第1858話 異ファンへの憧れ
最近、異ファン(異世界ファンタジー)はすごいぞ、と思う出来事があったのです。
美味しいな、異世界。
私なんかは大層浅はかな人間ですから、そう思ったんですね。異世界のあんなザマァやこんな悪役令嬢を書けたなら、きっとPVもどえらいことになって、リワードでウハウハ生活が出来るはずなのです(無理)。
よっしゃ、書いたるぜ、異世界。
毎年、そう思う瞬間は何度かあるのです。実際、設定が浮かんだりもするのです。するのですが、どうにも膨らまない。短編がギリ。
で、うだうだしているうちに同じファンタジー枠でも舞台が現代日本になったりして『現ファン』になる、っていう。
いま開催中のメンズバディのやつも、あれ結局異世界じゃないですか。一応ね、頑張って書いてはみたんです。異世界を舞台にしたBのLを。
ですが、あっという間に詰まりました。
設定としてはこうです。
もうどうあがいても無理そうだからここで晒しちゃうぜ。
なんやかんやで異世界転移した主人公(もちろん♂。年齢は二十歳くらい)は、役所的なところで、異世界生活に馴染むためのバディをあてがわれます。
その世界では、もうしょっちゅう異世界人(異世界の人からすればこっちの人が異世界人)が来てて、まぁ、しょっちゅうって言っても、年間十人くらいでしょうか。まぁレアではあるけどね、っていう。
で、異世界人はすごいスキルを持ってたりするんですけど、来て早々に能力が開花して無双出来るのは一部のすごい人だけなので、それ以外の異世界人は、そのスキルを使いこなして独り立ち出来るようになるまで、そこの世界の人間とバディを組んで行動する、という『バディ制度』があります。安心安全の異世界です。
というわけで主人公はそこに登録されている自称エリート精霊召喚士とバディを組むことになるのです。
自称とはいうものの、家柄はガチで申し分なく、もちろん能力もあるのですが、それ故に甘やかされて育っているために自活スキルは0。ポンコツエリートです。エリートポンコツかな? もちろん男です。何せBLの世界なのでね。
とまぁ、それで、異世界人の彼のスキルを『折り紙』にしたまでは良かったのですが、さてここからどうBLになる? と。悩むのそこかよ! と思われたかもなんですが、何せメンズのバディがどうこうというコンテストですから、BLにしないといけませんし、私だってそろそろBL書きてぇよ! そんな熱いファイトはモリモリだったのですが、思えば序盤からかなり苦戦を強いられていました。
まずは名前です。
私は異世界のそれっぽい名前をつけるのがえらい苦手なのです。だってさ、トムとかじゃないじゃん。トムとかボブとかジョンじゃないじゃん。なんか、完全に偏見ですけど、異世界ってアメリカじゃないじゃん。ヨーロッパじゃん。ヨーロッパみのある名前じゃん。
これまでそれっぽい名前は全て『北欧 男性 名前』でどうにかしてきた私ですが、私の最新の異ファンの魔道士様、『トーマス』だからね。いや、トーマスが悪いわけではないんですけど、ほんとはもっとなんか素敵な異世界感のある名前にしようと思ってはいたんです。いたんですけど、もう疲れちゃって。疲れが出たんですよ。その結果の『トーマス様』でしたから。結果的にこれはこれで良かったと思ってます。
だからもう、名前の時点で嫌な予感はしていたのです。全然浮かばねぇぞと。ましてやBLです。カップリング表記なんかも考えると、それ込みで収まりのいい感じにしたいとか、そんな欲まで出ちゃった結果、それだけでかなり疲れちゃって。ビビビと来ない。私のパッションに着火しないのです。
なんかもういいや、みたいな気持ちになって、異世界転移した日本人を『タイガ』、異世界のポンコツエリートを『スロウ』という名前にしました。バチクソイケメンなのに鈍臭いので『スロウ』です。とんでもねぇ名付け。『タイガ』は、後に攻めにする予定だったので、まぁ肉食っぽいので良いや、っていう。やはりとんでもねぇ名付けです。
やっと名前が決まったものの、すでに息も絶え絶えです。こんなフルマラソン完走後みたいな状態で書けるわけがないのです。それでもコンテストに出したい一心で頑張りました。どうにか捻り出しました。
ですが、まだ異世界は私に牙を剥いてきたのです。
私は片想い、あるいは両片想いスタートじゃないとBLを書けない!
異世界関係ねぇ!
いや、関係なくはないのです。
だって異世界転移なんだもん! それで既に気持ちがあったらおかしいでしょ! 私はある程度の地盤がないと無理なんだよ! ポッと出の異世界野郎に即落ち2コマみたいなの無理なんだよ! まだBLはペーペーなんだよ!
という理由でメンズバディ(異ファンBL)は諦めました。
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