第1349話 ママの英語力
二日続けて息子の話になるんですけども。
最近の彼はね、英語の方にも興味あるみたいなんですよ。いまほら、小学生から英語の授業もあるしね。全然悪いことではないです。むしろどんどん興味を持ってくれ。
ただ、何が困るってね、
「お母さん、これ、どういう意味?」
これね。
最近の彼は、スポンジボブのサブタイトルの英語を書き写して、ママに「これどういう意味?」って聞いて来るから。一応、学生時代の成績としては4だったけど、それはほら、机上の成績のやつだしね? ちなみに今回は『Stuck in the Wringer』でした。
あのね、息子君ね。
ママの英語力を舐めちゃいけない。
ママはね、お店に来た外国人のお客様に対して、「オッケーオッケー! ある! こっち! に! ある! カモンカモン!」って接客をしている女だよ? 何でかもう日本語部分も若干カタコトになってしまうんだ。ちなみにそのお客様が探していたのは制汗剤でした。ちゃんとジェスチャーもしたから。脇にシューってする感じの動きして、「これ? シュー?」って。シュー? じゃねぇよ、直塗りタイプもあるだろ。
そんな私だけど、息子の疑問には応えたい。理数分野は無理だけど、英語とか国語とかそっちの方は応えたいし答えたい。stuckの方はね、何とかなった。タイヤがスタックするとか言うもんな、そういうことだよな。その場から動けなくなるとかそういうやつだろきっと。でもwringerって何ぞ……? こうなればスマホ様です。調べます。
wringer……洗濯物などを挟んで水分を搾り取るローラー。
わかるかい。
こんなのわかってたまるかい。
ちょっと待ってよ。そもそもこれ、令和の設備? 一般家庭にも普及してるやつ!? 違うでしょ?! こんなの知らないでしょ。
宇部「えーとね、息子君。たぶんあれだ。ちょっと自信ないけど、洗濯物を挟んで搾るローラーに挟まっちゃって動けないとかそういうことなんじゃないかな」
息子「ふーん、そっかぁー」
我ながら「洗濯物を挟んで搾るローラーに挟まっちゃって動けない」状態って何だよそれ。仰天ニュースかよって思いながら説明してたんですけど、そんな説明をしているまさにその時!
スポンジボブがそのローラーに挟まっているシーンに!!
これだ――!
まさにこういうことだ――!
よく考えたらこいつスポンジだもんな! えっ、だとしてもお前日常的にそんなもんで水気切ってんの?! ていうかココ、海の中って設定だろ!? 水気を絞る必要ある?!
宇部「息子君! ほ、ほら! あってた! こういうことだよ! wringerにstuck! これがwringerにstuckってこと!」
若干ルー大柴テイストになりながら、説明しましたわ。ちなみに邦題は『はさまっちゃった』だったかな。邦題あんじゃねぇかよ。
その他にも、『The inside job(体内潜入大作戦)』なんていうのもあってですね、これはあらかじめ邦題の方も記してあったものですから、全然わかりやすい。あれよね、要は、ウルトラセブンがダリー(宇宙細菌)と戦った時のやつでしょ? それかもしくは、Xライダーがキングダークと戦った時のやつ。どっちもピンとこなかった人、ごめんな! アレだ、一寸法師が鬼と戦った時のやつよ。最初からそう言えよ。
宇部「えーっとね、息子君、このinsideっていうのはね、内側とかそういう意味でね、なのでつまり今回のお話で言うと、身体の中みたいなね? それで、jobはお仕事。なので、身体の中に入って何かお仕事をするお話ってことだよ」
邦題があってもこのザマよ。この説明下手なのもうどうにかならんのか。
ただ、そんな馬鹿丸出しの説明でも息子は天使なので、
「そうなんだー!」
って納得してくれる。可愛い。
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