第1827話 魔王の発想

 先日、旦那と子ども達が秋田市まで映画を観に行ったのです。私? 私は仕事ですチクショウが。


 観たのは、スパイファミリー。大丈夫、ネタバレなんてしません。ご安心ください。なんか映画館がめちゃくちゃ混んでて、何事? と思ったら『ハイキュー!!』目当ての女の子達だったよう。スパイファミリーは旦那達を含めて15人くらいしかいなかったようでした。マジかよ。


 それでですよ。

 まぁ、大人が観ても楽しかった――というか、アレ元々大人向け(?)じゃなかった? と思いつつ――らしく、アマプラで配信されたらぜひ見てね、なんて言われてですね。息子は正直あまり乗り気ではなかったらしいんですけど、結局ゲラゲラ笑って観ていたようでした。ゲラゲラ笑って?


 で、息子は本編もそうなんですけど、ゴジラの予告編の方に大興奮だったようです。好きだもんね、ゴジラ。ていうか何、まーたゴジラやんの? すごいね! いまだに人気!


 そしてもう一つ、これが今回の本題です。


 ドラえもんの新作の予告編の話。

 なのでね、いくら予告編とはいえ、ドラえもんのネタバレなんて許せない! という方はさすがに多いと思いますから、今回という今回はちょっとね、という方はいますぐブラウザバックしてください。ここからは自己責任だ!


 といっても私も実際に見たわけではなく、旦那から聞いたやつですので、彼の主観的なものも含まれているかと思いますが。



 今回のドラえもんのテーマは『音楽』だそうで。タイトルも『地球交響曲シンフォニー』。そういやCMでそんなようなタイトルを見たな、なんて。


旦那「なんかさ、のび太君が音楽の授業で馬鹿にされてさ、自分の思い通りになるみたいな道具で、『音楽』を消しちゃうんだよ。そしたら世界から音楽そのものが消えちゃって」

宇部「ほう。まーたとんでもねぇことしやがるな、あの眼鏡は」

旦那「それで、謎の少女と出会ったりして、そんで楽団を結成したりして」

宇部「謎の少女は絶対必要だもんね」

旦那「それで、世界から音楽を取り戻す、みたいな」

宇部「そもそも自分てめぇでまいた種では?」

旦那「そう。あいつそういうところある」

宇部「なんていうかさ、授業で馬鹿にされて悔しい気持ちはわかるんだけど、せっかく思い通りになるなら、世界一の音楽家になるとかさ、そういうポジティブな方にいかないんだよね、のび太君は」

旦那「あー、はいはい」

宇部「僕を嫌な気持ちにさせるものなんて消してやれ、なんだよね。発想がさ、滅ぼす側なのよ。魔王の発想よ」


 確かに、世界一の音楽家になってブイブイ言わせる、という話よりも、音楽が失われた世界をなんやかんやする方が盛り上がるんだろうなってのはわかるんですよ。ドラえもんだし、大冒険だし、感動するだろうし、面白いと思う。


 たださ、のび太君、ナチュラルに思考がヤバくない? 気に入らないものは消すっていう思考回路なのよ。そんで、ドラえもんの道具もヤバすぎだしね? 何がヤバいって、その道具もさ、未来デパートで売ってるんだよね? 未来をホイホイ変えられるようなものがさ? 未来にはドラえもんみたいな(そして何ならドラえもんより優秀な)ロボットがゴロゴロいて、その道具も普通に使ってるんだよね? 未来大丈夫なの?


 たぶんだけどさ、善悪の判断もあやふやで、力を手に入れるや即調子に乗るような小学5年生には、普通は使わせないと思うのよ、ある程度の制限とかあるんじゃないかなって。それこそ親とか、そのロボットの方でその辺は管理するんじゃないかな?


 それをさ、ホイホイ与えてさ、そんで、何度も地球を危機に追い込んでるじゃん。結局最終的にはどうにかしてるけど、大抵の場合、地球のピンチって彼らのせいじゃない? こういうのってマッチポンプって言わない? 


 まぁ、マッチポンプは置いといてですよ。

 私がのび太君だったら、世界一の音楽家になってブイブイ言わせたい、っていう方向にすると思うんだけどなぁ、って。いやそれはさ、宇部さんが音楽が好きだからでしょ? のび太君はさ、別に音楽は好きでもないから。だからこそ消したわけだから、って思われたかもしれませんけど、たぶん私、スキーとか水泳(出来ないし、大嫌い)でも同じだと思う。世界一の選手になってみたいって願うと思う。


 そんで、テーマが音楽だの、楽団を結成するだのと来たら心配なのがあれですよね。


 ジャイアンしずかちゃんバイオリン

 

 ある意味二大兵器だからね。ジャイアンリサイタルとしずかバイオリンは。

 でもご安心ください。

 これはねいつかどこかで実際の予告編を見て安心してもらいたいところですが、とりあえず、やつらは別の楽器を割り振られていたそうです。良かった。この世から音楽が消えたことは確かに一大事ですけど、かといってやつらにその辺を任せても良い、ということにはならないから。

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