第1877話 そら感染るわな

 この『感染うつる』っていうのはもちろん当て字なんですけどね。病気が『うつる』は平仮名で書くのが正しい、みたいな記事をみました。雰囲気的には『感染うつる』とか『伝染うつる』の方がなんか伝わってきますよね。まぁどうでも良いんですけど。


 それで、そう。

 旦那にもうつりましたよ、っていう話で。


 そりゃあね、うつらないわけがないのです。何せ一つのベッドでぴったり密着して寝てるのです。宇部夫妻のベッドはセミダブルサイズでですね、まぁよくよく考えたらそこそこ狭いわけです。仰向けに寝ると、肩が密着します。


 が、もうこれに慣れてしまっているので、むしろ隣がスカスカだと寝られない。旦那がうっかり居間で寝落ちしていたりしようものなら、夜中に目が覚めてしまうのです。いねぇ、隣が! っていう違和感で。そんで、下まで行って起こしに行って、一緒に寝るのです。夏の暑い日でもこれです。ちなみに同棲していた頃はシングルベッドで夢とお前を抱いていました。案外大人二人でもどうにかなるものです。それに比べたらセミダブルなんて広いもんですわ。


 とまぁそんな感じなので、500%うつってるだろうとは思ってたんですけど、インフルってもっと電光石火で感染するイメージだったんですよね。私が発症したのが水曜だったんですけど、既に日曜になっててですね。えっ、これワンチャンうつってない可能性ある? みたいな話をしてて。


 そしたら日曜の午後に発熱ね。

 いきなり39℃と来たもんだ。ヒューッ! 最初っからクライマックスだぜ! こんなに時間差あるものなのか。


 それで何が心配って。


旦那「俺、夕飯いらない」


 宇部家に激震が走りましたよね。


 えっ!? 

 どんな時でも食欲だけは落ちなかった旦那が!?

 この度のインフル、むしろ私の食欲は落ちなかったのに?!


 これには子ども達も妙にそわそわです。


 あのパパが? どんな時でもご飯を食べてたパパが? と。

 まだ付き合いの浅い子ども達ですらそう思うのですから、彼ともうかれこれ17年くらい一緒にいる私はもう不安で不安で仕方がありません。


 えっ?

 食べない?

 ほんとに?

 リアリー?


 いてもたってもいられず、子ども達の風呂とご飯が終わった後、ちょこちょこと寝室へと向かっては「熱大丈夫?」「何か食べれそう?」「もっかい熱測ろう?」と声をかけまくってました。寝かせてやれや。


 まぁ、翌朝はしっかり食べてましたけど。


 そんでまぁ翌日の月曜に病院に行きまして、それでまぁ無事「インフルエンザB型」の診断を受けて来たわけですね。


旦那「ただいま~」

宇部「お帰り。やっぱりインフルでしたな」

旦那「やっぱりうつってたわ」

宇部「そらそうよね」

旦那「というわけでこれ、もらって来た」


 じゃじゃーん、と取り出したのは『ゾフルーザ』。インフルのお薬です。


旦那「4!」

宇部「4! てことは……!」


 このやり取り、そして、この意味深な傍点でピンと来た方。さては最近インフルに罹ったか、あるいは『ゾフルーザ』にお詳しい方ですね?


 というのも、この『ゾフルーザ』、年齢や体重によって用量が異なるのですが(何でもそうだろ)、成人の場合は、80㎏未満が2錠、80㎏以上が4錠なのです。


 つまり、何錠飲むのかを分けるのが、


『80㎏』


 なのです。


宇部「良夫さん、一体いつの間に80超えたの?!」

旦那「いやー、いつの間にか超えてた」

宇部「そういうのってやっぱり自己申告? それともお医者さんパッと見て『あー、あなた80あるね?』みたいな感じ?」

旦那「いや、むしろ『80ないよね?』って言われたんだけど、『いや、あります!』って答えた」

宇部「正直! 大事なことだよね!」


 旦那の体重は年間でかなり上下します。

 夏場は78㎏くらいまで落ちるかな? 76くらいまで落ちるんだったかな? でも冬場は下手したら80行くのです。最近はちょっとずつ仕事が始まって来ていたんですけど、ギリギリ超えていた模様。


 とりあえず、インフルではありましたが、食欲も戻ったので、一安心です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る