第2108話 ガチのやつじゃん!(汗)

 さて、続きです。

 

〜前回までのあらすじ〜

 ほんのりと転職しようかなと思い、複数の求人サイトに登録して求人情報を眺めるだけで満足していた宇部さんのもとに、見知らぬ番号から電話がかかってきたゾ(しかも買い物中)!


 その時、たまたまスマホを手にしていたこともあり(その店のアプリでチラシとかクーポンをチェックしてた)、仕方なく出てみることにしました。いつもかかってくる保険の見直しのやつとか、生協の共同購入の「再開しませんか?」のお誘いかな? そんなのんきな事を考えて。


 ちなみに、ワンチャン、拾い上げの電話か? とも考えました。おいおいどこの出版社だ? 万に一つもないやつですが、これもある意味とらたぬチャンス。わずかな妄想のチャンスも逃しません。


 そしてもちろん拾い上げTELではありませんでした。


????「もしもし、宇部松清様のお電話でお間違えないですか?」

宇部「はぁ」

????「わたくし、『オシゴトサーガス(仮名)』の山田(仮名)と申します」

宇部「はぁ……?」


 そう、昨日登録した求人サイトからだったのです。えっ、何? ココってイチイチ電話かけてくるの? 登録しただけなのに? めんどっ! この電話終わったら即退会したい!


 そう思いはするものの、電気料金のプランがどうだの、ソーラーパネルがどうだのみたいな電話には「結構です」と断れる私ですが、今回はそもそも私の方から登録したという引け目もあり、それが出来ません。聞かれたことにハイハイと答えました。どんな仕事を探していますか、譲れない条件はありますか、などなど。


 あっこれ、結婚相談所のアレみたいだな。そんなことを考えながら答えました。執筆に活かせるかな? もちろんそれも考えました。


 5分ほどお時間をいただけますか、ということだったのですが、結局10分くらい時間を取られ、やっと話が終わりそうな雰囲気に。頭の中は、「これが終わったら即退会するんだ」でいっぱいです。声がさわやかで、大変感じの良い男性でしたが、「ごめんな山田(仮名)さん、ほんとに申し訳ないけど、まさかそんな手厚いサポートとがあるタイプのサイトだと思わなかったんだ。お互いの傷が浅いうちに私はここを去るから」と思い、へぇへぇと話を聞いておりました。


山田「申し訳ありません、まだまだお話したいことがあるので、明日とかお時間取れませんか?」


 えっ。


宇部「えっ、と……あの、明日は遅番なのでちょっと」

山田「そうですか。では明後日は?」


 山田氏はぐいぐいと来ます。こうなると、押しに弱い宇部さんは駄目です。どうしよう、もう逃げられない。


宇部「えっと……遅番の出勤前なら」

山田「わかりました! では9時にお電話しますね!」

宇部「はぁ……」


 この電話が終わったら即退会だ、と思っていたのですが、翌日のアポまで取り付けられてしまったらもう駄目です。とりあえず、次の電話が終わったら、と思っていたところ。


山田「宇部様、弊社のLINEを登録していただけますと、今後の求人情報ですとか、それからお電話が出来ない時のやり取りが出来ますので、ぜひ! メールで送っておきますので!」


 LINEがあんのか。

 むしろそれで良いよ。

 これからもずっとそうしてくれ。


 そう思いました。

 もし一方的にLINEでメッセージを送りつけて来るだけなら、こっちとしても気が楽です。何せ宇部さんは電話が大の苦手。というわけで、それも含めてわかりましたと返答し、通話は終了しました。その直後、携帯のショートメールにLINEの登録云々のお知らせが届きました。まぁ、わかりましたって言っちゃったしな、と登録しますと。


 恐らく定型文があるのでしょう、ものすっごい長いメッセージが届きました。


 LINEでここまで長文メッセージは普通に引く。


 内容としてはこうです。


 先ほどはお時間をいただきありがとうございました。

 宇部様の担当をさせていただきます、山田大介(仮名)と申します。

 今後の流れをお伝えします(めちゃくちゃ細かい説明)。


 ゾッとしました。


 ヤバいこれ。

 ガチのやつじゃん。

 えっ、コレ無料のサイトだよね?

 何でここまでガチなの? あっ。そうか、私が転職出来たら何かしらのマージンが入るんだ、この人に。

 

 もうね。

 あの婚活モノを書いた時にあれこれ調べた結婚相談所での婚活の流れみたいなやつなんですよ。


 その人の条件に合った求人(お相手)をピックアップ

 ↓

 まずは見学(顔合わせ)

 ※面接の前にその職場の見学とかが出来るところもあるらしい

 ↓

 良いと思ったら面接(真剣交際に進めるかの告白?)

 ↓

 駄目だったら、何が良くなかったかの分析

 ↓

 以下繰り返し


 っていう。

 ほら、結婚は昔、『永久就職』なんて言われてもいましたし、やっぱり似てるんですよ!


 おい、ここから『ウベマツキヨの就活』が始まってしまうやんけ!


 なぜ関西弁になったのかはわかりませんが、大変なことになりました。

 まさか2話で終わらないとは。


 続きます!

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