ハイウェー69リーヴィジティド
オレは、たぶん西暦2010年頃ぐらいまでだろうか、スーパーカーが大好きだった、ほとんどガンメタでやや水色とか派手な色したそういう車、あこがれた、サンタにプレゼントで貰いたいな、なんてこともあった。べつにゴーカートがかっこいいとは思わなかったが、小学生の頃、車が好きでたまらないような頃にスズカサーキットとかで、ミニバイクやら、ゴーカートは乗ったことはある。そういえば、いた、もっとガチで車好きそうなガリ勉気質なヤツが。彼は習い事にゴーカート、なんて、愉快なやつだよって感じさせる。いまのオレは”カート”というと、真っ先に米ニルヴァーナのカート・コベインを思い出す。オレにとって90年代前半の音楽界のイメージはニルヴァーナ、そして90年代の後半がラヂオヘッドなんだ。そうだ、フィアンセィヂックキョウコン先生の精神病院に落ちてからほぼずっと音楽聴いてる、古代のものまで聴いたよ。
最近は邦題、『追憶のハイウェー61』の表紙のボブディランにインスパイア、結果、自撮りに目覚めちゃった、でも面皰が治ってない、ちゃんとした自撮りは面皰が治ってからにしよう。
オレの人格変異でいう節目には、西暦2009年と西暦2010年の間にあり、西暦2011年頃になると、はっきりとオレは、何か、車とかへ感心が薄れていった。シヴォレーのコルヴェットC3やダッヂのヴァイパーSRT10は勿論、国産車だってオレは好んだ、いっときは、族車というのか、ああいうのもあこがれていたがそういうのは小学生までか、青の86レヴィンでさ、考えていた。でもオレは、暴走族のようにブンブンとして、ぶっ壊れた目覚まし時計のように朝っぱらからもブンブンと、”ハロー”と挨拶したいかのように某ユーチューバーでもないのにブンブンしているのには理解できない、が、その某ユーチューバーと暴走族らのブンブンはだいぶ違うものでもあるのだが。
実は、フィアンセィヂックキョウコン先生の精神病院の下には、地下とは思えないほどに、街を再現した、そして山もある遊園地(?)がある。その紹介をされたオレは、そこに行ってみたいと希望した。
「いま乗りたい車は」フィアンセィヂックキョウコン先生がそう言う。
「コルヴェットC5水色」と、即答したオレ。
「あるよそれ」不敵な笑みを浮かべてそう言ったフィアンセィヂックキョウコン先生。
その遊園地的な場所行きのエレヴェーターがその階に到着、扉ひらく。
オレたちはガレージへと向かった。途中、トレーラーハウスを見かけた。
「そうか、トレーラーハウスも悪くないな」オレはそう言う。
「そうか?、オレは好みではないかもなぁ」また不敵な笑みでそう言う、フィアンセィヂックキョウコン先生。「オレがここに来るのはこれで、二度目。再訪だ」と不敵な笑みも続け、言った。
「”愉しいドライヴ”にしましょう」オレがそう言う。
「オレは乗らないよ。紹介するよ、ドライヴァーのスンさんだ。ズンっぽいだろ。ズンの影武者だって噂もあるんだ、まあ建前としての噂、本当にって意味でも噂、まあはっきりとは言わないがなんにしてもあのズンではない」フィアンセィヂックキョウコン先生がそう言う。
「スンですぅ、エニグマチックディヴェロッパーですぅ」笑顔でズンっぽくそう挨拶してきたスンさん。「ここには四六時中居たいんだ」続けてスンさんが、不敵な笑みで。
スンさんはSTGで弾をすれすれで避けるノリの走り屋で、公道を走るには危険すぎて裏世界入りすることになったようだ。プロにでもなればいいのにと彼の仲間の多くは言うが、そういうのにもなりたくないようだ、彼は。が、危険とはいっても、テクは確かで、安全運転だが、周囲の車に恐怖心を与えすぎるという意味で危険なんだとか。愛車は多数あるがよく乗ってるのはエヴォ7の紫。運転席のほうのドアにはエリカハートマンっていう萌的なキャラクターのステッカーが貼ってある、彼はきっとヲタクだ。ナンバープレートにある数字は469だ。これはさっき言ってたシロクジチュウから来るものだったのだろう、でもそれなら普通に、46でも良いとオレは思うんだが。
スンさんの世代は、ロスジェネ。”ロスジェネ”、こう聞くとオレはいつも、世紀末チックだなって、感じるんだよ。
ガレージの奥の暗闇の中から登場するコルヴェットC5水色、ただの車に見える、だが空を飛ぶ。
この遊園地らしき空間にスピード制限はない、違法になるdBもない、そもそも”フィアンセィヂックキョウコン醫院”では、法律なんてものは存在しない。特にこの遊園地っぽいとこの見せ場は、ハイウェー69というところなんだと。それは、もう目の前にある道、今オレが立っている道のことだった。峠以上にスリルがあり、ジェットコースターよりも人が並べれるってほどにエキセントリックなハイウェーなんだ。スンさんはそこを”ドリフトハイウェー”だと名付けている。
”愉しいドライヴ”が愉しめそうだ。
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