その7~遠足、オークになんか負けないっ!
行軍開始、俺は真っ先にルームメイトのモブ男を探した。
「モブ男、ここにいたか」
「やぁ、心の友よ。ボクの名前はモラレス・ブニェルだよ」
「だから縮めてモブ男、やっぱり親友ならニックネームで呼ばないとな」
「だったらキミもチビのマルコでちびま……」
「はい、重ねるの禁止!」
田舎でのスローライフを目指す青年の周りにはクラスでも見知った女子の面々がいた。モブ男のくせに女子に囲まれている、どういうことだ。
「おいおい、なんだぁ? モテモテハーレムか?」
「キミの方こそ、お嬢はともかく、魔術クラスや武術クラスの女の子といつの間に仲良くなったんだい?」
「この遠足のためにスカウトしたからな、そっちは?」
「それはだね、ボクの能力は知ってるだろ?」
人間蚊取り線香……なるほど。野営のある遠足だけなら、ある意味モテモテかもしれんな。
「つまり、虫除けか、屋外行動だもんなー」
「そゆこと」
「じゃあ、しばらく一緒に行かねぇか? こっちは守りだけは特化してるから、そっちも安心だろ」
「やっぱりキミ、ボクの菊門を……」
「ちげーよ!」
というわけで人間蚊取り線香ことモブ男の班としばらく行動を共にすることにした。いやぁ、野山は虫が多いからね、快適快適。持つべきものは親友だね。
モブ男の班の女子の面々はというと全員7組で、特に話したことは無いが見覚えのある連中だ。
まずは必ず茶柱が立つ能力のアリー・ケトル、古き良きアメリカの少女という形容が相応しいおさげ髪が似合う、そばかすがチャームポイントの子だ。パッと見地味ではあるが、目つきはややツリ目で低身長(例えばヨミも)特有の勝ち気そうな性格が垣間見える。
二人目はサイコロの目を自由に操作できる能力のメイコ・スコルピア、美人ではあるがなんとなく顔に陰りが見える不幸が似合いそうな長身の子で口数も少ない。
最後のひとりはどんな食い物でも甘くする能力のキャサリン・キャンディコート。ふわふわの髪に垂れ目でおっとりした印象を受ける。全体的にカロリーが十分に行き渡っている立派な体格で、特筆すべきはその超絶柔らかそうな胸。男子生徒のみならず、母性に飢える老若男女を瞬殺してしまいそうな包容力を感じさせる。縦ロールとはベクトルの違う立派なおっぱいである。
以上のラインナップで、さすがその他クラス、見てくれはそれなりだが、肝心のギフトは役に立ちそうで立たなそうな、微妙な能力大集合である。
サイコロの目なんか利用価値が高そうだが、そういう能力を持ってるとバレた瞬間イカサマ確定でエンコを詰められてしまうかもしれない。てゆーかクラス全員が知っているのでくじ引きやゲームのたぐいには一切参加させてもらえないかわいそうな奴である。
茶柱が立つ能力に至ってはどこで使うんだよその能力、って感じである。
……と思っていたこともありました。
「お茶が入りましたよ~」
茶柱ことアリーは、お茶を煎れるのが趣味のようで、休憩時間に全員分のお茶を煎れてくれた。まあ、天職といえば天職か。
見事に茶柱が立っている、隣にいる女剣士の湯飲みを覗くとこちらもしっかり立っている。
「主殿! 茶柱が勃ってますぞ! これは幸先良いですな~」
漢字が間違ってる気もするが、いつものことなのでスルーしよう。
「いやはや、アリー殿はすごいですなぁ。これでこの演習は無事成功間違いなしですよー」
「そんな……私なんかこれくらいしか出来ることがないから」
「いえいえ、士気を高める、これもまた辛い集団行動において重要な役割ですよ。ゴクゴク……もう一杯お願いします、勢いよくそそり勃ったのを!」
