第1908話 一応ライセンスはあるのよ?

 GW最終日です。

 祝日? 何それ、美味しいの? な私ですが、GW最終日はお休みだったのです。


 さて、そんな連休最終日、何する? って話になったわけです。こないだの全員お休みデーは遠出をしましたし、今回は近場でどうにかしたい。


 そこで、まぁまぁ近場にある高原に行くことにしました。そこには牧場があって、乗馬――というか引き馬(馬に乗った状態で引いてもらう)体験が出来たり(有料)、ジャージー牛乳のソフトクリームを食べられたりするのです。もう少し車を走らせると、アスレチックだったり、ゴーカート乗り場があったりする広場的なところもあります。


 というわけで、まずはお馬に乗りに行きました。Googleフォトさんの情報によりますと、どうやら5年前のこどもの日にも来ていたようで、その時には子ども達二人セットで乗っていたのですが、さすがにもう6年生と3年生です。四捨五入すればふたりとも約40キロあります。80キロなんてお馬さんに酷ですし、そもそも座るところも狭くて危険。


 なので、一人ずつパッカパッカと乗せてもらいました。


 その後はジャージーソフトです。

 牛乳でお腹がゴロゴロする旦那は、幼い頃、このジャージーソフトで一発退場をキメたらしいのですが、「ミニなら行ける気がする」という謎のジャッジで再トライ。いまのところお腹は無事です。そうか、ミニなら良いんか……?


 それで、お次はゴーカートです。その前に、百円で動くタイプの車にも乗りました。それを乗ったがために彼らの「この手の車に乗りたい欲」が高まったんでしょうね。一人乗りor二人乗りのゴーカートに視線を向け、興味深げな表情。


 そんなのもう乗せるっきゃねぇから。


 こちとら蛇を首に巻くイベントにもためらいなく¥1000出す親なのです。子どもがやりたいことは(危ないやつ以外)何でもやらせたいのです。


旦那「ゴーカート乗りたい人ー?」

息子&娘「「はーい」」


 困ったことになりました。

 

 いうても、乗りたがるのは息子だけかな? と思ったのです。娘はなんだかんだビビリですから、怖がって「やっぱ良い。見てる」ってなるかな? と思っていたのです。でもまぁ、やりたいならオッケー!


 で、何が困ったかって、じゃあ、誰が運転する? っていう。


 まぁ普通に考えたら大人は二人いるわけです。もちろんただのゴーカートですから、免許なんていりません。免許無しで乗れちゃうゴーカートです。そこへ、免許を持った大人が二人いるのです。


 そう、旦那と、私です。


 ですが、皆さんもある程度ご存知かもしれませんが、私は運転が出来ないのです。就職の際に免許が必要だということで取得したにもかかわらず、ものの数ヶ月で営業車(しかも新車)を廃車にした女です。それでもうハンドルを握るのが怖くなり、それからぱったり運転をやめてしまったのです。


 思えば私は幼い頃から『運転』に全く興味を示さない子でした。私が収まるのは後部座席 or 助手席と決まっているのです。座っていれば目的地に着くのが当たり前と思っているような人間で、ちなみに地図も読めません。ナビ能力も0です。


 ですがさすがにゴーカートくらいは!


 ぶっちゃけ、子どもの頃もゴーカートの運転すら拒否って来ましたが、もう大人だし! マリオカートは出来るし!


 が。


旦那「じゃ、俺と松清子で二手に分かれよう。お父さんと乗りたい人ー?」

息子&娘「「はいっ!」」

宇部「……(泣)」


 どちらも乗りたくないのです。

 そりゃそうです。


 何せこの子達は生まれてこの方、お母さんがゲームコーナーのマリオカート以外のハンドルを握ったところを見たことがないのです。正直私だって握った記憶なんざ朧気だよ。


 じゃんけんです。

 ここはいっそじゃんけんです。

 モチのロンで、負けた方がママです。


 数回のアイコの末、パパカーは息子となりました。


宇部「娘ちゃん、大丈夫。聞いて。お母さんね、免許持ってるから。しかも、ゴールドなの!(そりゃ運転してねぇしな)」

娘「ほんと!? ゴールド?」

宇部「そうだよ!(嘘は言ってねぇ)」


 で、いざ乗り場に行ってみたら、身長120cm以上なら運転OKとのことで、まぁまぁのちびっこも運転していました。


宇部「娘ちゃん、運転してみる? 息子君も」

息子&娘「「するー!」」


 するのです。

 ビビリの娘すら、運転したいのです。

 ゴーカートのハンドルすら正直怖いと思っている私とは大違いです。


 そうです。

 ぶっちゃけゴーカートのハンドルも握りたくないと思っているのです。私の運転嫌いは筋金入りです。でも子ども達のためなら、とほんの少し勇気を出していたところだったのです。


 結果として、娘ドライバーによるドライブで風を感じることになりました。ただ、ブレーキは大人の方に託されましたので、アクセルベタ踏みの娘が無事にカーブを曲がり切れるよう、要所要所でアシストしました。私にもそれくらいは出来ました!

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