第1366話 逆では?
先日は、私が数日前から脳内で無敵になれる『旦那とデート回』でした。カレンダーを見つめてはウキウキし、当日は何を着ていこうか、天気は大丈夫なのか、それ以前にまずどこに行くかも決まってねぇな、などなど、とにかく数日前からソワソワしていました。遠足と同じで、こういうのは特に前日が楽しいですね。
運よく、なかなか暖かい日ではありましたが、お出掛けは夜です。しかも歩いて行きます(旦那が飲むので)。ですので、可愛いさを重視した恰好をしたいところではありますが、ある程度の防寒もせねばなりません。私は身体が冷えるとすーぐ頭が痛くなっちゃうタイプなのです。そんで不思議なことに、この『寒さによる頭痛』と『肩凝りからくる頭痛』がどういうわけだか頭痛薬が効かないんですよね。だとしたら何が原因の頭痛に効いてくれるっつぅんだお前はよ。
さて、なんやかんやしまして、いよいよお出掛けです。
先にコンビニ行って、翌朝のご飯を調達します。子ども達がいないわけですから、朝ご飯だって作りたくありません。そうでしょう?
無事に朝食も調達し、それを家に置いてからてくてくと居酒屋です。もう全然チェーン店のやつです。チェーン店の良いところは、定番を押さえつつも、たまにトリッキーなメニューがあったりするところでしょうか。絶対に頼みませんけど、ロシアンたこ焼きとかありました。
さぁ、席に着いたら早速メニューとにらめっこです。
宇部夫妻は基本的にあまり冒険をしません。割と毎回同じようなものを頼みます。思い思いに注文し、料理が運ばれてきたら、早速箸をつけ、やっべこういうのって写真撮るもんじゃない? っていうのを毎回律儀にやらかします。
そこで気付いたんですよね。
私が頼んだやつ→いももち(チーズ入り)、いかの一夜干し
旦那が頼んだやつ→炙りチーズとトマトのカプレーゼ、何とかキノコ(忘れた)のピザ、エビとブロッコリーのアヒージョ
いかがですか、皆さん。
旦那が頼んだやつ、女子っぽくないですか。全体的にシャレオツというか、女子会のメニューじゃないですか、これ。私が頼むべきやつなんじゃねぇのか。逆なのでは?
いや、わかってるんですよ。
居酒屋なんだし、好きなものを頼んだら良いって。
どうせ全部シェアして食べるわけですから、どっちが頼んだとか関係ないんだって。
だけれどもですよ。
何かこう、雰囲気みたいなのあるじゃないですか。
私この後ポテトフライもいったからね。なんて言うの、手っ取り早く炭水化物と脂を摂っとこうぜ、みたいな。
そんでまぁ、ぽつぽつと色んな話をしてですよ。
我々は気付いたんですよ。
旦那「俺達、今日肉系頼んでなくない?」
頼んでないのです。
ピザもキノコと野菜しか乗ってないタイプのやつだったので、肉という肉はお通しで出て来たサラミのみ。こちらからのアプローチは0です。
宇部「ほんとだ。昔は脊髄反射で唐揚げとか頼んでたのに」
旦那「だよね」
宇部「これが年を取るということなの……?」
旦那「そうかもしれないね」
ちょっとしんみりしてきました。
もう肉がなくても十分楽しめてしまうこの身体が何だかちょっと切なくて。
けれどそこで旦那が動きました。
旦那「これじゃ終われない! 肉を頼もう!」
宇部「そうだ! 我々はまだ戦える!」
メニューを開いて肉料理を吟味していた旦那が呼び出しボタンを押しました。一体どんな肉料理を?! やはりここは鶏のから揚げか!?
そんな思いで店員さんに注文する旦那を見つめます。
旦那「カルビステーキお願いします」
落差!
肉っ気0のところからいきなりのステーキです。素敵、としか言いようがありません。まぁ私もね、唐揚げかな? なんて思ってましたしね? 唐揚げったらアナタ、そもそもジューシーなもも肉に衣をつけて揚げようって言うんですから、それもなかなかのワイルドメニューではあるんですけど、ステーキって響きがもう最高にアメリカンなわけです。
運ばれて来たカルビステーキは鉄板の上に乗っておりまして、それがまぁ思った以上にじゅうじゅうしてなかったんですけれども、少々猫舌気味の私への配慮かもしれないとポジティブに解釈し、いただきました。かなり硬めのお肉でしたが、それも『ワイルド』の一言で黙らせます。「アメリカのBBQで焼いてそうな硬さだよね」「わかるー」なんて温かな会話をし、〆に私はチョコレートパフェ、旦那はレモンソルベを頼みました。
そんなこんなで居酒屋デートは終了。
帰宅後、計測してみたら1㎏増えてましたが、翌朝、1kg減ってました。どういうことなの。
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