第1925話 本当はちょっと嫌

 なんかもう定着しちゃってるけど、本当は嫌なんだよなぁ、ってこと、ないです? 今日はね、そんな話をしに来ました。


 でもまぁ、業務上仕方ないし、嫌じゃない人もいるしな、ってやつだったりして、だったらお前が我慢しろや、って話ではあるんですけども、まぁ聞いてくださいや。愚痴りたいんですよ。あと、ネタがないんですって。


 名前の呼び方の話なのです。

 

 宇部さんは元々、ちょっと珍しい苗字の人間です。『四月一日わたぬき』とか『小鳥遊たかなし』とかそういう難読系のやつじゃなくて、まぁ、『伊集院いじゅういん』とかそういう感じですかね。『伊集院』って読み方はそのままじゃないですか。そんな感じ。ただ『伊集院』って、タレントさんにいるし、創作でもよく見かける(お金持ちポジション)けど、私の苗字は見たことないです。結構良い感じの名字だと思ってるんですけど、全然使われない。クソ、いつか自作で出してやろうか。


 が、結婚して、『山田佐藤鈴木田中』レベルの名字になったわけです。ここでは『宇部』とします。『宇部』も十分珍しいだろ、ややこしいな。 


 とにもかくにも、ハイパーメジャーな名字を手に入れました。もう聞き間違いともおさらば、電話口での漢字の説明も必要なくなりました。


 で、時は流れて現在。


 職場でですね、私、下の名前で呼ばれてる。


 なぜって、名字がメジャーすぎて他の人と被るから。

 

 っていう話なら仕方ないじゃないですか。

 よくある話じゃないですか、クラスの中に佐藤が5人くらいいて、『佐藤A』『佐藤B』で呼ばれるとか。いや、アルファベットでは呼ばれないけど。とにかくそういうことです。


 だから、このエッセイの中では『宇部さん』って書いてますけど、実際は『松清さん』って呼ばれてるからね、私。


 あのね、私、下の名前で呼ばれることって、ウチの家族だけなの。家族って、私の親とか姉弟とかだからね?(弟は二人の姉を『(名前)ちゃん』で呼んでる)


 旦那ですら私のこと下の名前で呼ばないから!

 昔からのあだ名で呼ぶから! だからここでも『松清子』表記なんだから!


 家族以外で私を下の名前で呼ぶのなんて、クラスメイトですらいなかったから。ずーっと名字か、名字をもじったタイプのあだ名だったから! ていうかそれが『松清子』だから!


 でも唯一、一人だけいるんですよ、私のことを下の名前で呼ぶ人。それがね、幼稚園から高校までずっと一緒の男子でね? って書くとすっごいエモいでしょ? エモいってこういう時に使う言葉でしょ?! それがいまの旦那ですとかだったら、エモエモのエモでしょ!? エモエモのエモってこういう時に使う言葉でしょ?! ちょっと落ち着きな?! 大丈夫、旦那じゃないです。


 まぁとにかく、そんなこんななので、下の名前で呼ばれる機会があんまりないものですから、慣れてないんですよ。何なら、自分の名前、呼ばれなさ過ぎてあんまり好きじゃなかったりして(でも自作に出したことはある)。


 その名前が、いま、職場の人に呼ばれまくっている!


 確かにね、同じ苗字の人、MAXで三人くらいいました。私(売り場)とアルバイトの大学生と、サービスカウンターの人で、計3人いた。いたけどね、バイト君は就職して辞めちゃったし、サービスカウンターの人はシフトの関係上ほぼほぼ時間帯が被らないしね?! じゃあもう名前で呼ぶ必要なくないです?!


 それがね、何が嫌って、赴任して来たばかりの男性社員とかも、三日くらいで「松清さん」って呼んでくることなんですよ。えっ、私、宇部の方で自己紹介しましたよね? コミュ強の陽キャみたいに「気軽に『松清』って呼んでくださいね!(テヘペロ」とか言ってないよ?! 誰が許可した?!


 正直ね、呼ばれる度にちょっともやもやしてます。

 同性のパートさんはまだ良い。男の人に名前で呼ばれるの、本当は嫌です。あんまり急に距離を詰めてこないでほしい。

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