第1887話 帰って来た

 さて、本日もネタ不足でヒイヒイ言っております、私です。


 こういう時はもう子ども達に助けてもらうっきゃねぇから。子どもと動物は数字が取れるって古来より言われてきたやつだから。


 息子の担任のH先生がですね、三月で異動になったんですよ。アララ淋しいわね、あと一年だったのに、なんて思っておりましたら、入れ替わりでやってきたのが、三年生の時までお世話になってたK先生!


 覚えてる方がどれだけおられるかわかりませんが、ことあるごとに息子のことを可愛いと言ってくれ、評価ポイントの中にしれーっと『可愛さ』を織り交ぜてきた、あのK先生です。まさか小学校のラスト一年をK先生と過ごせるなんて!


 H先生もいい先生だったのですが、息子もK先生にかなり懐いており、嬉しかったとのこと。我々も大好きです、K先生。


 そんなK先生と先日、個人面談があったのでした。


K先生「戻ってまいりました! また息子君の担任が出来て嬉しいです!」

宇部「こちらこそです! もう! もうほんとあの、あれ、その、ありがとうございます!(語彙の消失」


 そんな挨拶を終え、さて、面談開始です。

 まずはこの空白の期間を埋めるべく、(もちろんH先生からの引継ぎはあるけど)何か変化したことはありますか? という話に。


 この数年で息子に大きな変化があったことといえば、まず一つは、読書量が増えたこと。H先生の話では、年間百冊くらい読んでいるそうです。とはいえ、同じ本を何度も借りて読んでいるようなので、実際に読んだ本はそこまで多くはないと思いますが、それでも、毎日何かしらの本を読んでいるとのことです。私が毎回驚くのは、『物語』を読んでいること。

 息子は昔から本を読む子ではあったんですけど、あくまでも絵の資料として読んでいるというか眺めている節があり、本のタイトルを模写したり、怪人図鑑の怪人を模写したりといった感じだったので、文章を読むのではなく、絵を見ている感じだったのです。

 

 それがここ数年はかいけつゾロリなど、ストーリーのある話をよく読むようになったのです。それにしてはさっぱり語彙が増えねぇなとも思うのですが、まぁ、いまはインプットしてるだけの時期かもしれんしね。


 するとやはりK先生の中でも『本を絵の資料として見ている』印象があったらしく、驚いておりました。ですよね。参観日で学校に行く度、本を見ながら絵を描いてる姿をよく見てきましたから。


 それからもう一つ。ゲームです。


 これは私も毎回驚くのですが、息子、案外ゲームがうまいのです(あくまでも私の主観です)。リズム天国などのリズムゲームに始まり、定番のマリオ、ロックマン、そして現在は魂斗羅コントラにもハマり次々とクリアしております。正直なところ、息子は私に似ているので、もっとどんくさいと思っていたのです。ええ、そうです。私はこの手のゲームがすんごい下手。辛うじてマリオは出来ます。逆に言うとまともに出来るのはマリオかかまいたちの夜くらいなものです。


 なのに、息子はあれで案外うまいのです。一瞬の判断が出来る男。マジかよ。それと、どうやらRPGも出来るようです。これもびっくり。村人の話とかから次にどこに行くかとか、君、そういうのわかるのね?! 


 まぁいつまでも赤ちゃんではないのでね? それくらいのことは出来るだろっていうか、自分だってその頃にはドラクエとかやってたんですけど、いや、息子はね、ちょっと年齢よりも幼いものだから。


 って話をするとK先生もやはり驚きで。息子君、ゲームとかするんですね! って。ですよね。あの頃はとにかくお絵描きと折り紙でしたもんね。アナログっ子でしたもんね。


 それで。


宇部「で、ゲームしてる時にですね、妹が割り込んできたりするわけですよ。『にいに、わたし、テレビ見たい。○○(番組名)見せて』って言われると、どんなに良いところでも『いいよ』って明け渡しちゃうんですよ」


 まぁ、宇部家のほほえましい(?)日常の一コマとして話したらですね。


K先生「お母さん! それ! 学校でもそうです!」

宇部「えっ?」

K先生「息子君、クラスで何かもめごとっていうか、何か決めるのに討論みたいになると、自分の意見をぐっと我慢して全部譲っちゃうんです」

宇部「学校でも!?」

 

 学校でも『優しいお兄ちゃん』キャラのままのようで。家と学校のギャップがないタイプ! 


 K先生は「お母さんも同じように考えていたなんて!」となんかやけに感動しており、「学校ではもっと息子君の意見を引き出せるように声掛けしていきますね!」と力強いお言葉。息子も決して意見0というわけではなく、一人のところを狙ってインタビューするとにこにこしながら答えるらしく。


K先生「その時の息子君の顔が! また! 可愛くて!」


 K先生、相変わらず息子への『可愛い』が止まらない。わかります、親もね、可愛くてたまらないです。娘とはまた違う可愛さなのよ。

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