第1857話 えっ?
今回は爽やかな話をするとか言ったな。あれは嘘だ。今回もちっとも爽やかじゃない宇部夫妻のお話をさせていただこう。
あっという間に3月も半ばです。
この時期になると我が家に届くものがあります。
ふるさと納税の何かとかじゃないです。この時期に来るのかもわからんし。
ドックの通知です。
無事に予約されましたよ、あなたは◯月◯日に予約しましたよ。日時の変更は受け付けてません、何があっても都合をつけて来いよ、雨が降っても槍が降っても来いよ、というはがきが来るのです。
で、同時に申し込んではいるんですけど、どういうわけだか、夫婦同日とはなりません。たまにご夫婦で受診してる方々を見かけるんですけど、なぜ我々はアカンのか。
まぁ良いです。
とにかく、旦那は6月、そして私は10月というのが毎年の流れ。ですが今年は旦那がまさかの7月。別にそこまで驚くやつではありませんが。ペースを乱してきたな、と。
で、ある夜のこと。
いつものように私を寝かしつけている旦那がぽつりと言うのです。
旦那「そろそろドックに向けて痩せないとな」
意識が高い。
7月のドックに向けて、彼はもうやる気を見せているのです。
毎年1〜3月中旬くらいまで、その年の積雪などにもよりますが、旦那はお仕事がお休みになります。ちょいちょい現場の下見や、取引先との何らかの打ち合わせ、あとそれから、個人的に依頼される除雪作業などなどありますが、基本的にはお休みです。
肥える。
肥えるのです。
もこもこの部屋着を着ていると、まさに大きなぬいぐるみのようです。まんまるのお腹も最高にキュート。
ですが、仕事が始まればまたちょっとずつ痩せていきます。それだけ過酷なお仕事なのです。何せ肉体労働であるからして。そんな感じで、たぶん年間で3~5kgくらい増えたり減ったりしています。ものすごく太ることもないけど、ものすごく痩せることもない。最終的には±0になってるんじゃなかろうか。
それでですよ。
いまから身体を作ろうかなと、彼はそう言っているのです。
偉すぎでしょ。
志がもう立派過ぎるでしょ。
この気持ちが大事でしょ。
宇部さんは基本的に家族に激甘です。
宇部「じゃあ私も料理頑張るよ。ていうかまぁ、普段からそんな高カロリー食ばっかり作ってるわけじゃないんだけどなぁ。おかずの量も特別多いわけじゃないと思うし」
旦那「大丈夫だよ。松清子のご飯は大丈夫だよ。量もちょうど良いよ」
大丈夫なようです。
旦那「むしろ、お米がさ」
宇部「お米? お米を減らす?」
旦那「実は前々から思ってたんだけど、ウチの茶碗って大きくない?」
宇部「えっ?! むしろ小さくない?!」
旦那「えっ?!」
宇部「えっ?!」
えっ?!
二人の『えっ?!』が重なりました。
旦那「いや、ウチの実家の茶碗がこれくらい(手で茶碗の形を作る)じゃん」
宇部「そう! 私ずっと『めっちゃ小さいな?!』って思ってた! これ、夫婦茶碗の妻側の大きさだよな? って」
旦那「えっ!?」
宇部「ウチ(松清家)の男の人――って、まぁ父さんなんだけど、その夫婦茶碗の夫の方の大きさのやつなのよ。でもほら、ウチの茶碗って、どっちも同じ大きさじゃん? なんて言うか、夫婦茶碗の中間サイズっていうか」
旦那「あー、ハイハイ」
宇部「だから、いっつも『ウチの茶碗小さいから、旦那は足りないのでは』って思ってたよ」
旦那「小さくはないよ?! ウチの実家のやつよりも大きいし」
宇部「どうやらそのようだね」
何せおにぎりの基本サイズがコンビニおにぎり(約110g)の二個分の家で育った私です。その二個分のおにぎり二つとおかずというのが遠足お弁当の定番でした。あれ? そう考えると、私めちゃくちゃ食べる子だったのかな?
とりあえず、お茶碗を小さくすることでご飯の量を減らすことから始めたいとのことでしたので、これを機に私も白飯の量を少なめにしてみようかと思う所存です。
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