第1348話 息子とのお休み

 子ども達の発表会が土曜日にあったものですから、月曜が振替休日になってましてね。

 それで、その月曜日ですよ。私もお休みだったので、二人共家にいても良かったんですが、娘の方がばあちゃん家に行きたいってことで、息子と二人きりの休日だったんですよ。


 もうね、ここ最近の私はですね、例の娘のお友達(元気いっぱいの男児×2)に大層ショックを受けておりまして、いつも以上に我が子が可愛くて可愛くて仕方がない期に突入してるんですよ。けれども、いやこれ、どう考えても息子の天使度が天井ブチ破ってんだろ、っていう、彼の一日をご紹介したい。


 まず、朝ご飯を食べて、旦那と娘が家を出てですよ。私はですね、お洗濯のついでに、いっちょタンスの整理でもすっかな、ってことでほぼ魔窟と化しているmyタンスの中のウン年ものの服とか、そういうのを選別してたんですよ。そんで、それが終わって、達成感と共に一階に下りたら。


 息子が黙々と宿題してて。


 ママ、なんも言ってないが?


 いつもなら何かしら声掛けはするんですけど、今日という今日はマジで何も言ってないんだが? まだ8時ぞ?


 もうこれだけで膝から崩れ落ちんばかりに感動しましたわ。ご近所の皆さん、全世界の皆さん、見てください。ウチの子のこの姿を! 


 そんで、終わったらしばらくDVD見たり折り紙折ったりしてですよ。

 宇部家ではですね、休日のおやつは10時と15時ってきっちり決まっておりまして、彼は時間になるといそいそとテーブルをお片付けし始めます。あんなにお片付けの苦手だったあの子が、と、もう涙腺がガバガバのママはかつての彼の姿を思い出したりして大忙しです。


 その日のおやつその①は知育菓子です。粉を混ぜて作った液体Aを液体Bの中にそっと入れると、5分くらいでグミのような物が出来上がるというやつです。


息子「混ぜ混ぜ~♪ ぐるぐる~♪」


 彼は小学4年生です。

 数ヶ月前、何かに目覚めたのかいきなり一人称を『おれ』にしてみたものの、結局しっくりこなかったのかいつの間にか『ぼく』に戻っちゃったところも最高に可愛い小学4年生です。あと二ヶ月ちょっとで10歳になるぼくちゃんです。そんなぼくちゃんが、混ぜ混ぜぐるぐるって歌ってんの、最高に可愛い。もちろん動画に収めています。当然です。


 楽しく作り、楽しく食べ。

 また折り紙したりして、お昼ご飯です。

 

 正直凝ったものを作るのが面倒なので、インスタントラーメンです。自分一人で食べるなら具なしなんですけど、さすがに私は母親です。子どもに食わせるなら欠片程度でもお野菜は必須。ほうれん草とウインナーを炒めて乗っけます。


 そんなラーメンをね、美味しい美味しいって食べるんですけど、彼はね、基本的にこちらと目が合ったら微笑んでくるんですよ。こんなのね、付き合いたての彼氏よ。どうなってるの、お前。えへへ、美味しいね、って笑ってるんですよ。ファンサが過ぎるよ。ママの身が持たねぇ。


 食後はね、宿題その②ですよ。大抵国語と算数なので、一気に二枚やるか、それとも午前と午後で一枚ずつやるか、どっちが良い? って一番最初に決めさせたんですよ。そしたら午前と午後に一枚ずつが良いって。それをずーっと守ってるんですよ。こいつ、進研ゼミとか絶対向いてるタイプだろ。


 で、15時になったらおやつ②です。この辺で、さすがにずっと家の中で座りっぱなしもな、ってことでですね、夕飯のお手伝いさせようかな、って思ったわけです。


宇部「息子君、ご飯仕度のお手伝いしてくれないかな」

息子「いいよー!」

宇部「(さすが旦那の子、二つ返事だぜ)じゃあ、今日はレンジ使ってみようか。使い方教えるからね」

息子「わかったー!」


 まぁ正直、これくらいの年の子のお手伝いって、もどかしい部分も多いですし、ぶっちゃけ一人でやった方が早く終わるんですけども、楽しいですから。ほら、お料理って結構孤独な作業ですから。そこにね、天使が加わることでね? 心の満たされっぷりが違ってくるわけです。

 

 彼には、オープンオムレツのほうれん草とじゃがいも、無限ピーマン用のピーマンのレンチンと、無限ピーマンの味付け、オープンオムレツの玉子割り、味付け、かき混ぜ、耐熱皿へのマーガリン塗りをやってもらいました。調味料はすべてこちらで用意しました。


 これをね、もう全然嫌がることもなくね、「ぼくに任せて!」って。天使だ。天使がいる。私は天使を産んだのだ……。


 その日、小説はもう全然進みませんでしたけど、このようにエッセイのネタにもなり、心も満たされ、めでたしめでたし、っていうね。

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