第1829話 もしかして伏線だった?

 前話で、岡田のJ(あるいはj)からメールが来た、って話を書いたじゃないですか。それを書くにあたってですね、一生懸命スマホのEメールをコピっては貼り、コピっては貼り、ってしてたんですよ。そんでそのついでに、「本当に面白なりすましメールってこれ以外に来てなかったんだっけ? もしかしたら見落としてるだけで何か来てたかも」って、ほぼほぼ放置している受信ボックスを覗いてみたんですよ。


 そしたら、ちょっと気になるのがあって。

 差出人は『J岡田J』みたいに名前が出るタイプのやつじゃなくて、もう純粋にメアドが出るだけのやつ。微妙にスペルをいじってはいるものの、strawberry~みたいなアドレスだったので、ここではイチゴちゃんと呼ぶことにします。


 まず、だーっと何通か載せます。

 タイトルと本文はこっちで勝手に補足したやつです。


01/30 16:52

タイトル:アドレスが変わりました

本文:暖かくなったら是非一緒に出掛けましょう。以前にお会いした以来ですがお変わりありませんか?


01/31 10:31

タイトル:メール届いてますか?

本文:アドレスを変更した旨、伝わってるといいのですが、心配してます。こちらからのメールは確認出来てましたか?


01/31 19:42

タイトル:もう1度送ります!

本文:アドレスを変更したので改めて登録をお願いします。

それと他にもお伝えしたいことがあるので、折り返しお待ちしてますね。


02/01 07:31

タイトル:ひょっとして...

本文:送信先が間違ってましたか?何度かアドレスを変えたとお知らせしてますが、お返事がないので心配してました。


02/02 14:01

タイトル:必ず教えてください!

本文:アドレスを変更しました。まだ折り返しがないので宛先を間違ってないか心配でした。

今日中に合ってるか間違ってるのか、お返事をお願いします。



 まず一旦ここで休憩を挟みます。

 どうでしょう、まぁまぁよくある感じの迷惑メールじゃないです? この程度の迷惑メールならスルーして当たり前。私だって当然のようにスルーでした。例の『Jの者』からのメールが来ていなかったら、こうして日の目を見ることなんてなかったはずです。


 が、ここへ来て風向きが変わります。2/2のメールからちょうど24時間が経過した2/3の14:01、それは送られて来たのです。


02/03 14:01

タイトル:岡田さんの件、聞いてますか?

本文:容態が良くないようで長くは持たないかもしれない…と聞きました。その件も含め、至急お伝えしたいことがあるのでお返事お願いします。


 お気づきになられましたか。

 燦然と輝く『岡田』の文字に!

 えっ?! 容態が良くないの?! しかも長くは持たないってどういうこと? 彼この数日後、元気いっぱいに私に誤送信してるけど?!


02/03 21:32

タイトル:重ねての連絡失礼します

本文:今夜が山かもしれないと聞いたので、こちらも焦っています。

岡田さんはご存知ですよね?送信先間違ってますか?


 とりあえず送信先は間違っています。

 間違ってますが、一応岡田さんはご存知です。

 ただちょっと意外だったのは、えっ、何? 今夜が山なんですか? てことはあのJの岡田はそれを乗り越えた、ってコト……? 死の淵から蘇って映画の撮影してんのタフすぎん……?


02/04 07:31

タイトル:アドレスを変更しました

本文:音信不通で、こちらも宛先が合ってるのか間違ってるのか把握出来てない状態です。

恐れ入りますがご確認いただけますか?


 で、これが最後でした。

 これを最後にイチゴちゃんからのメールは終了。それから約2週間後に死の淵から蘇った男、J岡田Jからギンギンにガンギマったメールが届いた、という流れになるわけです。


 ドラマがあったのです。

 この二週間の間に!


 おそらく、心肺停止くらいはしたでしょう。心臓マッサージだ何だで大騒ぎだったはずです。


 ですがJの岡田は不死鳥のごとく蘇り、驚異的な回復を見せ、アクションシーンの撮影をこなすまでになったのです(撮影をこなしたとは書いてなかったけど)。リハビリも大変だったでしょう。でも岡田のJは負けなかったのです。俺があの映画を背負っているのだ、3作目を絶対に撮るんだ、という強い意志で彼は頑張ったのです。いやもうそこのドキュメンタリーで良くない?


 いやマジでさ、これ伏線だったのかな?

 だとしたらこのメールをプロデュースした人、すごくないですか? これ絶対副業で小説とか書いてるでしょ。それくらいのことしてるでしょ絶対。


 という話で貴重な2月22日ニャーニャーニャーの日を締めくくらせていただきます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る