第1303話 まさか需要があったとはね

 さてさて、こちらもですね、ノートの方にいただきましたお題でございます。


 今回は、『かわのほとり(https://kakuyomu.jp/users/numayu)』様よりいただきました、こちらのお題、


『私も1万2千年前から始まっている、松清さんと良夫さんの出会いの物語が読みたいです〜。なんせこれから1億2千万年も続くようですから、ここらで一筆書き記しておかれても……( *´艸`)』


 これをいってみようかと。もうね、鉄は熱いうちに打つから。


 こんなアラフォーおばちゃんの出会いの物語に需要あったんだ!? というのにびっくりしましたけど、いやもう語りますよ。これといってドラマティックでもないんですけど、語らせていただきます。


 まず、何度かエッセイで書いているんですけど、私は元々北海道(札幌)で就職したんですけども、その時の仕事というのが営業だったわけです。が、成績が悪すぎるということで、当時は左遷先みたいな扱いだった部署に飛ばされることになったんですね。そこが後に時代の流れ的なアレでまさかの花形部署になるんですけど、それは置いといて。


 2ヶ月くらい本社のある愛知で研修を受け、配属先が秋田県に決まって、「ふええ、秋田県ってどこにあるの……」と半べそをかきつつ(嘘)地図をチェック。何だ、全然北海道と近いじゃん! なんてちょっと勇気をもらいつつ、飛行機で津軽海峡を越えたわけです。


 で、初出社日ですよ。

 別に異動シーズンとかでもなく(何せ成績が悪いっていう理由の左遷)、確か2月くらいだったと思います。めっちゃ中途半端な時期。私はまだ23とかでした。完全に内勤ですし、基本的に私服でOKのところだったこともあって、少々おしゃれしてましたね。髪の毛も耳の下で二つに結わってくるくるに巻いてたりして。


 旦那曰く、一目惚れだった、と。可愛い子が入ってきた、と思った、と。

 まぁ、この辺はリップサービスだろうと思っています。ただ確実にいまより全然可愛かったとは思います。いまと比べんな。


 で、旦那の苗字がですね、田中鈴木佐藤高橋伊藤みたいな感じでとにかく全国でもトップレベルにメジャー級なやつでして、彼は幼い頃から下の名前で呼ばれていたわけです(クラスに同じ苗字が5人くらいいたりして)。その当時同じ苗字の人はいなかったにもかかわらず、皆から『良夫さん(上司からは『良夫』)』と呼ばれておりました。なので、彼は「皆下の名前で呼ぶから、宇部さんも下の名前で呼んでね」などと言いつつ、さらっとメアドの要求です。すげぇ、すげぇ慣れ慣れしい先輩だな、と思いましたね、その時は。まさかそんな彼と結婚するとは。その時は眼鏡もかけてませんでしたし(眼鏡好き)、喫煙者でしたし、ちょっとぽちゃっとしてたし(細マッチョ好き)好みのタイプではなかったんですけど、まぁ優しそうな人だな、とは思ってましたね。


 そんな感じの出会いだったんですけど、飲み会で酔って寝ちゃった私をおんぶしてアパートまで運んでくれたりもしましたし(同じアパートの女性社員もいたので、R18展開にはなっていません)、丸美屋の麻婆豆腐をふるまったのもこの段階ですね。お付き合いしてる時ではなかったんですよ。二人で遊んだりご飯食べに行ったりもしたんですけど、お付き合いはしてなかったんですね。1年くらいそんな感じで先輩後輩の関係で、そんで忘れもしない2月13日ですよ。バレンタインの前の日だったので覚えてるんですよ。いま13日ってことで「おい、これが金曜だったらすごくね?!」って調べてみたんですけど、かすりもしませんでしたわ。ちっ、そこまでの奇跡は起こらんかったか。


 まぁそれは置いといて。

 その2月13日にですよ。

 私から告白してお付き合いが始まったという。

 

 欲を言えばね? そりゃあ向こうからしてほしかったですけども、ぜーんぜんそんな気配無くてですね。あったかもしれないですけど、私にはわからなかったんですよ。だからもう誰かに取られる前に! って思いましたね。24ってそんな焦る年齢でもなかったかもなんですけど、こちとら酷い人見知りっ子なんでね? 


 で、無事にOKをもらいまして、彼は煙草もやめましたし(私が煙草嫌いだから)、眼鏡もかけるようになりましたし(これは単に視力が落ちただけだけど)、ぷよぷよだったお腹が締まってきた(外仕事になって筋肉がついた)のは最近のことなんですが。私好みになりましたね。しめしめ。


 そんでその数年後、やっぱり私の方から仕掛けて結婚の運びとなったわけです。私はアレですね、案外突っ走る人間なのかもしれません。前世は猪だったのかな?


 そんなこんなで現在の宇部夫妻があるわけです。

 

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