第1839話 またお前かよ!

 CMソングってやけに耳に残りません?

 普通にね、あの、なんていうの? タイアップでしたっけ? アイドルとかバンドとかのね、CM起用曲もそうなんですけど、それよりかはそのCM独自の曲のやつ。


 とか何とか言いつつ、パッと浮かんだのは『トントントントン、ヒノノニトン(日野の2t)』なんですけど。これってCMソングか?


 娘が、そういうCMソングをよく歌うんですよ。ウチの娘、ディーバなんでね。大きくなると人前で歌うのって恥ずかしくなったりするじゃないですか。でも彼女はまだまだ大丈夫のようで、小2のいまでもガンガン熱唱してくれます。


 が、その曲。


 メンズクリニックのやつで。

 口ずさみやすいメロディーなのは間違いないんですけどね。だけど、娘よ、それ外では歌うなよ。頼むから。


 そんな感じの話を旦那としてたんですけど、そこから、ローカルCMの話になって。


 というわけでここからは北海道と秋田のローカルCMの話になります。そんなの全然知らねぇよ、って方が大半かとは思いますが、耐えてください。

 

宇部「私はさ、やっぱり北海道のCMだとさ、『山親爺(北海道のお菓子メーカー『千秋庵』の洋風煎餅)』が印象的かな。出て来た出て来た山親爺♪ って」

旦那「聞いたことないな。北海道のやつといえば、クマ牧場のやつだな」

宇部「『の・ぼ・り・べ・つ! といえばっ、ク・マ・ぼ・く・じょう! クマボクジョウ!』のやつだよね」

旦那「そうそう」

宇部「でもさ、私(昭和生まれ)的にはこのクマ牧場は二期なんだよね。一期はさ、まぁ特に『歌』って感じではないんだけど、ブランコに乗ったクマが『あっそぼぉ~よぉ~、あっそぼぉ~よぉ~』って感じなのよ」

旦那「そうなんだね」


 なんて話をしていたら、旦那がですね、負けじと秋田のローカルCM集みたいなのを探したわけですね。YouTubeで。それを一緒に見てですよ。あっ。これは知ってる、とかキャッキャしてたら、なんかすんごいレトロなアニメーションが流れて来て。ほんと、昭和何年? ってレベルの、紙芝居みたいなタッチのアニメーション(調べたら1984年とかでした)。


 パリに旅行に行ったおじさんが、何かが足りないっていうわけです。肩にカメラ下げてね、きれいな写真とか撮ってるんですけど、なんだかもの足りない、って。次はロンドンに行ってね。そこでも素敵な写真を撮るんですけど、なぜか寂しいって。ワイキキのビーチに行っても何かがない、と。


 すると旦那が動画を止めて聞くわけですね。


旦那「これ、何のCMだと思う?」


 って。


 いろんなところを旅行して回って写真撮りまくってるから、カメラ屋さんとかそういうのかな? って思ったんですよ。それか旅行会社。でも足りないとかネガティブなこと言ってるし、旅行会社ではないか。そう考えるとカメラ屋さんも違うのかな?


 そしたら――、


『忘れられない味、吾作ラーメン』


 って。

 

 まさかのラーメン屋のCMで。

 秋田県にあるラーメンチェーンなんですよね。吾作ラーメン。ウチの近く(そこまで近くもないけど)にもある。


 思わず叫んだよね。


宇部「吾作ラーメンじゃねぇか!」

旦那「そう、吾作ラーメンなんだよね」


 なんてツッコミを入れて、またいろんなCMを見て。そしたら今度は竿灯まつりの映像が流れたんですよ。ご存知です? 竿灯まつり。有名なんですよ。たくさんの提灯が付いた長い竿を片手で持ったり、額や肩、腰に乗せてバランスをとるやつですね。何度か見に行きました。圧巻ですよ、あれはマジで。


 そんな竿灯の映像で。


 時を超え、受け継がれていく祭りがある、なんてナレーションが流れてね。


 で、一旦止めて、旦那がまた聞いてくるわけですよ。


旦那「これ何のCMだと思う?」


 って。

 いやもうこれ、今度こそ旅行会社のCMでしょ。竿灯出てるしさ。旅行会社のCMでこういう東北の祭りを回れるパックツアーの紹介とか? なんて話をしていたわけです。でも、受け継がれる祭りがあるとか言ってるし、もしかして、竿灯まつりそのもののCMの可能性も?


 なんて思っていたら――、


『いつもと変わらぬ味がある』


 つって、ラーメンの画が!


宇部「吾作ラーメンじゃねぇか!」


 まーたお前かよ!

 またお前なのかよ吾作ラーメン!

 ごめんな、まだ二回くらいしか行ったことなくてさ!


 その後も色んなCMを見ましたし、面白いのもたくさんあったんですけど、吾作ラーメンが一番でしたね。私の中では。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る