第1518話 彼女の夢
一体何がきっかけだったのかはわかりませんが、娘がやたらと感染症ですとか身体の中身に興味を持ちだしてですね。このエッセイでもどこかでは書いてるんですけど、私もね、そういう感染症とかにハマった時期があったものですから、まぁ、そういうのも遺伝するのかしらみたいなね? そういう感じなんですけども。
思い起こしてみれば、娘はおばあちゃんと一緒に『科捜研の女』も見てたわけです。私がその手のドラマを見るようになったのなんてたぶん中学生とかそれくらいだったと思うし、小学生の頃はせいぜい時代劇とかだったと思うんですけど、娘はね、なんか早いのです。
まぁ、その辺はまぁいいとしてですよ。
科捜研がきっかけなのかもしれないし、図書館でその手の本に出会ったのがきっかけなのかもしれないんですけど、とにかく、娘は『細胞』というものに興味津々らしいのです。任せろ『はたらく細胞』はいつでも準備出来てるぞ。
それで、ある日を境に、将来の夢が『細胞を研究する人』になりました。細胞を研究する人って、具体的に何なんでしょう。母は学がないのでわかりませんが、白衣の代わりに割烹着をチョイスするのなら、袖のゴムは抜かない方が良いと思うよ、ママは。
兄は『発明家』、妹は『細胞を研究する人』。とんでもない兄妹です。文系の両親から生まれたとは思えません。
まぁ良いです。
常日頃、子ども達には「君達は何にでもなれるし、何でも出来るんだよ」と言い聞かせておりますから、それを信じて夢に向かって行ってほしいところです。
で、最近はですね、一体どこでそういう知識を仕入れて来たのかわかりませんが、「細胞を研究する人になるために、『東京理科大学』に行く」と言い出したわけです。お前、本当に小2か?!
私、君と同じくらいの頃なんて、そもそも『大学』ってものを恐らく知らなかったよ? あと、せいぜい知ってても『北海道大学』だけだったし。
我々の子どもですからね、トンビが鷹を産むなんて言葉もありますけど、そんな奇跡でもなければ『東京理科大学』は無理だろうなって思うんですけど、まぁ志は高い方が良いですよね。
いやもうマジでね、入れるなら全然入ってもらって。パパもママもめっちゃ働くからさ。そう思っていたわけですが――、
先日。
娘「わたしね、『東京理科大学』通うのやめたから」
宇部「もう既に通う気になってるのすごいじゃん。ていうか何、やめたの? 良夫さん、知ってた?」
旦那「知らなかった。『東京理科大学』やめて、何か違うところにするの?」
娘「それはまだ決めてないけどぉ~、『東京理科大学』だと、細胞を研究できないからやめたの」
宇部「そうなの?! 『東京理科大学』って細胞研究出来ないの? めっちゃ『理科』言ってんのに?! そうなの、良夫さん?」
旦那「出来ると思うけど……。まぁ、まだ小2だしね、ゆっくり考えな?」
娘「うん!」
なんかね、びっくりですよ。
中学生くらいが語るならまだわかるんですけど、これ小2ですからね。そんで、例えば神童レベルで賢い子っていうならまだね? わかるんですけど、そんなこともないですから。
とりあえず、小2の娘の口から『東京理科大学』って出て来るのおもしれーな、って。まぁそういう話です。
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