第1911話 私が輝く時
そういえばここで報告したかどうか定かじゃないんですけど、娘の楽器が決まったって話をしましたっけ? やぁね、最近忘れっぽくって。もし書いてたとしても初めて聞いたふりしていただけると助かります。良いですね、ここは優しいインターネッツだ(圧)。
そう、それでですよ。
吹奏楽部に入部した娘ちゃんの楽器が決まりましてね。
無事、クラリネット(第一希望)に。
良かったね、娘ちゃん。
これはGWに入る前に決まったんですけども。それで、何やら色々買わないといけないものがあるみたいでね。
これで楽器を買ってくださいなんて言われたら、さすがに「ちょ、待てよ」ってなるところなんですが(でもそういう学校あるらしいですね)、なんてことはない、メンテナンス道具と譜面台でした。
いや、譜面台も!?
私の時は学校にあるやつだったけども!?
まぁ良いです。
旦那がポケットマネーで買うと言ってくれたので、まぁ良いです。余程の額なら私も補填するわね。
で、リード(吹くところにつける板みたいなやつ)やら、スワブという楽器内部を吹く布、それから鉛筆やら何やら細々したものを買ってきたわけです。ちなみにリードが一番高かったそうです。私、金管楽器と弦楽器だからさ、そういうの買う機会なかったから知らなかったわよ。
それで、帰宅するなり旦那が言うわけです。
旦那「お母さんにしか出来ない頼みがある」
宇部「えっ、何。どういうこと? 私にしか出来ないことはないでしょ。良夫さんだって色々出来――」
旦那「娘ちゃん、ほら、ちゃんとお母さんにお願いしな?」
娘「これ(買ってきたものを見せる)が全部入る袋を作ってくださーい」
宇部「成る程それは私の仕事だ。任せろ」
もうね、夕飯前にさっと作ってやりましたよね。ただ紐がなかったので、そこだけは後日になりましたけど。
最高にかっこよかったですね。
うわ、私いま最高にかっこいいって思いながら縫いました。なんてことはない、裏地もマチもない巾着ですんで、マジで材料さえあればなんとかなるわけです。そして、布に関してはマジでどっさりあるから。
あーこれで少しはママの株も上がったかな?
なんて思っていたところへの、例のゴーカートの話ですから。やはりそこでは輝けない私。
と、多少しょんぼりしていたところ、再び輝けるチャンスが来たのです。
娘「あのね、お母さんにお願いあるんだけどぉ?」
余談ですが、なんか気付いたら娘も『お父さんお母さん』って呼び始めてました。お兄ちゃんの影響かしら。何となく娘はいつまでも『パパママ』で良かったんだけどなぁ。ていうかついついこっちの方が『パパママ』言っちゃうんだけど。
まぁ良いです。
とにかく娘からのお願いなのです。
何だ? また袋関係か?
そう思っておりますと、後ろ手に持っていたものを差し出してきました。
楽譜です。
娘「わたし、楽譜読めないんだよね」
宇部「知ってる。だからむしろ吹部入るって言ってびっくりしたもん」
娘「だからね? ドとかレとか書いてほしいの」
宇部「成る程任せろ」
意外かもしれませんが、実は宇部さんは(たしか)4才から(たぶん)16歳くらいまでピアノを習っていたのです。まぁ長く続けた割に腕の方はさっぱり(謙遜じゃなくてマジでさっぱり)なのですが、譜面くらいは読めます。なので、音楽の授業(ただし学科)は楽勝でしたし、吹奏楽部の時もそこで苦労したことはないのです。楽器自体はね、まぁ下ッ手くそでしたけど。ウケる。
というわけで、こんなのもうスラスラ読めるのです!
もうね、それはそれはスラスラと書いてやりましたとも!
見てる? 娘ちゃん! お母さん、こういうのは出来るの!
お裁縫とか、音楽関係なら任せて! あと……えっと……、あっ、お料理も一応はそれなりに出来るわよ! どう? ちょっと見直したでしょう!? さぁさぁさぁ!
ただ、運転は出来ねぇけどな。
もうこれがデカすぎるのよ。
なんかもう運転出来ないだけで大人失格くらいの気持ちでいるからね、私は。
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