第1248話 色んなお客様
寄せては返す波のように、書きたいネタが浮かび、そして消えていく私です。だからあれほどメモを取っておけと。自分の記憶力を過信するな。
ネタっていっても、このエッセイのネタなんですけどね。
何かもう思い出せないので、職場に来るお客様のお話をします。もちろんところどころフェイクにしています。が、概ねこんな感じと思ってください。
ウチのお店には老若男女、色んな方が来店されます。常連さんもたくさんいます。なかなか人の顔を覚えられない私でも、「このお客さん、前も接客したことあるな」と思ったりします。
それはある日の休憩時間のこと。
曜日によってメンバーが違うので、休憩に入るのが自分だけの日もあれば、最大で6人くらいいる日もあります。その日はMAX、6人がいる日でした。ちなみに私は会話に加わったり、黙々とカクヨムしたり、旦那とLINEしたりしています。
品出し担当のSさん(以下:品S)が言いました。
品S「そういや、久しぶりにあのお客さん見たわ。いつものほら白い長靴の女の人(本日は快晴)」
宇部「(白い長靴……? 厨房とかで履くアレか……?)」
売り場Oさん(以下:売O)「あー、あの鏡で神様とお話する人でしょ?」
宇部「(新しい情報来たな。その人なら聞いたことある。同一人物だったのか)」
品S「鏡……? ああそうそう、その人かも」
売O「(たぶん私が「誰だ?」みたいな顔をしていたので)ほら、ペラペラのネグリジェみたいなので来た人だよ。ピンクの透っけ透けのさー」
宇部「ネグリジェ? しかも透け透けのですか?(さすがにここから参戦した)」
売O「あれ? 宇部さん見たことないっけ?」
宇部「すみません、私まだここ6年くらいなので」
品S「最近そこまでぶっ飛んだ恰好してないもんね。でもこないだは、あの学生が制服のスカートの下に履く短いスパッツみたいなのをホットパンツにして履いて来たよ(つまり下はそれ一枚だった)」
宇部「あれはスカートの中が見えても良いように履くやつですよね? 全面に出すもんじゃないのでは」
品S「だけど全面に出してきたのよ。それで頭にはニット帽被ってて」
宇部「季節感!」
品S「もうね、暑いんだか寒いんだかって感じだったわね」
売O「それで? そのしたホットパンツに白長靴、透け透けネグリジェでニット帽に鏡で神様と交信するお客様が?」
宇部「多い多い、情報が多いですって! それ過去のコーディネートも混ざってますよ!」
品S「いや、久しぶりに見たなーってだけの話なんだけどさ」
いまのところ彼女が一番ファッション的にパンチの効いたお客様なのですが、その他にも『絶対どこかに迷彩の要素がある(何なら全身迷彩のこともある)おじさん』に、『その時店にある小型の魚(メダカや金魚)をあるだけ全部買っていく坊主頭のお父さん(何かしらの生餌にしているらしい)』、『店中に響き渡る声で我が子を叱るお母さん』、『毎回に店にないタイプのネジをお求めになるおじいさん』などなど、キャラが濃い濃い。
最近では、『ワゴンの中の安売りDVDから心霊系のやつをチョイスし、これはお祓い済みか否かを確認してくるレディ』も加わりました。
お祓いしているかどうかはこちらにはわかりかねます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます