あなたのとなりにメル・アイヴィー
メルはずっとワンピース。
だから、うさぎさんに尋ねます。
「どうしてメルはワンピースなの?冬だから寒いのに」
すると、うさぎさんは答えました。
周りをよーく、見てごらん。黄色や赤の錦がはためく。
つまり今は秋なのさ。
それじゃ答えになってない。
でも、確かに秋だった。
「秋だからって寒いんだよ。どうして秋もワンピースなの?」
するとうさぎさんは答えます。
それはこういうコンテンツ。
メルはこういうコンテンツ。
メルは寒さを気にせず歩いているといぬさんがメルに問いかけます。
犬でもないのにどうして首輪をしているの?
メルは首をかしげます。
「これはチョーカー。首輪じゃないよ。何かを縛る楔じゃないの」
ぼくの首のは契りなの?ぼくは自由じゃないの?
いぬさんメルに問いかけます。
「メルメルメルメルメルメルメル。あなたは自由。生まれてこの方ずっと自由。でもあなたに首輪があるということは、あなたは不自由を望んだの」
私のチョーカーは自由の首輪。
自由に縛られる不自由なチョーカー。
プリンはメルに押し寄せる。
メルはプリンが大好物。
「プッチン一日100万個。プリンの王将」
「焼きプリンはとっておき。一日寝かせてベストヤミー」
「牛乳プリンはご機嫌斜め。ヨーグルトと違いが分からないもの」
すると、プリンは怒りだす。
「FFのプリンを忘れるな。きちんとモンスターなんですよ!」
それはごめんね、プリンさん。
スプーンを持って、掬います。
「かぼちゃプリンを忘れてた」
祈りを込めて歌います。
かぼちゃプリンの歌をメルは歌います。
どうして君は銀色と鱗の魚は尋ねます。
「メルと同じ銀色ね」
すると魚ははぁと溜息。
あなたのせいで銀色よ。あなたと同じと言われるの。
もううんざりとおさかなさん。
なんだかメルが悪いみたい。
「謝れば済むとは思ってないの。だからメルは謝らないの」
魚は嬉しそうにして、湖面をぴちゃりと撥ねてまた今度ねと叫びます。
メルはアイヴィー。
メル・アイヴィー。
あなたのとなりにメル・アイヴィー。
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