第49話パーティー

僕は2体購入したスライムの等身大フィギュアを、ベットのそばに置いた。

触るとぷるぷるしてて気持ちいい・・値段は高かったけど僕は満足してる。


「名前はぷるリンとぷる吉に決まり!」


うへへ、可愛い~♪癒される。

手触りと言い、弾力と言い・・うへへ・・。


「・・・あ、あの坊ちゃん?見てて、なんか自分のオッパイ触られいてるみたいなんで?やめてもらえます?間接セクハラですよ!それ!ベェ!」


「なんだよ!間接セクハラって!新ジャンル作んなよ!・・人が折角・・楽しんでるのに・・・しょうがないな」


1時間経っても消えないからな、また後で触って遊ぼう。

冒険に行こうかな・・・僕はベットに仰向けに眠ったままメニュー画面を触る。


「ねぇ?バフォちゃん?魔王ってパーティー12人まで組めるんだよね?」


「べぇ?どうしてんですか?いきなり?そうですよ?パーティーを組むときはリーダーになる人の編制上限数が適用さえる仕組みです。

ですから坊ちゃんがリーダーになれば最大12人まで同行可能ですよ?そろそろパーティー組みますか?」


「・・・うーん・・・」


正直まだ迷っている・・まだレベル6だからな・・。

僕はベットから体を起し、冒険の身支度をした。


「行こうっか・・冒険・・」


メニュー画面から魔王専用スキルを確認する。

スキル名が並んでいるが、まだ暗転していて使えないみたい。

最初のスキルでも消費MPが20って・・・どんな効果だろう?


「えっと・・・ダンシン・・」


「坊ちゃん!行くんですか?!行かないんですか!?冒険?ベェ!!」


「・・あ・・う、うん!行く行く!行くからさ!」


街なかで下を向きながら歩くスマホを操作する人みたいになってた僕。

・・まぁ、僕の場合はメニュー画面の上の方を見てたんだけど・・。

バフォちゃんから注意されちゃった。


「なんですか?いくいくって!AV男優の断末魔みたいな発言やめてもらえますか?聞いててこっちが恥ずかしくなります!間接セクハラですよ?それ!」


僕はバフォちゃんの角を狙って手刀を放った。

バフォちゃんは華麗に僕の攻撃をかわした。

ぐぬぬ!!!やるな!

今に見てろよ!その角、バランバランにしてやるからな!


僕とバフォちゃんは冒険に向かうため、フィールドに向かった。

カルマの街を縦断して門を目指す。

その時、僕を呼び止める声が・・。


「あ、あの?今年の魔王さまですよね!?」


僕が声の方を向くと、数人のプレイヤーが歩み寄って来た。


「良かったら?パーティー組みませんか?一緒に50の塔に行きましょうよ?」


「え・っと・・・」(どうしようかな・・見た所悪い感じの人たちじゃなさそうだけど・・。あれ?バフォちゃんいつの間に、ストラップに?!)


「・・ボソ・・ボソ・・」(坊ちゃん・・くれぐれも・・気を付けてくださいね。わたし・・人見知りなんで・・あばよ!・・・)


何だよ?人見知りって・・。

そんなキャラじゃないだろ?

・・あばよ!って・・普通使わないだろ!しんごさんみたいだな・・あの人好きだな・・。

うん・・ま、いっかな。とりあえずパーティー組んでみようかな。


「うん!よろしく!」


「ええ!こちらこそ!俺はケンタっ!19歳!」


僕より一つ歳が上のケンタ。

笑顔が張り付いたようなにこにこ顔。

髪の毛は茶色の長髪で、身長が僕より高い・・170cmぐらいのやせ形。

革製の鎧を上下そして足元はブーツに・・背中には緑色のマントを羽織っている。


腰に双剣をぶら下げている、攻撃重視のプレイヤーみたい。

双剣のプレイヤーらしい、スピードを求めた軽めの防具を身につけている。

戦い方を見て、今後の参考にさせてもらおうっと。

ケンタが残りのメンバーを紹介していく。


「えっと・・こっちのデカブツがダイ!俺達の頼りになる壁役です!」


「誰がデカブツだよ!ケンタ?もう、守ってやらんからな!・・・あ・・よろしく、魔王!ワシはダイだ!歳は19じゃ!」


ダイは名前の通り巨漢な男。

スポーツ刈りで

僕より10cmぐらい身長が高い・・178~180ぐらいかな?

そして話し方同様、見るからにワイルドないでたちをしている。

全身銀色の鎧に、両手に巨大な盾を装備している。力が強そうだな。


「・・・それから!こっちの弓を背負ってるのが、遠距離担当の心之介(しんのすけ)!17歳」


紹介された心之介が僕に近づいて、握手を求める。


「よ・・よろしく」


「よ、よろしく!」(なんか近寄りがたい堅物タイプだな・・)


心之介からは内気な印象を感じた。

・・ま、悪そうな人じゃなさそうだけど・・。

心之介も動きやすそうな格好をしている。


弓道着を身に纏い、右手に鹿革製の弓かけ、そして背中に矢筒を背負っている。

矢筒には種類の違う、矢が入っている。

羽の色が違っていて、カラフルだな。

足元は足袋に雪駄・・・凛々しい立派な格好をしている。強そう!


「それから・・俺達のチームの紅一点!美香ちゃんです!」


「よろしく♪美香です!17歳です」


僕は美香と呼ばれる女のこと目が合った。

伸長は150cmぐらいの可愛いタイプ女の子だった。

中肉中背で、見た目は普通・・でも普通が一番だよね!僕は普通じゃないけど!

こんな妹が居たら、髪の毛をくんかくんかしてるだろうな僕。

ま、一歳しか歳が変わらないから・・同級生みたいな感じだな。


美香ちゃんは魔法使いか、可愛いピンクい色のローブを着こなしている

右手に宝石の付いた杖、左手に魔導書を握っている。

頭にはピンクのトンガリ帽子をかぶっている。


「あ、あの・・魔王だけど・・僕そこまで強くないよ?いいのかな?」


「ああ、いいよ!そんな事!俺達も冒険始めたばかりの初心者だから!さぁ、50の塔へレッツゴー!」


そう言って先導するケンタの後に、僕は続いた。

でも・・この時僕は気づいていなかった。

人間が持つ闇の深さに・・。

この後に待ち受ける出来事に・・。

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