キズアト(4:年齢の差)

真皮層が厚いほど瘢痕(キズアト)の量が多くなりがちであると、紹介させていただきました。

したがって、同じ個人でも身体の場所によってキズアトがキレイに治る、目立ちがち、ということが起こることも述べました。

人種によっても、ある程度の差がある事実もお話しさせていただきました。


では、「老、若、男、女」は?


お年寄りの皮膚とは。

「老化の正体」は、「皮膚が薄くなって伸びる」ことです。

真皮層の厚みが減少します。

表皮層も薄くなりますが、薄くなる主体は分厚かった真皮層です。


まぶたの皮膚が薄くなって伸びると、二重まぶたの折り返しよりも上の皮膚の面積が目立って増加して、結果「まぶたが下がった」という様子になります。

ちなみに、これにより前が見づらくなるので、眉を上方につり上げることで無意識に対処します。

皮膚が次第に伸びる→眉をつり上げる……。

日々、皮膚が垂れ下がる→日々、額に横ジワが刻まれる……。


皮膚が薄くなって伸びると、小ジワ、深いシワ、折り目がついたシワが形成されやすくなります。

逆にいえるのは、真皮層が厚くて、コラーゲン繊維が密で規則正しく分布した若々しい皮膚には、シワが生じにくいということです。

余談ですが、真皮層を厚くするには、繊維組織を増量するという困難なアプローチの他に、水分量を増やすという手があります。

これはまたの機会に。


真皮層が薄いと、生じる瘢痕量は少ない。

つまり、ご老人のケガの後、縫合の後はキズアトはキレイに治ります。

傷を治そうとする活動、代謝が低下している可能性もあります。

わたしが研修医の時、おばあちゃんの額の腫瘍を切除して縫縮したら、3ヶ月後はどこを切ったか分からないほどになっていました。

自分の腕前を過大評価する結果となりました。笑


一方、小さい子どもの場合は、身体の小ささと比したら瘢痕量は多いような気がします。

けれど、早期に適切に処置した場合は、意外にキレイに治る印象もあります。

個人的には、子どもは少しミステリアスです。

もうひとつの特徴は、子どもが成長して数十年経過するうちに、キズアトも少しずつ変化し驚くほどキレイな瘢痕になっていくことです。


さて、男女間で差はあるでしょうか。

男性ホルモンや女性ホルモンは、瘢痕形成に影響を及ぼしているでしょうか。





次回は、キズアト(5:男女の差)です。

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