第1904話 またも突然

 これまでのエッセイでも書いたような書いてないような話をしに来ました。


 いやー、1900話も書いてますと、最早『何を書いてて』『何を書いてない』のかがわからないんですよ。それに加えていまはTwitter(Xなんて呼ばねぇぞ俺は)の方でも突発的に呟いてるものですから、「あれ? この話はもう逆輸入(Twitter発のやつをエッセイに書くこと)したっけ?」みたいなことにもなってましてもう大変よ。


 いや、これから書くことは確実に『書いてないこと』なんですけど、似たようなエピを既に書いてたかどうだかが曖昧なのです。


 ほら、私たまに書くじゃないですか「このエッセイでも何度か書いてるんですけど」っていうフレーズ。アレを書いて良いかどうかっていう。


「えっ、そんなの初めて聞いたんですけど!?」


 みたいなことになったら申し訳ないなって。


 いやいやそこまで気にしなくていいからとっとと本題に入れや、って方もおられるかと思いますが、そう思った方はまだまだ宇部ッセイ初心者ですね。熟練の方はもうおわかりかと思います。


 そう、ここまでのはすべて字数稼ぎ。これが汚い大人のやり方なのです。


 さて、露骨に字数を稼いだところで本題です。


 まーた突然息子の歯が抜けたのです。

 たぶん書いてますよね? なんか突然抜けたみたいな話をどこかで。


 たったこれだけのことを話に来ました。さぁさぁ現在約500字です。これだけの話で見事あと1000字増やしてみせましょうぞ。やんややんや。


 昨日の触れ合いイベントの続きなんですけど、その日、屋台が出てたんですよ。屋台村、なんて感じで。全然『村』と呼べるような規模ではありませんでしたが。でもせっかくなので、ここでお昼も食べちゃおっか、って。そういうのも楽しいじゃないですか。


 それで、さんざん動物達と触れ合った後で、何とか席を確保し、いざ、お昼です。


 誰かが席を確保しておかないといけませんので、私はお留守番でした。子ども達だけでお留守番なんていけません。結構な時間待ちました。ポチポチとスマホをいじりつつ待っておりますと、まずは息子だけが戻ってきました。手に持っているのはお肉の串(焼き鳥とかじゃなくて、なんかすんごい立派な豚串みたいなやつ)とピザトーストです。あら、良いじゃない。


 それからしばらくして娘も来ました。

 娘はなんかアメリカンドッグ的なやつの中にやたら伸びるチーズが入ってるものを買ってもらったよう。名前はわかりません。なんかどこかで見たことがあります。ただ名前はわかりません。この時点でたぶんマジで30分くらい待ってましたから、予定では旦那が戻ってきた後で私が自分の分を買いに行くことになってたんですけど、そうなると全員が食べ終わるまでに確実に1時間はかかる。そう思ったので、まだ並んでる旦那のところに小走りで行き、


「もう何でも良いから私の分もお願いします!」


 と伝えてマッハで席に戻ったわけなんですが、そこでふと気づいたんですよね。


 息子、ずーっと肉の串を食べてる。


 あの、わかります? 焼き鳥屋さんとかの豚串のサイズじゃないんですよ。肉一つ一つがステーキとまではもちろんいかないものの、それなりに厚さのあるやつで、BBQか? ってくらいの長さの串に刺さっているわけです。


 そのお肉が、たぶんちょっと大きすぎて、且つ、硬かったのでしょう。嚙み切れずに一口で頬張ったは良いものの、さすがにすぐに飲み込める大きさではありません。噛んで噛んで噛んで噛んで、ひたすらに噛んで、ごっくん。です。


 大人ならものの数分で食べ終えるであろうその串を彼はマジで30分くらいかけて食べているのです。


 いや、顎疲れない?!

 大人の顎じゃないよ!? 君はまだ子どもだよ?!


 もうね、ずーっと噛んでるんですよ。よく言うじゃないですか、ご飯は30回くらい噛んでから飲め、って。聞いたことないです? 私はあるんですけど。いや、30回も噛んだら口の中でおかゆになるよ! って思ったもんですけど、マジで30回くらい噛んでる! ていうか、あの子のお口だとマジで30回くらい噛まないと(何なら30回以上噛まないと)飲み込めないのです。


 ガムじゃねぇんだから!


 結局、旦那が戻ってからもずーっと肉を噛んでて。

 一本食べるのにどれくらいの時間がかかったのかわかりませんが、とにかくずーっとひたすら肉を噛んでて、満腹中枢が刺激されちゃったんでしょうね、ピザトーストなんて一口二口しか食べられなくて。


 で、さすがに可哀想すぎるので、かき氷買ったり園内をぐるっと回る電車に乗ったりしてですよ。


 そんでその翌朝、


息子「お母さん! 僕また歯が抜けたよ!」


 って。

 

 そりゃあ昨日あれだけ噛めばな!


 っていうね。

 それだけの話でアーラ不思議、1900字越え!


 良いですか、これがエッセイ職人の力です。パワー!

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