タトゥーにはレーザー?
大きなタトゥーを切って取ってしまうと、植皮をしなければいけない。
植皮じゃなければ、何回にも分けて手術をして、長期の治療になる。
さもなくば、皮膚拡張器を使って周囲の皮膚を伸ばさなければいけない。
ということは、やっぱり刺青にはレーザー?
レーザーを当てると、タトゥーにはどんなことが起きるのでしょうか。
タトゥーに用いられるレーザーは、Qスイッチ
照射された高エネルギーレーザー(特定の周波数=色の光)が色素に当たると、その場所で数百度という熱が発生します。
照射時間は何千万分の1秒と短いので、高温が発生しても色素の部分のみにダメージを与え、周囲の組織に影響を及ぼしません。
いわゆる「シミ」にも用いますが、そちらのほうは、またの機会に。笑
レーザーをタトゥーに当てると、彫り師の手指あるいは刺青用機械によって真皮内に埋め込まれた色素に熱が発生し、小爆発を起こします。
爆発は、色素の塊を極小の微粒子に砕きながら組織内に拡散させます。
すると、タトゥーの色が薄くなります。
浅い色素の場合は、タトゥーはほぼキレイに消えます。
拡散しただけで薄く見えるのはなぜ?
擬態するタコの濃淡自在の皮膚は、体表面にある色素胞を伸ばしたり縮めたりして色を変えます。
伸びて色素が疎になると色が薄く見え、縮んで色素を密にすると濃く見えるのです。
それと一緒です。
また、何百度の熱が発生した場所の細胞は死滅しますから、これを貪食細胞などの掃除屋細胞が食べに来ます。
そのとき色素も一緒に食べて、運び去ってくれます。
このように便利なレーザーですが、限界もあります。
簡単にいうと、大なり小なりヤケドを生じるのです。
真皮の深い部分に多量に色素が存在すると、強い出力のレーザーを当てることになります。
それはヤケドのダメージによってキズアトが残ることを意味します。
年々機械は進化して、昔ほどのひどいヤケドを生じなくなりましたが、まだまだです。
タトゥーの色によっても、赤、黄色などの場合は消しにくいという問題があります。
また、稚拙な手彫りで入れた刺青は、色素の深さや量が場所によってまちまちで、適切な照射が困難です。
ヤケドのキズアトが残ってもかまわないから全て消したい、というひともいます。
しかし、ヤケドのキズアトが治療後も依然として絵や文字であれば、意味はありません。
みごとな龍の絵柄や、「タカシ命」という大きな文字などをヤケドに換えても、、やはり龍の絵に見えてしまうし、元カレがタカシだったと知られてしまいます。
こんな場合はどうするか。
やはり切除するしかありません。
あるいは、レーザーと切除を組み合わせる。
絵や図形や文字には見えない形にすればいいのです。
しかし。
キズアトは残ります。
だから、消したくなるようなタトゥーはしないのが一番です。
個人的に思うのは。
美しくすばらしいタトゥーは、できれば消さないでほしい。
自分と同化しているほどの愛おしい刺青はそのままでいい、だれも文句はいえない、とわたしは思います。
みごとな絵柄の刺青をしたひとと銭湯で一緒になっても、わたしは全くかまわないです。
そういうひとが原因でイヤな思いをしたことが、わたしにはありません。
蛇口からお湯を出しっ放しにして平気なひとや、身体を洗わずに湯船に入ってしまうひとや、隣に石けんの泡を飛ばしてもなんの良心の呵責もないひとなどは、身体にタトゥーを入れていないひとばかりでした。
あ。
やっと怒りの豆知識に戻った。笑
次回は「妊娠線、ためらいキズ」。
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