第14回 陸機、殺さる

 漢文大系本、第3巻、84ページ。

 西暦302~303年。



 冏輔政、驕奢擅権。顒使長沙王乂殺之。穎亦恃功、驕奢。已而与顒挙兵反。乂奉帝、及穎戦。穎将陸機戦敗、被収。歎曰、「華亭鶴唳、可復聞乎。」与弟雲皆為穎所殺。機・雲、皆陸抗子也。


 けいまつりごとたすけ、けうしやにして、権をしいままにす。ぐう、長沙王がいをして之を殺さしむ。えいも亦た功を恃み、驕奢なり。已にしてぐうと兵を挙げて反す。がい、帝を奉じ、えいと戦ふ。えいの将陸機、戦ひて敗れ、収めらる。歎じて曰はく、「華亭のくわくれい、復た聞くべけんや」と。弟雲と皆なえいの殺す所と為る。機・雲、皆な陸抗の子なり。


 けいは政治に参与し、驕り高ぶり、権力をもてあそんだ。ぐうは、長沙王のがいに、けいを殺させた(302年)。えいも自らの功績を誇り、驕り高ぶっていた。そのうちにぐうとともに兵を挙げて反目した。がいは恵帝を擁して、えいと戦った。えい側の将軍の陸機は、戦って敗れ、(讒言を信じたえいに)捕らえられた。陸機は嘆いて言った。「華亭の鶴の鳴き声を、私はもう二度と聞くことはないだろう。」弟の陸雲とともに、えいに殺された(303年)。陸機と陸雲は、陸抗の子であった。

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