第1554話 夫婦の会話

 さすがの秋田県もここ最近は結構暑いです。

 とはいえ、朝晩はまだちょっと寒かったりするものですから、お布団関係はまだ冬用だったりして。でもふわもこルームウェアは暑いかな、ということで、しまむらさんに旦那の寝間着(になるシャツ)を買いに行ったんですね。私のはね、まぁ何でもいいんです。問題は旦那。


 何せ、彼が家で着る服というのは、つまりは私が触れる服ですから。私はどんな季節だって旦那を抱き枕にして寝ていますので、生半可な肌触りでは困るわけです。前面にプリントがあるやつなんかも駄目です。あれは正面から抱き着いた時に「やっ!」てなるから。


 そんな理由で厳選し購入したTシャツを早速着せ、私はご満悦です。熱帯夜ならさすがにずっとはくっついていられないのですが、これくらいの時期はまだ快適。その日も私がウトウトするまで抱き枕に徹しつつ話し相手になってくれる最高のハズバンドです。


 そんな最高のハズバンドとの会話を本日はお届けしたい。


 ぽつぽつ話をしておりますと、旦那が急にもぞもぞし出しました。どうした、と尋ねると、タグがチクチクする、と。


旦那「首のところじゃなくて、脇のやつね。洗濯表示のタグ。チクチクしちゃう。タグがチクチク。タグチ君だわ」

宇部「突然何が始まったんだ。タグチ君?!」

旦那「『タグがチクチク・タグチ君!』ってありそうじゃない?」

宇部「ありそう! コロコロかボンボンでありそう!」

旦那「これはどっちかっていうとコロコロかな。タグチ君は常にタグがチクチクしてる」

宇部「着てる服のタグがチクチクするだけの話?」

旦那「タグチ君は、そのチクチクで事件を解決するんだ。『このチクチクは……、コムサ!』とか」

宇部「コムサの服ってわかったところで何がどう解決するんだ。そもそもどんな事件なんだ。じゃあさ、あれは? いまインナーとかだと服の裏側にサイズとか洗濯表示が印字されてるやつもあるじゃん。そういう場合はどうするの?」


 個人的には、これ、めっちゃ助かるんですよね。パンツとか、あと寝る時用のブラジャーあたりがそういうのだったりします。


 ただ、その下着の色と使いこみ度によっては印字が見づらく、どっちが裏か表かわからないこともあるため、薄暗い中で着用する際には注意が必要。電気つけりゃ良いんですけど。


旦那「そんなものは着ない」

宇部「着ない?!」

旦那「タグチ君はインナーなんてものは着ない」

宇部「着ないんだ?!」

旦那「それはインジ君が着る」

宇部「インジ君?!」

旦那「インジ君はインナーしか着ない」

宇部「極端なキャラしか出て来ねぇな!」


 とまぁこの程度の話をね、寝る前にしているわけです。こんな話をされて私がウトウトすると思ったら大間違いですし、実際、床に入った時よりもおめめパッチリではあるんですが、まぁ楽しいので良しとします。あとほら、小説のネタに使えるかもしれないし。まぁどう料理しても使えなそうな話ですけど、少なくともコレエッセイのネタにはなりましたから。


 そうしてさんざん私を接待した後、旦那は1階に戻って晩酌しながらゲームをするのです。日中は仕事、帰宅後は子ども達の世話、夜は嫁の接待ですよ。大変だな、ウチの旦那。もっと労わってやらんと。

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