褒め殺しか! でも当の本人も珍しく褒められてまんざらでもないような顔をして新しい茶をいれている。なるほど、ひとを扱うには褒めて伸ばす、か。コミュ症の俺はこういうところは学ぶべき、かな。メモしておこう。
「みなさん、あのぉ、よかったらこれもぉ……」
と言って出されたのは携帯保存食料、カロリーと保存性だけを考えられて作られた、餓死するよりはマシという茶色い物体。実際に兵隊などにも支給されているものだ。
旅慣れた者やサバイバル能力の高い──例えば猟師などの──連中は自分で現地調達した食料を調理して少しはマシな食生活をするのだが、全員にその能力を期待するのは難しいので、最低限の食料として公務における主力レーションとなっている。
だが、この子はどんな食い物でも甘くする能力の持ち主、つまり、
「あら、美味しいですわね。野戦携帯食ってこんなに甘くて美味しいものだったなんて、世間知らずと笑われても仕方ありませんわね」
また自虐始まったー! おほほはもっと毅然としていて欲しい。
「姫さん、この子の能力をお忘れですかい? 普通の携帯食はもっとこう、ゴミみたいな味ですよ」
「そうだったんですか……こんなにも人の役に立つ能力をお持ちになって、もっと誇っていいのですわよ」
「あ、ありがとうございますぅ」
スイーツキャサリンは恐縮して赤くなった。うん、これまた人心把握に長けていると言えよう。さすが腐っても名門育ち。
よしゃ、俺も褒め殺ししてみっか!
「モブ男よ、お前のおかげで虫は寄ってこないし、最高だな!」
と、ぽんと親しげに肩をたたくとケツを押さえて後ずさりして、
「や、やっぱりキミは……」
っかしぃなぁ、なんで同じように褒めてんのに俺だけ警戒されてんのこれ。
サイコロは暗い顔で黙って茶を啜っていた。ほつれ毛が無力感と疲労感を演出している。うん、ちょっとわかるぜその気持。
とにかく、お茶はめでたいし、マズいはずの飯は極上スイーツだし、虫は寄ってこないし、快適さだけを考えれば参加者の中でもトップレベルのような気もする。
そう考えると逆にうちの班の面々、ヨイショしてるだけで現在のところまるで役に立っていない。とはいえ適材適所というやつで、出来る奴が居るときにはそいつに任せ華も持たせる、ってのでいいよな。
この演習の一応の目的地はヒョットコ山というさほど標高が高くない山の中腹にある神殿だ。
何の神様かって縦ロールに訊ねると、交通安全の神様だという。いやそこはせめて学問の神様とか、ギフトの神様とかじゃないのかよ! とツッコミを入れたかったが、神殿の手前に広がる森が適度の魔素に満ちていて、程良く魔物が出現するのでうちの人外学校の生徒だけではなく、普通の軍隊やフリーランスの狩人にとっても訓練のメッカとして人気のスポットなんだそうだ。
かつては大した信仰も集めていない寂れた神殿と門前町であったが、今やトレーニングの拠点としてそれなりに繁盛しているらしい。交通安全大事だよね~。
しかし徒歩でちょろっと日帰りできるような場所ではなく、二日目ともなるとしんどくなってきた。
「ああ遠い……転移の魔法とかギフトとかって無いんかな。パパっと移動できるような」
と、魔術クラスのヨミに聞いてみた。
「バカご主人、それは最大のタブーよ。そんなこともしらないのぉ」
「知らんから聞いているのだ教えてください」
素直なのが俺の美徳である。なんの抵抗もなく頭を下げて教えを請う。
「あのね、かつて転移魔法を研究していたひとがいてね。その実験途中にたまたま頭に蝿が止まって……」
「待て、皆まで言うな。わかった、そういうことでタブーなんだな」
「そういうこと。少し異物が混ざると大変なことになっちゃうから実用化はされてないのよ」
