第1281話 宇部家(※大黒柱なし)、合流
さて、何やかんやで乗り換えも完了しますと、もういよいよもって安心です。ただまぁ不安材料があるとすれば、今回の下車駅は終点ではないというところでしょうか。
ハー疲れたぁ、なんつって居眠りでもしようものなら一大事です。こんなことを書いたら「おっ、フラグか宇部さん?」って思われちゃいそうですけど。
これが自作ならね? そりゃあもう前日に何かしらの徹夜イベントぶち込んで居眠りからの乗り過ごしコンボを鮮やかにバシーっと決めますとも。だけどこれ、リアルなんでね? 私一人ならまだしも子ども連れてますし、下車駅には姉もスタンバイさせてますしね? いやーメンゴメンゴ、乗り過ごしちゃった(テヘペロ)、終点まで来ちゃったんだけど、どうしたらいい? なんてLINEを姉に送ったら殺されますって。
寝るな、寝るなよ私。
などと暗示をかけたりすると、逆に危険です。私はそういう女です。
ただご安心なされ。
私には『めちゃくちゃ浮足立ってる娘』がついています。兄がマイペースにお絵描きに興じる中、彼女は車内アナウンスの度に「ママ、次は〇〇だって。わたし達降りる駅?」と聞いてきます。普段ならうるせぇと思うところですが今回は有り難い!
始終ソワソワしている妹に、秋田空港で買った『食べると舌が青くなる飴』を食べて舌のみならず歯や唇まで青く染めまくっている兄。本当に真逆の二人です。
娘の鬼のようにしつこい確認のおかげでうたた寝すらも出来なかった私は、無事に姉が待つ駅で降りることが出来ました。すでに時刻は19時です。実家のある市へは、ここからさらに車で一時間半くらいかかります。
13時頃に秋田を発ってから、移動に次ぐ移動により、おやつというおやつも食べていません。私と息子は飴を食べたりしましたが、娘は「夜ご飯が食べられなくなったら大変だから」という理由で頑なに拒否。確かに普段そう言ってるけど、今日は特別だよ? そう言っても駄目です。娘、案外頑固です。
余談ですが、『舌が青くなる飴』のせいで、いい感じに唇まで青くしてしまった息子を見て、看護師の姉は「チアノーゼ!? 」とビビリ散らかしていました。あれは医療従事者の心臓に悪い飴のようです。お気をつけて。
さて、そんなこんなでの19時ですので、いい大人であるママはお腹ペコペコです。普段空腹を訴えてこない子ども達もきっと空いていることでしょう。ということでコンビニです。外食は駄目、と言ってあります。コ□ナ対策です。
まぁコ□ナ対策もそうなんですけど、この時間からゆっくり外食なんてしてしまったら実家到着時間が何時になるかわからないというのもあります。
いざいざコンビニ。
セイコーマート(道民から愛されまくってるコンビニ)に行きたかったのですが、近くにないのでセブンイレブンです。
息子はおにぎり。
姉もおにぎり。
私もおにぎり。
それと、明日の朝のパンやら道中の飲み物やらを調達します。
そんな中、なかなか決まらなかった娘が言いました。
娘「わたし、これ」
焼きそばでした。
さすがにカップ焼きそばではありませんでしたが。
焼きそば! 車内で!? いやまぁ良いんだけど。良いんだけど!?
しかし娘が食べたいというのです。買わない理由はありません。買います。冷たかったら美味しくなかろうと温めてもらいます。
お会計も終わって、品物を受け取り――……
あの、店員さん、なんか焼きそば長くないです?
ああいうのって、温める時間が決まってるんだと思うんですけど、やけに長いんですよ。1000Wとかなんでしょうし、数十秒じゃないですか。なのに長いんですよ。
お会計が済んだのになかなか帰らない私を見て店員さん変な顔してるんですよ。まだ何があります? みたいな。いや、そのレンジの中の焼きそばよ。
あっ、て。
あっ、じゃねぇんですわ。
たぶん時間ミスったんでしょうね、アッチアチになってて。こんなの走行中の車内で7歳が食べられるやつじゃねぇから。お膝に乗せたら確実に火傷しちゃうのよ。姉の車にはテーブルとかそんな洒落たものは搭載されていないのよ。
とりあえずある程度食べるまでは発車させないでおこう、となりまして、クッションの上にアチアチの焼きそばを乗せ、それを私が押さえて――という状態。そんな中でも私だっておにぎりを食べたい!
もう車内はカオス。
そんなこんなでお腹が膨れた一行は、えっちらおっちらと車を走らせて実家へ。
着いたのは21時ですよ。移動でぐったりでしたわ。それで毎回「もう絶対実家には帰らん」って思うんですよね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます