29.死考Ⅱ

事あるごとに

いや事ないときでも

「死んだら・・・」の先を考えてしまう


感動で胸が締め付けられた今度は

死んだら何も感じられなくなるのだろうかと

そんなの当たり前だと思う一方で

心のどこかではそう思うことに疑問を抱く

それは大人になっても

たとえ子供のままでも

死の実際は知り得ないからだろうか

死に於ける「当たり前」などない筈なのに

生者として当たり前だと思ってしまう

そんなことを考えていたら今度は

死んだらなくなるばかりなのだろうかと

そんなの当たり前だと思うことに

心のどこかで疑問を抱く・・・


堂堂巡りは生きている限りずっと

「死んだら・・・」の先に何もなくとも――

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