「で、その蝿と融合しちゃった奴は……」
「どこかの研究施設に標本が保存されてるって話だけれども、見たくもないわね」
「魔法も万能というわけにはいかないんだなぁ」
「ふふん、そう思うでしょ? もの自体の座標を転移させるんじゃなくて、ふたつの空間同士を繋げる技術はかなり実用化に近づいているわよ」
「おおっ? どこでも○ア方式か。それなら融合の心配も無いな」
「どう? 魔法は万能じゃないけど不可能はないわけよ」
「なるほどなぁ、俺も魔法を使ってみたかったなぁ」
せっかく魔法のある世界に生を受けたというのに魔力ゼロではどうにもならん。
「ひとはひと、クソご主人はクソご主人でしょ。ひとに出来ないこと出来るじゃない」
「……もしかして、励ましてくれてんの?」
「な、なわけないでしょッ! 励ますくらいだったらハゲが増しちゃえ!」
フッサフサの今はともかく、将来はどうなるのだろうか? 父親の頭髪を思い出す限り、うちの家系は薄毛には悩まされないような気がするんだけどなぁ、隔世遺伝というやつもあるだろうし、ジジイがどうだったかは知らないし。
先頭の方でヒイコラ言いながら汗をふきふき歩いている担任教官のヤカン頭が見える。陽の光を反射してキラキラしている。
などと毛根細胞の心配などしつつ行軍を続けること数日、ヒョットコ山の麓に広がる森林の入り口の集落まで到達した。修行者向けの簡素な宿屋やら飯屋やら雑貨店やらが並ぶ小奇麗な宿場町だ。
繁忙期ではないのか、はたまた人外戦略兵器集団のとばっちりを恐れてみなこの時期を避けているからなのか、規模の割にはひとが少ない。
森の向こうには凸型をした山が見える。確かに突出した部分を鼻に見立てれば……って、そりゃ天狗じゃーい! ヒョットコの口なのか? そうなのか?
落ち着け、この世界のネーミングセンスは無茶苦茶だ、元の世界で言うゲルマン系もあればラテン系もあり、あげく日本語みたいな名前もある。ツッコんだら負けだ。こちらの世界で記憶を取り戻してからの短い時間でそれは悟った。
ここをベースキャンプとして各班テキトーに魔物狩りをしなさい、と遠足のしおり、じゃなくてスケジュール表に書いてあったので、大荷物は預けて探索・討伐の準備に取り掛かる。
「ほいほい、わてら引率はそこの公民館を借りて常駐してるさかい、何かやらかしたら報告に来ること。ほんま、地形を変えるような派手なことしないか心配やな、逆の意味で自分の実力を見誤らんように。ほたら各自勝手に出発。はぁ、しんど」
まあ分別もついてない年齢の戦略兵器が解き放たれるわけだしな、普通の引率とは逆のこと心配しなきゃならない。全く大変だよ、そりゃ毛根細胞にも悪影響だよ。
「みなさん、行きますわよ!」
旅の疲れも何のその、縦ロールも艶やかに、フンス! と鼻息が荒い。
ああ、その張り切る姿も可愛い可愛い。
「主殿、触手型モンスターは居ないんでしょうかね?」
「知らん、知らんがお前が何を考えているかはわかる」
「主従の以心伝心ってやつですね、さすがです主殿! はぁはぁ、ローパーでもスライムでも、いざ尋常にかかってこい!」
「いやよスライムとか、あのネバネバヌルヌルポヨポヨした動きを考えるだけでキモすぎる! クソご主人の視線くらいキモい!」
「あのぉ、俺の視線てキモいですかね?」
「キモいに決まってるじゃない、下から上に身体の表面を舐(ねぶ)るようにじっとりと、視線がまとわりついてもがけど離れず、サブイボできるわね、ほら見てみなさいよ」
と、ヨミが腕まくりすると、別にサブイボ──標準語で言えば鳥肌──なんぞなく、ほんのりと血色のいいつるっとした肌が綺麗。ペロペロチューチュー吸い付きたい。こっちがバンパイアになりそう。
