第1907話 向こう五年分くらいの中二を浴びた

 ちょっとね、なんかもうタイトル通りなんですけど、向こう五年分くらいの『中二』を浴びたんですよ。


 何の話かって思うでしょ? これでわかったらもう宇部検定初段ですって。いや、案外すぐわかっちゃうかな? 一応バレないようにTwitterの方でも呟くの我慢してたんですけど。


 映画ね。

 映画を観たって話。

 だからまぁ、『ネタバレ絶対殺すマン』の方は今回はちょっとお休みしていただいて。ええ。お互いのためにもね。


 さて今回私が観たのは、


『黄龍の村』


 どうです?!

 なんかもう『村』ってついてるだけでちょっと期待出来る感じしません? いまほら、なんかよくわからないけど『因習村』っていうのが流行ってるんでしょう? 因習村ってそもそも何なのか知りませんけど。何? 漫画とか小説とかで流行った感じ? それとも単なるジャンルの話?! それって『八つ墓村』なんかも含まれるのかな?! 

 

 とにかくよくわかりませんが、今日はこの『黄龍の村』についてお話するためにやって来ました。皆さん、心の準備はOKですか? 一応ホラーなんでね。いや、これ本当にホラーなのかな。


 ストーリーとしてはこうです。


 なんかやたらとウェイウェイした大学生数人(8人くらいだったかな?)がレンタカーで旅行へ行くのですが、道中でタイヤがパンク。アーラララどうしましょう、と思っていたら、親切な村人(おっちゃん)がやって来て、「大変だね。ウチの村、寄ってく?」って。


 それでまぁ大層おもてなしをされるわけです。なんかめっちゃ美味い肉の鍋とか出してくれてね。で、あまりにも美味しいものだから「えーこれ、何の肉なんすか」って聞いたら、はぐらかされるのね。もうこの時点でこっちからしたら「あっ(察し」ですよ。


 で、大学生達も何となく「この村ヤバくね?」みたいな空気を感じ取るも、車がパンクしてるのでどうしようもなく。とりあえず一泊してその翌朝ですよ。朝食を食べていたら、いきなり1人刺されます。後ろから背中を思いっきり刺されます。何の脈絡もなく、いっきなりです。


 で、えっ? どういうこと?! 何いきなり?! とアワアワしてると、続々と村人が入って来て「君達は選ばれました」的展開。村の儀式に参加させられ、「いまから食肉にします」みたいなことになるわけです。で、ここから殺し合いのバトルロワイアルがレディゴー!


 銃を奪ったり、走って逃げたりと大学生達も頑張りますが所詮はただの学生。次々と村人の餌食です。


 が。

 

 4人助かるのです。

 なんか無事なのです。

 無事だけではなく、なんか。


 なんか強いのです!


 えっ、お前ら何?!


 そう思っておりますと、どうやら彼ら(男3人女1人)の中に身内をこの村で殺されている者がいるらしく。それで、復讐するために訓練を積んできた猛者達だったのです!


 エ――――――?!

 そういう展開?!


 そこからはやたらと銃の扱いに長けたリーダーっぽいヒョロ男、いかにも格闘技やってました的なムキムキ男×2。何らかの拳法使いみたいな動きをする女によって、村人が次々と殺されていきます。


 で。

 それでですよ。

 タイトルの『向こう五年分くらいの中二』なんですけど、私の中で『中二病』って、なんかもうとにかく「なんかすごいことをさらっとやる」みたいなのがあるんですね。汗とか涙とか努力とかじゃなくて「あれ? 俺またやっちゃいました?」的な感じというか。


 この4人の態度が終始それで。


「さ、殺りますか」

「こっち任せていい?」

「オッケ、楽勝」

「ハイ、とりあえず殺しときますね」


 わかります? この感じ。この感じですよ。

 もうね、私の中で『中二』メーターが振り切っちゃっててカンカン鳴ってましたから。


 そんで、まぁなんやかんやあってラスボスも倒して一件落着! ってなった後はですね、やっぱりほら、大学生ですから。人生で一番イキっててウェイウェイしてる時期ですから。そこへきて『中二病』もど真ん中ですから。


「じゃ、打ち上げ行きますかっ!」


 ですから。

 あくまでもこっちはそれくらいの余力を残しての勝利ですから、みたいな態度よ。もう痺れるって。痺れるほどの中二。年齢は大人なのに中二。ピーターパンか?


 で、画面にババーン! って表示される『劇終』の二文字ね。もう痺れるって。


 エンドロールでは、その打ち上げの様子が流れててね、なんかね、お前さっきまで銃ぶっ放したり、村人ボコボコにしたりしてたよな? よくそれで「ウェーイ」なんつって飯食えんな?! っていうね。「ま、俺らからしたらあんなの朝飯前ですけど?」みたいなね。もう痺れっぱなしですよ。


 だからまぁ、結局のところ、ホラーだとは思うんですけど、いかんせん中盤からのバトル展開が長くてですね。果たしてこれはホラーだったのかと。


 ただただ中二病をくすぐられる、痺れる映画でしたね。

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