第1936話 ハマっちゃったようで
あれから順調に
旦那「お土産買って来たよ!」
渡されるのがもう大抵抹茶関係。
恐らく私よりも旦那の方が気合入ってる。応えたい、その期待。
そんなある日のことです。
ここ数日、お天気がぐずぐずで、移動手段が徒歩or自転車の私は、少々買い出しに消極的。そんな時、マイハズバンドは「良いよ、俺が行ってくる!」と神対応。20時、子ども達を寝室に向かわせた後、ちょっと遊びに行ってくるね、のついでにお買い物にも行ってくれるとのこと。助かるー! 買い物メモを作成し、食費が入ったWA●Nカードを託して、行ってらっしゃい! と送り出しました。近所のスーパーは24時間営業です。ちなみにこういう時間に宇部さんは執筆しています。
が。
22時ちょいすぎです。
しょんぼりした様子の旦那が帰宅しました。いつもならパンパンのエコバッグを持っているはずなのですが、その手にそれはありません。代わりにあるのは、ビールとおつまみと――……?
旦那「ただいまぁ。ごめん、松清子。俺知らなかったんだけどさ」
宇部「お帰り~。どうしたの?」
旦那「ほら、いま○○(スーパー名)、外装工事してるじゃん。それでさ、閉店時間が22時ってなってて」
宇部「あぁ、そうだった! そうだったね! すっかり忘れてた!」
そう、旦那はいつものように22時頃まであちこちぶらぶらし、そして、そろそろ帰宅せねばとなって最寄りのスーパーに行ったところ、「えっ?! もう閉店時間?!」となった模様。
で、一応閉店ギリギリの時間ではあったらしく、せめて! せめて何か買って帰ろう! と思ったらしく。
宇部「抹茶の……どら焼き……?」
旦那「松清子に何かお土産を買わねばと思った」
宇部「ありがとう。しかし、なぜまたこれを……?」
旦那「良いかな、って思って」
宇部「……良いね!」
例え、出来ればそれよりも買ってきて欲しいものがあったんだが、と思ったとしても言いません。というか、別に急ぎのものでもないのです。その日、仕事帰りに私が買えなかったものを買いに行ってもらっただけですし、朝ご飯のネタもあります。ただ、例えば明日もまた天気がぐずぐずで買い物に行けなかったとしたら、その時に困るな、っていう。それだけのやつですから。
それよりは断然どら焼きです。そうでしょう?
しかも、現在チャレンジ中の抹茶です。正直「おっ、また抹茶か」と思わなくもありませんが、それもこれも私に抹茶を好きになってもらいたい、という彼の愛!
食べてやろうぞ! 何かすっげぇ抹茶感のあるどら焼きィ!
というわけで、仕事の休憩中にいただいたんですが、結構おいしくてですね。一旦LINEで簡潔に感想を伝えた上で、その日の夜、洗濯ものを干しながら詳細の報告をしたわけです。
宇部「そう、それで例のどら焼きなんだけど」
旦那「そうそう! どんな感じだった?」
宇部「あのね、見た目ほど抹茶抹茶してないというか、あのね、あんこと混ざってるからね。ほら、抹茶のあの色を活かすためには黒いあんこじゃないの。やっぱり白あんなのよ。そしたらほら、抹茶の色も活かせるというか!」
旦那「成る程」
宇部「それで、その、白あんと抹茶の……その、何だ、なんていうの、アレよ、あの、えーっと、マリアージュが」
旦那「――ングフッ?!」
宇部「えっ?! 何?! どうしたの?!」
旦那「マリアージュ?! 松清子の口から何か素敵な言葉出て来たね?!」
宇部「えっ?! 出るよ、マリアージュくらい出るでしょ!」
旦那「マリアージュかぁ。うん、俺と松清子がマリアージュだよね、うん」
宇部「それはマリアージュだけれども」
旦那「成る程ね、うん、白あんと抹茶のマリアージュね、そういうマリアージュの話ね!」
宇部「そう、そっちのマリアージュの話」
どうやら旦那が読んでいる漫画の中にワインのやつがあるようで、その中でよく出て来る表現らしいのです、『マリアージュ』って。それでですね。それからずーっとマリアージュ言ってる。相当気に入ったみたいで、ずーっと言ってる。
とりあえず、さっき来たLINEでは、
『今日のごはんのマリアージュ楽しみ』
って来ました。
ごはんのマリアージュって何。
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