「ふむ、そういう楽しみ方もあったか……主殿、ぜひ私を視姦して!」
「しとらんわ!」
ここでのモンスター退治は、班ごとに成績へ加算される実技演習なので、余所の班と一緒に行動するわけにもいかず、モブ男率いる便利チームとは別行動となっている。
代わりにリディアが寄って来るブヨだの蚊だの毒蜘蛛だの毒蠍だのを両手剣で器用に撃墜あるいは撲殺していた。うむ、これぞ技術の無駄遣いのような気もしないでもないが、本人は涼しい顔でぶんぶんと剣を振っている。あれ一度持たせてもらったけど、重いんだぜ……さすがゴリラだな。ただのムッツリスケベのセクハラエルフではない。
「なあ、マル……クソご主人」
「あん? 名前で読んでくれていいんだぞ! 今出かかったよね?」
「リディってあれで序列最下位なんだよな」
軽々と両手剣を扱うゴリ……リディアを横目に見つつヨミが話しかけてくる。
「そうらしいな」
「武術クラスって化け物ぞろいなのか?」
「たぶんな、俺なんか瞬きする間に首が飛ばされて、飛ばされたことにすら気付かないだろうな」
「お、恐ろしいのだな……」
「魔術クラスだって馬鹿みたいな火力出してるだろうに。地形が変わらないようにってハゲに釘を刺されたのは、魔術クラスの奴らに向かって言ってたんだろ」
「それはそうだが、発動前や詠唱中に攻撃されたら為すすべもないな」
「そのためにチームを組むんだろ」
「なるほどな……なるべくリディの近くにいようっと」
いや、あんたハーフバンパイアの身体能力持ってんじゃねーの? 防御魔法(物理)もあるんじゃねーの?
「アリーさんたちは大丈夫でしょうか……」
モブ男の班はモブ男がリーダーのはずだがモブ男の名前が縦ロールの口から出ることはない。
道中、すっかり仲良くなった女性陣。これで姫さんも少しはクラスに馴染めたら、それだけで来た甲斐があったってもんだ。
「茶柱も立ってたし、大丈夫じゃないすかね。それに力が有り余ってる余所の班が虱潰しに魔物を狩りまくってるわけで、よほど突出して奥に行かない限り遭遇すら難しいと思いますよ」
「だと良いんですけど……」
どかーん!
遠くの方から爆音が聞こえる。早速ハッスルしている連中がいるらしい。
モンスター視点で考えてみると災難以外の何物でもないな。
「ひとの心配する前に、ウチらも一匹くらいは倒さないと点数もらえないですよ、アナさん」
「そうですわね、わたくしたちだって出来る! ということを証明しなければなりませんものね。いざとなったらわたくしが差し違えてでも!」
グッと拳を握って気合いを入れるがそれは止めて欲しい。いくら自己再生能力があっても痛いものは痛いだろうし。
森の中を移動するのは想像以上に体力を消耗する。
プロの狩人はこんなところを一日中歩き回ってるのかと思うと改めて感心する。ギフトが無くても人外の能力を発揮する連中というのは居るものであるよな。
楽をしたい我々は少し開けたところ、小川沿いの巡礼者たちが行き交い踏み固めて道のようになったところを歩いていた。いや、少し歩いては休憩し──巡礼者向けに簡易なあずまやが所々にあった──ていた。
小川の水を沸かして飲んでいると、
「茶柱が立ちませんわね」
「あれが普通になっちゃうとどうしても物足りなく感じますな」
何の役にも立たないと思っていた茶柱を立てる能力も、無ければ無いで寂しいものである。一つの真理、全く役に立たないギフトなど無い、ということを悟る俺たちであった。
ああ、成長した。これだけ成長すればこの遠征演習の収穫は十分なのではなかろうか。
