第1249話 わかれのことば

 音読の宿題って、あれ、全国区なんですかね。昔からありました? 少なくとも私の頃にはなかったんですよ。


 北海道だからなかったのか、それとも昔はどこもやってなかったのか。


 とにかく、息子と、それから娘も今年度より、毎日毎日音読をしております。これ、6年生とかになってもちゃんとやるのかしら。その頃には自分の部屋で勉強とかするようになるのかしら(いまだにリビングで勉強してる)。


 それでですね、まぁ色んな詩を月替りで読んでいるわけなんですけども、一体誰が選んでいるのかはわからないんですが、チョイスがなかなか最高なんですよ。


 金子みすゞさんですとか、谷川俊太郎さんですとか、私も大好きなやつだったりしてですね、毎月、「今月は何かな?」とわくわくしております。


 さて、そんなナイスチョイスな詩なんですが、今回もなかなか最高のやつでした。


 阪田寛夫さんという方の『わかれのことば』です。


 いやいや、『わかれのことば』って、7月の詩としてどうなの? ってね、もちろん思いましたとも。ですが、この『わかれ』はですね、なんていうのかしら、巣立ちとか死別とかそれ系の重い感じの『別れ』の方ではなくて(それもあるかもだけど)、それよりかは、もっとさらっとした「じゃあね(またね)」くらいの意味合いの『別れの言葉』なんですね。


 さすがに詩を全文載せるわけにはいかないのですが、まぁ例を挙げると、日本人なら「さよなら」だし、アメリカ人なら「グッバイ」だよね、っていうのから始まるわけですよ。


 そこからですね、言葉遊びが始まるわけです。


・瀬戸物屋さんなら「おさら(皿)ば」

・魔法瓶屋さんなら「じゃあ(ジャー)」


 ってな感じで。


 もうね、すげぇな、って。

 もっとたくさん続くんですけど、よくもまぁここまで思いつくなぁって感心しきりで。


 だからとりあえずね、全部息子に説明したんですよ。全然わかってないっぽくて、ただただ読んでたから、この面白さをわかってほしくて。絶対もったいないと思って。あのね、瀬戸物っていうのはね、落としたら割れる食器でね、ほら、お皿とかね、だから! ね! おさらば! お、皿、ば! なわけ! って。息子は優しいので、いきなりふんふんと鼻息荒く詩の解説をし始めた私に「わぁー、そうなんだぁ。すごいねぇ」って。もうどっちが母だよ。


 そんでその中にですね、


『それんとしちょうさんなら 「かえれ」(これだけは原文そのままです)』


 っていうのがあって。


 一瞬、現在のロシアとウクライナのアレで「ソ連!?」って何か過剰に反応しちゃったんですけど、その後の「かえれ」で気付いたんですよ。


 あぁ、『ソレント市長さん』か、って。


 帰れソレントへ、ですよ。

 あの有名な曲ですよ。有名ですよね?

 私がこの曲を知ったのはいつだったかな。最初に知ったのは確か『白鳥麗子でございます!』っていう漫画原作のドラマだったと思うんですよ。それで、その後音楽の授業でも習った、って経緯だったような。


 いや、わかるかな?!

 いまの子もわかるのかな、これ?!


 それでも一応ね、説明したんですよ。あのねこういう歌があってね

って。ド下手くそですけど、歌ってね。日本語の歌詞知らないから、音楽の授業で習ったなんちゃってイタリア語(いま調べたらナポリ語のようです。知らんよ)でね。


 まぁ、いずれにしてもぽかーんとしてましたけど。

 

 気になった方は調べてみてください。阪田寛夫さんという方の『わかれのことば』です。

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