第1207話 Nのトラブル

 なんてタイトルにするとあれですね。仮面ライダーWのタイトルみたい。ってわかる人にかわからんネタなんですけど。それはいいです。


 N尿のトラブルなんですよ。


 もうね、宇部さん家、B便だのN尿だのって下の話題多すぎない? って思われたかもなんですけど、私もそう思ってます。


 ただね、ご安心ください。

 私ではありません。

 私のNの話ではないのです。


 アラフォーのNの話ったらもう、夜中、トイレに何回も起きてしまうとか、あとはそろそろ漏れが心配だとかいって大人用紙おむつのご厄介になるとか、もうそういうガチ目の話になるじゃないですか。

 もちろんね? そんな深刻な内容でも笑い話に変えてみせるぜ、って気持ちはありますしね? その時が来たら頑張りますけど。


 子ども達なんですよ。


 N検査なんですよ。


 このワードでもうだいたいピンと来たんじゃないですかね。


「ハハーンさては、朝イチの採取クエストを失敗したな?」


 これですよね?

 N検査のトラブルったらこれですよ。ここから慌ててお茶飲ませまくって登校前に再トライとか、そういうのですよね? これはね、大人になってもついうっかりやっちゃうやつですし、何なら息子がやらかしてくれました。


 えっ、これじゃないの!? って思ったでしょう?

 その上で、「あー息子君はやったんだ」って思ったでしょう?


 もうね、二段構えだったから。トラブルが。


 まずは先述の通り、息子がやってくれました。もう皆さんもご存知の通り、とにかく朝が早い子ども達です。彼らは下手したら4:30とかに起きてきます。パン屋さんかよ。


 それでですね、いや我々もね、失敗したとは思ってたんですよ。寝る前に「明日はN検査だから、トイレ行く前に必ずパパかママを起こしてね」って言うの忘れたな、って。だけど彼らは必ず我々の寝室にやってきてパパからスマホを借りますので、その時に言えばいいか、って。


 で、迎えた朝ですよ。


 もちろんまだまだアラームなんて鳴らない時間です。何やらバタンと扉が閉まる音が聞こえました。これはあれかな、息子か娘が部屋を出た音だな。よし、もうすぐこっち来んな。それじゃN検査を……などとうとうとしておりますと。


 ジャ――……ゴポポポ


 !?


 ジャ――……ゴポポポじゃねぇんだわ!

 おい! これ絶対おしっこしてんじゃん! どっち!? どっちだ!? 息子か!? 娘か!?


 息子でした。

 朝ちゃんとトイレ行けて偉いね。昔はおむつが全く取れなくて、パパとママをやきもきさせたけど、取れてからは君ほんとにおねしょとかしなくなったよね。


 とか、しみじみ浸っている場合ではないのです。息子、朝イチの『N採取クエスト』失敗です。まぁ仕方ない。このあとお茶をたくさん飲ませて……と、眠い頭をフル稼働させます。大丈夫。これくらいのことママだって何度もやらかしてる。


 まぁそんなこんなで息子は仕方ない。ウチにはもう一人子どもがいるのです。娘です。よし、気持ちを切り替えて娘の採取クエストだ。そう思ってトイレに行きますと――、


 ない!

 娘のN検査セットがないのです。


宇部「娘ちゃん?! N検査のセットは?!」

娘「わたし、もうやったよ?」

宇部「やった? どういうこと?」

娘「自分で」

宇部「自分で?!」


 これね、男性はわからないかもなんですけど、女性のN検査って絶対に男性より難易度高いんですよ。何せ我々にはそんな便利なホースが搭載されているわけではないからして。それでも娘はやったらしいのです。お前、ちゃんと手は洗ったんだろうな?!


宇部「それで、そのNはどこに……?」

娘「ランドセル」


 もう嫌な予感しかしません。

 ちゃんと蓋が閉まってなかったとか、容器の周りがびっちゃびちゃとかそんな予感しかしないのです。


 けれど、予想に反して、そっちは無事でした。ただ、ビニール袋に入れるとかそういう配慮があるわけでもなく、めちゃくちゃ剥き出しでしたけど。お前の羞恥心どこに行った?


 が。


宇部「これ兄さんの容器じゃねぇかぁぁぁぁぁ!」


 兄のだったのです。

 プラスチックの試験管みたいな容器には、しっかりと『宇部息子』の名

前が印字されていたのです。娘はまだ漢字が読めない――!


 これ、バーコードが印字しているタイプだったらもうぶっちゃけ諦めたんですけど、名前と番号だけしかなかったので、こちらで訂正させていただいて、その旨を連絡帳に書いて送り出しました。大丈夫でした。

 

 もうね、朝から変な汗かきましたわ。

 確かにここ最近ネタが枯渇気味だったけど、こんな身体を張ったネタはいらないですから。子ども達もね、そんな気を使わなくていいから。マジで。ママ、ちゃんと一人で書けるから。ただお前達が絡んだ方が抜群にドラマティックではある。

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