モンスターは根こそぎ狩られて見つかりませんでした、ってことにして早くベースキャンプに帰ろうかしら、などと横着する気満々で茶を啜っていると、少し離れた方からガサゴソと音がし、藪の中から小川の小道へ、緑がかった人型の何かが数体飛び出してきた。
突然の襲来に茶碗を投げ捨て……るのは勿体無いのでそっと置いて、臨戦態勢をとる俺たち。
臨戦態勢とは言ってもリディアの背後に隠れるくらいだが……うわぁ、格好悪い。
人型の顔は豚のようで犬歯が見えている、身長は2メートル近くあり、横幅も広い。つまりは顔が厳つい系の関取の集団が物々しい雰囲気で現れたようなものだ。
「くっ、オークの群だとッ!?(はーと)」
やはりあれはオークなのか、元の世界で描かれる姿とほぼ差異は無いな。それにしても、
「おい、今語尾に(はーと)ってついてなかったか?」
「気でも狂ったのか主殿、この緊急事態に何を言っているのだ(はーと)」
「お前の頭の方が緊急事態だよ。もう~、ちゃんと戦えるんだろうな?」
「もちろんだ! この身にどんな屈辱が待ち受けようともパーティメンバーだけは守ってみせる(はーと)」
そんな、犯られる気満々の奴に命をゆだねるしかないというのも、なんというか、因果なものであるよなあ。
「おほ、おほほほ、このわたくしがついていますわよ、オーク程度の雑魚など蹴散らしておやりなさい!」
勇ましいのは大変結構だけど、あんたも戦力外だから。
「だだだ大丈夫ですよアナさん、いざとなったらクソご主人のケツを差し出してウチらは逃げましょう」
ちょっと何それ、そーゆー役はリディアでしょ。
人選間違ったかなー、やはり命のやりとりするってのに顔を判断基準にしたのはマズったか。いやいや、信念を貫き通せよ、諦めんなよ俺。
迫るオークの数は6匹? 6人? 6体? 人型をしているから単位も悩んじゃうところだよね。関取みたいなのが集団でドスドスと土煙を上げながら向かってくる様はなかなかの迫力であった。
「おうおうおう、この中で一番偉いのは誰なんでぇ」
シャベッタァァァァ!!
え? オークって意志疎通できるの??
「この男だ」
リディアが剣先を俺に向けて即答する。
いやちょっと待って、普通縦ロールでしょ、名目的にそうなってんだから。
マジで俺の菊門の危機なの?
「そうか、兄ちゃん、ちょっと話があるんだが」
「な、なんでっしゃろ?」
「あのな……一つ聞きたいのだが……その、つまり……」
言いよどむオーク。
この調子、どうやら高圧的にカツアゲあるいは婦女暴行あるいは強制男色などするような雰囲気ではない。
よく見ると豚顔に焦燥感が滲んでいる。
「お前ら、いやあなた方はギフトを扱う騎士学院の生徒だよな?」
「そうだけど、それが何か?」
「良かった! 頼む、助けてくれ」
「はぁ?」
この展開には各々顔を見合わせて困惑。
「俺たちの村の近くに強力な魔物が現れたんだ。このままじゃ村は全滅しちまう。勝手なことだとは思うがここは人助けだと思って……」
全部言い終わる前に縦ロールが急に元気になって一歩前に出、胸の谷間から取り出した扇子をぱっと開き、
「おほほ、よろしくてよ。ねぇリュミナエリさん」
相変わらず実力不相応の見栄っ張りなのが可愛らしい。てゆーか扇子を収納できるんだ……すごいな谷間。
そう振られて否定するなどという選択肢は無く。
「へい、じゃあ案内してくれ」
「ありがてぇ! こっちだ、ついてきてくれ」
展開の早さに一瞬罠かな、とも思ったけど、その場合はリディアを差し出して逃げればいいかぁ、と気楽に考え、俺たちは豚顔のあとについていった。
リディア本人は何故か不満そうな顔をしていたが見なかったことにしよう。
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