第1853話 イチャイチャが足りないよね
数日前、いや、数週間前かな? ちょっと覚えてないんですけど、旦那とね、「ちょっとイチャイチャが足りてないんじゃないか」って話になったんですよ。
お前ら何言ってんだ、いい加減にしろ。
そう思われた方もいるでしょう。まぁ聞いて下さい。
イチャイチャはしてます。してるんじゃねぇか。年がら年中イチャイチャしてはいるのです。子ども達が目の前にいようがいまいが突然チークダンスしたり、背中に貼り付いて匂いを嗅いだりしています。挨拶代わりに「好き」「大好き」と声を掛け合ってもいます。
ですが、ちょっと『企画』が足りないよね、と。企画とか言うとなんかいかがわしい感じに聞こえるかもですけど、そういう『企画モノのAV』とかそういうことじゃなくて。『お楽しみ会』的なイベントの方です。違います。「ゆうべはお楽しみでしたね」の方ではないです。
なんか楽しいことしたいよね、って話になったのです。それを「イチャイチャが足りないよね」と表しているのです、この馬鹿夫婦は。
それで、『お互いのお勧めの映画を観る会』というのはどうだろうか、と旦那が提案してきたのです。
私に映画の話を振ったな?
正直なところ、そう思いました。この私に。映画だと? と。
後悔するなよ? いや、後悔させてやろうかな?
なんかもうとにかく『後悔』の文字が浮かんだのです。後悔させたくない気持ちやら、いっそさせたい気持ちやら。
旦那は知っているのです、私が映画をよく観ていることを。そしてその映画の大半がホラーであり、しかも血がドバドバ出る系であり、B級であることを。アルマゲドンとかタイタニックではないことを知っているのです。
宇部「良いの? 私のお勧めなんて、十中八九ホラーだよ? しかもB級のやつだよ?」
一応言いました。
その言葉に恐れをなして逃げるもよし、「ばっちこい」と向かってくるもよし。
旦那「大丈夫だよ」
大丈夫なのだそうです。
旦那「それにさ、俺はこれを機に松清子に、名作映画を観せたい気持ちもあるんだよね。ほら、『インディ・ジョーンズ』とか、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とか」
宇部「成る程」
やはり彼の中でもあったのでしょう、「こいつ、映画が好きとか言う割には名作を一つも観てねぇな」、みたいなのが。
いや、私もね? 別にそういうポリシーがあるわけではないんですよ。何が何でも有名なやつは観ないぜ! みたいな。たぶん観たら面白いんだろうし。でもなんか、どうせ観るなら「クソっ、まーたこんなので時間を無駄にした!」みたいな映画を観たい。そしてここでグチグチと文句を書きたいのです。
とにもかくにもそんな話になったのです。
ですがやはり何かと予定があったりもして都合がつけられず。が、先日、やっとその時間を作ることが出来たわけです。
決行しよう。
いまがその時。
そう勇んで飛び込んだTSUTAYAです。
さすがに平日の夜に映画二本はキツイので、まずは旦那プレゼンツの映画を観ることにしました。それでも一応、「私が勧めるやつってこんなのだよ?」とこれまでアマプラで観たような映画をいくつか教えましたが、全然大丈夫との頼もしい返答。この人と結婚して良かった。
さて、旦那プレゼンツの映画ですけども、悩みに悩みました。真っ先に目についた『ダイ・ハード』を勧められたりもしました。
いよいよ私は『ダイ・ハード』を観てしまうのか!?
などと考えてハラハラしておりますと(ハラハラする必要はないけど)。
『ベスト・キッド』です。あったのです、『ベスト・キッド』が。
ご存知の方も、また、タイトルくらいしか知らないという方も、そしてもちろん知らない方もいるでしょう。当たり前か。
実はこの『ベスト・キッド』、私もまぁ名前くらいしか知らないというか、一部のシーンだけは知ってるというか、まぁぶっちゃけていうと、その昔、ウッチャンナンチャンのコント番組でこれのパロディ的なやつを見たことがあるだけです。
なんかとにかく、ワックスをかけてて。てっきり劇中の何かのシーンがワックスがけに似てるとか、もしくは『◯ックス』みたいな技があって、それをパロディで『ワックス』って言ってるのかな? みたいに思っていたのです。
が、ガチで『ワックス』で。ガチでワックスかけてるらしいってことを旦那から聞いてて。
で、私はしょっちゅう旦那の背中に貼り付いて匂いを嗅いだり撫で擦ったりしてるんですけども、その撫で擦る時に「ワックスかける! ワックス拭き取る!」ってやってたんですね。映画の内容もよく知らんくせに。
という背景があったものですから、「じゃあいい機会だし、実際に観てみよう」という話になったわけです。
……と、長い長い前振りで、明日はその『ベスト・キッド』の話をします。ネタバレ厳禁の方は明後日お会いしましょう!
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