好きなことを、好きなだけ

第1172話 平安貴族の口

　さすがにもう治っているとは思うんですけども、これを書いている時はまだまだ首が痛い状態の私です。まさかの二日目に突入したんですよ。

（※最終的には二日どころじゃなくなる）

　ただまぁ、少しずつ快方に向かっているような気がするので、これが投稿される頃にはマジで治っててくれ。

（※祈りむなしく後日悪化します）

　それでですよ。

　これを書いているのが4/29、つまり祝日でして。子ども達は、前日からばあちゃん家にお泊まりになったものですから、旦那と二人きりなわけです。いつもならパーティーになるのですが、生憎、私はロボットレベルの動きしか出来ない（しかも痛い）ので、買い出しもままならず、だらだらごろごろすることも出来ないわけです。

　あれですね、私、首とかやっちゃった時って、寝っ転がってる方が楽だと思ってたんですけど、全然そんなことないですね。むしろ寝てる方が辛い。背もたれがしっかりあるところで背筋伸ばした（頭を一直線にする感じ？）方が楽。

　あと、こういう急性（？）の痛みは冷やした方が良いらしいんですけど、私ね、首冷やすの駄目なんですよ。夏場とかね、保冷剤を首に巻くと良い、みたいなのあるじゃないですか。あれも駄目なんですよ。首が冷えると頭痛くなっちゃうんですよ。エアコンの風も首に当てたら駄目。それで、それが怖くて冷やせなくて。湿布とかなら大丈夫なんですけど。

　そんでまぁ、めちゃくちゃ姿勢を正して過ごしているわけなんですが、立ったり座ったりする時って、案外首ってぐらぐらしてるもんなんですね。そんなことに気づくわけです。

　だからね、一切上半身を動かさずに腿の力だけで（実際は違うかもだけどそういうイメージで）立ったり座ったりするわけです。すると、あれ、この動き、何かに似てるぞ、と。

　あっ、わかった！

　スクワットだ！

　もうね、「あっ、これ進研ゼミでやったところだ！」状態でしたよ。

　これまで頑張って鍛えた大臀筋（尻）、大腿四頭筋（腿前）、ハムストリングス（腿裏）などなどが「いまこそ我らの力を結集させる時」みたいな感じでね、アベンジャーズ的な感じでね、支えてくれるわけ。アベンジャーズのことあんまり知らんけど。そんな感じで動いているからなのかはわかりませんが、筋トレも何もせずに一日過ごしたんですけど、普通に体重も体脂肪も減ってて。何？　逆に何もしない方が痩せるの？　それともマジで基礎代謝さんが頑張ってくれたわけ？！　って。とにかく謎です。普通に色々食べてるんですけどね。あとこういう時に限ってめっちゃBが出る。お前、こんな有事に……。普段からそうしてくれ。

　そう、それでですよ。

　問題は食べ物なんですよ。

　お菓子とかはね、ちょいちょいつまんでいたんですけど、夜ご飯をどうするかって話になった時にですね、とにかく首を動かすのが辛いものですから、下を向いて啜る麺類は厳しい、ってことになってですね。それじゃ何かお弁当だろう、ってことでお弁当を買って来てもらったんですけど――、

　大きく口を開けるのも、地味に首に響く。

　お弁当を顔の高さまで持ち上げて首を動かさないようにして食べるんですけど、それでも、口を開けると痛い。咀嚼くらいは問題ないんですけど。

　そうなると、口を大きく開けずに食べられるものが良いんだな、って。確かにお菓子ってそんな大口で食べるものでもないしな、って。

　って反省したその翌日、お昼ご飯を旦那が買って来てくれるってことで、じゃあ、あまり口を大きく開けずに食べられるものって何だろう、って話になったわけです。

　パンだろうな、って。

　だけど、メロンパンとか、焼きそばパンとか、ああいう高さのあるパンは厳しいな、って。だから、ごくシンプルなサンドイッチくらいが良いのかな、あとは細めのスティックパンとか。

宇部「というわけで、なんかこう、平べったい感じのパンをお願いしたいかな」

旦那「平べったいやつね。サンドイッチとかね」

宇部「そうそう、サンドイッチでも、一番安いミックスサンドとかそういうやつね、ぺらっぺらのハムとか、ささやかなツナとか。玉子のも、何かやたらとボリューミーな高いやつはなしで」

旦那「了解！　カツサンドとかじゃないやつね」

宇部「そう。イメージとしてはあれね、平安貴族が食べる感じ。いまの私、平安貴族レベルしか（口が）開けられないから」

旦那「俺、平安貴族見たことないけど、わかった！」

　まぁ、冷静に考えたら私も平安貴族なんて見たことないわ。

　ていうか、いまこの時代に生きてる人間軒並み見たことないやつだわ。

　でもほら、イメージでね？　平安貴族ってそういうものでしょ？

　焼きそばパンにかぶりつくレベルの大口開けないでしょ？　ぺらぺらのサンドイッチが関の山でしょ？　そういう説明をしてね。まぁ、ぺらぺらのサンドイッチを買ってきてもらった、っていう話でした。