見ろ、もやしがゴミのようだ

 もやし炒めとなった我輩は、人間に食されて、生命の礎となる。

 それも良い。栄養価の高いもやしとして、誇り高く己の生を全うしよう。


 そう思った矢先の出来事だ。


 人間は吾輩を床に落とした。


 全く気づかれていないようだ。このままでは生命の礎となれず、虚しく干からびるだけだ。

 我輩を見ろ、ゴミのようだろう。ゴミのようではなく、ゴミなのだが。

 蟻にも素通りされる。

 そんなのアリか。

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