第1490話 ホワイトデー報告

 そうそう、だいぶ過ぎましたけど、ホワイトデーの報告をさせていただこうと思いまして。


 先日、マイマザーから「ホワイトデー送ったから。◯日の18〜20時指定で」ってラインが来たんですけど、それがもう全然14日でもなくて、それでも『ホワイトデー』って単語さえ入ってりゃOKなんだなって実母のズボラ具合に血を感じましたね。そうか、私、この人の子どもだもんな。


 それでですよ。

 その届いたホワイトデーのダンボールなんですけど、中身の3分の2がジンギスカンでしたね。ホワイトデーとは……? あっ、ちゃんとね、お菓子も入ってましたよ。あの、ホワイトデーの『ホ』の字もねぇようなスーパーで売ってる系の大袋のチョコ菓子がね。


 お母さん、ホワイトデーって何か知ってる?


 たしかにね。

 たしかに私がパパン宛に送ったのはハンバーグのギフトセットだったよ? でもそれはさ、パパンが、糖尿で甘いものアウトだっつーからね? 苦肉の策のやつじゃん?


 よっしゃ肉もらったから肉で応戦だ! ってこと? お前の娘はバリバリ健康なアラフォーなんだが? 甘いの寄越せや! なんかホワイトデー感のある甘いの寄越せや! こういう時でもなければ食えねぇやつ送れや! ていうか、ママンじゃなくてパパンが送れよ! 会社の女の子からいかにも本命のやつをもらってきた時の本妻の対応(「主人がお世話になってます。これ、皆さんで召し上がってくださいね(ニッコリ」)じゃねぇか! 


 正直そう思いましたけど、ぐっとこらえて『荷物届いたよ〜。ありがとう〜』ってLINE送りましたわ。私、菩薩の才能あるんじゃないかな。


 それでまぁ、実家からのホワイトデーはそれで終わったわけですけど、メインはそう、旦那からのやつですよね。


 今回ですね、ちょっともうほんと軽ーく事件が起こってですね。まぁその時は軽くパニクったんですけど、いざホワイトデーその時になってみたら全然大丈夫だった、って話があるわけです。


 それはホワイトデーから約1週間前のことです。

 我が秋田県もですね、一気に気温が春めいて参りまして、さすがにそろそろ自転車も解禁だろう、ということになったわけです。宇部家ではいまのところ自転車を乗り回しているのが私だけということもあり(息子のもあるけどまだ乗れない)、外に置いて、雪避けカバーを被せて越冬させています。なので、春になるとそのカバーを外してボディをきれいに拭き、油を差して、タイヤの空気をしっかり入れるわけです。


 で、それらを済ませて、剥がしたカバーを物置にしまおうとしてですね、引き戸をガラッと開けたわけですね。


 明らかにホワイトデーのお返しと思われる紙袋――!


 旦那――!

 お前こんなところに隠すな!

 いくら物置内ったって、お前!


 もっとあったはずだよ?! 家の中でも、私の届かないところとか、あったはずだよ? そういうところに隠そう!?


 もうね、どうしようかと思って。

 ほら、引き戸だからね? 右でも左でもどっちでも開けられるんですけど、どうして私こっち側から開けちゃったんだろう、みたいに自分を責めたりしてね?

 

 自転車のカバーなんて毎年そこにしまってるんですから、自転車がむき出しで置いてあったらピンとくるはずなんですよ。あっ、松清子、物置開けたな?! って。


 えーどうする。

 何か見た? とか聞かれたら「見テナイヨー」って絶対に目が泳いじゃうやつじゃん。

 そんなこんなでね、もうどうしようどうしようって思ってたんですけど、これが案外何も言われなくてですね。もしかしたら旦那も忘れてるのかもしれないし(カバーを物置にしまってることとか)、下手に突いた方がヤバいと思って黙ってるだけなのかもしれないんですけど、とにかく何も言われなかったんですよ。


 そんでまぁ普通に当日、何食わぬ顔でもらいましたし、私も何食わぬ顔でもらいました、っていうね。ただただ私の脳内が騒がしかったってだけのやつでしたね。


 あっ、年に2回くらいしかやり取りしない弟からもお返しが来ました。ただ毎回Amaz◯nから直で送る上にメッセージカード的なものもないので、一瞬、私何か頼んだっけ……? ってなるわけです。


 で、開けてみたらチョコとかで、あっ、ホワイトデーか! ってなって、「バレンタインも送ったし、これは恐らく弟だろう」って一か八かで「ホワイトデーありがとう」ってメールするんですよ。


 ただ、お返しが来ない年もあるので、ほんとに一か八かなんですよね。ワンチャン私のストーカーの可能性もある。


 そんで、「はいよ」みたいな返信が来て、あっやっぱり弟だったかー、って。


 以上、宇部さんのホワイトデー報告でした。

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