7.星命

創世に際し 世界中に混在する命はすべて星の下に統治され 束縛を余儀なくされた

命には 星の前では何の権利も与えられなかったが 束縛から逃れたいという思いはあった

だからその中で混乱が生まれるのも時間の問題だった

それからすぐに星は命を治められなくなり 世界を大きく失望させてしまった

世界はこれを教訓とし 星一つに対し命を一つ与える事にした


星が命を持つようになり それまで放ち続けていた輝きは 永久のものではなくなった

また「輝く」ためには 命を削らなくてはならず その上いつかは輝くことも出来なくなるという話だった

それだから 悪態を吐くように徒に輝いてみせる星があっても不思議ではなかったし

それとは逆に 輝き過ぎないようにほかに気を配る星があってもそれは普通であった


星がそのように命と折り合いをつけられないでいたある時 とうとう命尽きようする星が出てきた

その星は先に挙げた前者とも後者とも違った

命を与えられたその時から その星だけは この時が来るのをひたすらに待っていた

星が悪態を吐くのをやめ 配っていた気を張るようになる中 その星は最後の輝きを放ち命を終えた・・・

成り行きを見守っていたすべての星は 慌てふためき 往往にして世界に混乱が訪れた


最初の星が消えてからというもの 星は己の身を案じるばかりだった

一つとして強く輝く星はなく 消えぬ程度に弱い輝きを放つ星ばかりになった

それからしばらくして 初め悪態を吐くように輝いてみせていた星のひとつも 最後の輝きを放った

そしてずっと輝き過ぎないようにしていた星もまた 同じようにして命を終えた・・・


次次に命が終わっていった

それでもどの星も 最後には紛れもない一等星となった

すべての星の最後を見届けてきたその星にも とうとう終わりがやって来た――


こうして最後の星が命尽きても 世界はまた星命を生み 忌憚なく創世を行ったと云う

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