第1882話 まさか娘もやるとは

 ウチの小学校、3年生から部活に入れるんですよ。全国的にそうなのかな? 地元は4年生だった記憶があるんですけど、まぁ良いです。


 強制のじゃなく、希望者のみ入るやつで、息子はというと、まーったく興味がないそうなので入ってないのですが、好奇心旺盛な娘ちゃんはかねてから「わたし、3年生になったら吹奏楽に入りたい!」とはしゃいでおりました。


 娘よ。

 ママもね、吹奏楽部入ってたんだよ。中学の頃だけど。


 やりたいのなら、良いでしょう。

 良いぞ、吹奏楽は。

 楽しいぞ、音楽は。


 というわけで、体験入部です。

 一週間くらいは楽器選び期間とのこと。わかるわかる。そうだよね。好きな楽器を選んでねとか言って、男子は必ずチューバに回されてたっけな。懐かしい。


 さて、音楽に関してですけど、私は一応ピアノを習っていたため、吹部入部時点で楽譜も読めたのですが、娘は習ってないので読めません。音楽の授業で習ってるのかな。正直、音楽の授業は昔から、実技以外は楽勝だったので覚えてないのです。実技も楽器のは楽勝でした。鍵盤ハーモニカ、リコーダー、いずれも楽勝でした。ただ、中学のアルトリコーダーは駄目です。指が届かないのです。ドチクショウ。


 それでですよ。

 やはり気になるのは、娘が何の楽器を選ぶか。

 私は最初、クラリネットがやりたかったのですが、指が届かずに断念したという過去があり、先輩方も指が届かない新入部員なんて初めてだったのでしょう、「大丈夫、慣れてないから、指が開いてないだけだよ」と、私の指を引っ張ったりしてくれたものの、それでも無理。


 いや、先輩よ。私はね、自慢じゃないですけど、その時点で既にピアノ歴8年くらいだったんです。そういう『指を開く』みたいなのはもう何年も前に通過してるのです。


 というわけで、クラリネットは断念。

 なんとなくそれがショックで、他の木管楽器なら届いたかもしれないのにすべてを諦め、金管楽器(トロンボーン)になったという経緯があります。ちなみに、後にフルートは届くことがわかり、音を出すことも出来るようになりました。


 さて、娘は――!?


娘「ママ! わたし今日、クラリネット吹いてきたの! わたし、クラリネットが第一志望!」


 !?


 届くの!?

 えっ!?

 さすがにまだ私よりも手が小さいのに!?

 もしかして小学生のクラリネットって小さかったりする? それとも娘が言ってるクラリネットってクラリネットじゃない!?


 よくわかりませんが、とにかく娘はクラリネット志望のよう。良いよ良いよ好きなのやりなさい。ただ、競争率が高いみたいで、希望通りにクラリネットがやれるかはわからないみたいですけど。

 

 それからというもの、娘の話題は毎日のように吹奏楽です。

 今日はどの楽器を触らせてもらっただの、何の音が出ただの、とても楽しそう。


 ただ娘よ。


「パパ、吹奏楽で主役の楽器ってなんだと思う?」


 この質問はいただけません。

 しかもパパは吹奏楽未経験なんだぞ。


 だから即座に言ってやりましたよね。


「バッキャロウ、吹奏楽はな、全員が主役なんだよ」


 ってね。


 ただまぁ、どうやらその曲でメインを張ってる楽器は何か、みたいな話だったようで、娘の答えはトランペットだったらしいんですけど。成る程、そういう話ね? 確かに主旋律担当の楽器はあるよね。そうは言っても最初から最後まで一つの楽器がメインってわけじゃないんだよ。別の楽器だってメインやることもあるしね? その一瞬の主旋律を大事にしてたりするからね?!


 これは完全に偏見なんですけど、吹奏楽部経験者はこの手の話で熱くなりやすいのです。算数なら50-1は49ですけど、吹奏楽の場合は50-1は0(部員的な話)だぞ、とか、全員が主役とか、そういう話が大好きなのです。休み時間になると楽譜を持ち寄って輪になって自分のパートを歌ったりするのです。私もやりましたとも。


 いまとなってはまぁ良い思い出というか、ちょっと思い出すと恥ずかしいやつですね。当時は楽しかったんですけどね。娘もそうなるのかしら。


 いずれにしても音楽は楽しいのでね。娘にもこの楽しさをわかってもらいたいですね。

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