう嫌だ」サイトウは言う。

「だよな。もうどうしようもねぇんだ、でもさ、これ、飲め」と言いながらヨウイチキが謎の液体を飲ます。

「タギッタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアウッ!」サイトウはなんかたのしそうにそう言う。

「だよな、普通。これは、エクスタシー超えてるらしいからな」ヨウイチキは言う。

「アイツが気持ち悪いっていうことは、アイツのいいものを思い浮かべたがすべてクソだ、キッメエ、気持ちが悪いのはオマエのほうだぞクソジジイがァッ。気持ち悪いとか言って、またそのクソサイコさの正当化程度にクソさを上乗せかぁっ?、ヒトイラツカせるのうまいあのジジイ、んで、オレは母親から、ヒトイラつかせるのうまいって言われる、クソ、なめんなぁ。高校では首席だった、でも、まともぶれたのもそこまでってか、孤独感じるがオレはダチとかも興味ないしまあ気にしねぇが。なんにしてもオレは絶対クソってことしかクソとは言わねぇんだってのに、実際寛容だ、普通よりも。そのはず」サイトウがなんかキメ顔っぽくそう言う。

「いいね。おまえ中々友だちに欲しいタイプかもだ」ヨウイチキは言う。

「でも、貴方は……」サイトウは言う。

「ハーフレプリチアンだァ、おぉっと、ハーフレプチリアンだァ、訂正した。この年になっても言い間違えだ。ほんでもって、ハーフメカ。一応ヒトでもあるんだが、クォーターでヒトってところか?、いまのところ」ヨウイチキは言う。

「このロン毛のこと、キモいってか?、貴方もロン毛なのに。ふざけてる、オレはかっけえんだあああああああああああああああああァッ!」サイトウは言う。

「うんうんセカイ系セカイ系」ヨウイチキは言う。

 ヨウイチキは、ヂックに訊いた。いまヂックもまた地下の精神病院にいる。

「ヂック、あのサイトウってさ」ヨウイチキは言う。

「オマエだよ。オマエが夢精したとき出した精液から分離したんだ。また出てくるってことだよ。気づかないうちに、どっかに着床するのがレプチリアン。そう、レプリチアンではない」ヂックは言う。

「なんか、人生の意味を模索するよりも、レプチリアンについてを追求したほうのが心理到達早いって感じ」ヨウイチキは言う。

「またその話か、十五万三千年前もその話しただろ」ヂックは言う。

「ああ、アレイスタークロウリークンとも一緒にね」スンは言う。

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