第1315話 伸びる
服ってね、伸びるじゃないですか。生地にもよりますけど、ある程度は。
そんで特に伸びやすいのってやっぱり下着系じゃないですか。
私もですね、体重がいまからプラス8キロだった時、つまりこのダイエットを始める前もですね、痩せてた頃のタンクトップとかパンツとかフツーに身に着けてたんですよ。一気に太ったわけじゃないので、徐々に伸びたんでしょうね。だからこそ「Mが履けるならまだ大丈夫」みたいに安心しちゃってたといいますか。
そんな感じで子ども達もですね、洋服に関してはほぼ毎年のように買い替えてるにも関わらず、下着だけはなんか緩く見えるので、まぁいっか、って感じでそのまま着せてたんですよ。
そんで買い替える時もですね、なんて言うんだろ「小さくなったから買う」んじゃなくて、「あまりにもクタクタでみっともないから買う」んですよ。そんな感じでやって来てたらですね、息子はいま上下共に150を着せている(下はまぁまぁちょうど良いけど上はかなり大きい)んですが、肌着が130だったことが発覚して。
もちろんびろんびろんですよ。こりゃあ買い替えないと恥ずかしいぞ、なんて思いながら洗濯物を干していたわけです。
宇部「息子君の肌着さ、130なんだけど」
旦那「ほんとだ。あいつ細いもんなぁ」
宇部「ただもう、びろんびろんだけどね」
旦那「これはあれだな、『ノビノビの実』の能力者だな」
宇部「マジか。ウチの息子、悪魔の実食ってたのか。ノビノビの実を食べるとどんな能力が使えるの? どういう時に役立つ能力なの?」
もうね、こんなネタになりそうな話は逃さないから。可能な限り膨らませるから。旦那、今回もよろしく頼むぜ!
旦那「まずもちろん、こんな感じで衣服とか伸ばせる。それを使って下の階とかに下りれる」
宇部「成る程。脱出する際に使えるね。でもゴムゴムの実とちょっと被ってない?」
旦那「いや、
宇部「伸びっぱなしなの……? 戻せないんだ?」
旦那「もちろん。だから慎重に使わないといけない」
宇部「でもなぁ、その服とか伸ばせるってだけの能力だと弱いなぁ」
旦那「ところが、覚醒すると時間とかも延ばせるようになる。締め切りとか延ばせる」
宇部「それはすげぇ! 良いじゃん! えー、めっちゃ良いじゃん! 納期とか延ばせるんでしょ?」
旦那「当然。だけど、元に戻すことは出来ないから、納期を1週間延ばしたは良いけど、2日で終わっちゃって残り5日めっちゃ暇、とかなるかもしれないから、その辺の見極めも重要になって来る」
宇部「成る程なぁ……」
正直私としてはですよ、その「残り5日めっちゃ暇」とか最高なんですけど。えー、良いじゃん、『ノビノビの実』。能力系のバトル漫画だと、大抵ボスとか強キャラって時間を操作する系の力使ってくるし、これはかなり良い能力なのでは?! どう思います、皆さん!
それにですよ、時間が延ばせるとなったら、恐らくここの皆さんも絶対に延ばしたいのがアレですよ。
睡眠時間!
どうです!? もうね、ここがしっかり確保出来るとなればですよ、残りの時間は好き放題に使えるわけですから。だからね、どう考えても『ノビノビの実』なんてないのにね、もう私は大興奮でね、旦那に聞いたわけですよね。
宇部「ということはもちろんさ、睡眠時間も延ばせるってことだよね?」
旦那「もちろんだよ。好きなだけ寝れば良いよ」
宇部「やったー!」
旦那「ただ、遅刻するけどね」
宇部「……ううん?」
旦那「増えるのはあくまでも自分の睡眠時間だからさ」
宇部「待って。それじゃただの寝坊助なのでは」
旦那「そうです」
宇部「延ばせよ! この世界の時間そのものをよぉ! 締め切りとかそういうのは延びたじゃん!」
旦那「色々制約があるんだよ……」
やはりそううまいことはいかないみたいでした。旦那考案の『ノビノビの実』は。
ちなみに、身体を伸ばすことも可能らしいです。ただ、ゴムじゃないので元には戻らないため、一時の感情に流されて股下を2メートルとかにはしない方が良さそう。
旦那「しかもあれだから、ちょっとずつしか伸びないから。1センチとか」
それってただの成長だったりしない?
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