666の愛のオコトバの前置

ヲレの周りの誰も知らないというわけでもないセカイ系哲学論考

「次のステップへと移行するぞ」ヂックは言う。

「次って、なにやるんだ、この荒廃した中で」ヲレは言う。

「オレは太陽の中の住民たちのほうがモテるんだ」ヂックは言う。

「太陽の中って」ヲレは言う。

「まだ使いこなしていないようだな。オマエ、テレポート機能持ってるよ、世界壊せるほどのあの覚醒、気分は?」ヂックは言う。

「”可逆圧縮的撹拌”。意味知らないけど。ていうか、もしかしてあんたもああいうこと過去に?」ヲレは言う。

「トップシークレット。でも、もし創っても、壊してるのと同じだって気がしないか?、反した位置にあると見せておいて、実は一緒だったと」ヂックは言う。

「確かに、世界、創ることが善行か否か、これ、寧ろ、人殺しまくったりしてるようなものだ。でも寿命長すぎも嫌だってものかもだろ。こういう世界否定も、セカイ系だってヲレは思う」ヲレは言う。


 太陽内部に到着。不思議なものでこれが熱くない。

「あらヂック」ヲレよりちょい年上の女がヂックに言った。

「やあ。オレのあの本見たか。あれさ、狙ってオレ変顔して写ってんだよ。人外だってのわかる人はわかっただろうよ」ヂックは言った。

「ええ、でも貴方があれでなにを表現したいのかはよくわかるわ、横の地球人っぽいのにはすぐに伝わらないけど。私の名前は、ヴァリスティッヌファスティッキュヴィヴァルジォ」ヴァリスティッヌファスティッキュヴィヴァルジォは言う。

「難しい名前だ。覚えられないや。でも旋律はザッツグゥ、と思います。というかここも日本語なんだな。合わせてくれてるだけなのか。それともここから降ってきたのか」ヲレは言う。

「でもオレが連れてるってことは特段オーケー、と」と、ヂックは言って、ヂックは相手を無言で頷かせ説得させた。


 ヲレはいま、太陽の中心部に立った。世界の中心にいる気分だ。

 いま、地球が隕石たちによってボコボコにされている。黒焦げの地球。燃えまくっている、でもヲレの心は冷めている、もう、地球がどうなったって、いいんだ。

 ヂックのガルフレたちは、どうなったのか、そうか、元から興味がなかったのか。

 カツラ会社のあのオバちゃんは、まだ長く生きそうだが、あの隕石のダメージをくらえば即死だ。

 パコは……。もうどうでもいいんだ、あんなモノ。


 ヲレの寿命は∞である。ヲレは、ちょっと前までは24歳、つまり16歳の頃から8年後、そのぐらいまでしか生きる気はないって思ってもいたが。ヂックから貰った薬品をがぶ飲みしたからだ。ヲレは、死の恐怖を克服できなかったわけではない。今後来る、もっと強いやつにうちかっていかないといけない、ヒトっぽくしてた頃とはまた違う、世紀末感をぶっ壊したいから、飲んだんだ。


 かなりの時が経った。もうそれは、人の寿命が一瞬のように感じるほどの長さ。

 また、地球に、人がいるよ。笑っちゃうよね。滑稽だ。まただ、またこのパターンだ。”繁殖”だ、子孫繁栄のオンパレードだ。な〜んの前夜祭だよってぐらいに乱交しちゃってるの、上から見え見えだよ〜ん、あかんべーだ、ほんでもってヲレ、インヴェーダーイェ〜イ。

 地球っていうあの星の全人類を超えた見下し、この思想、これがヲレの今の気分でセカイ系番付をしてみると、一位なのさ。でもね、日によって、変わるんだよ、これが。もっと厳密に言えば、時と場合による、かな。


「ンフフ、ボクはインディペンデントインキュベーターインヴェーダーだよ〜」極度の痩せ型であるはずのある男が965センチのガチムチUMA化した姿になってそう言った。遠野チエを、連れて。遠野チエもレプチリアンなのさ。まあどうせほかにもいる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る