第1126話 ホワイトデー報告

 失敗したなぁって思って。

 いや、ほら『1126』でしょ。『』じゃないですか。こないだの風呂エピソード、こっちで書いときゃ良かったな、って。


 まぁ、悔やんでも仕方がないわけです。並べ替えるの面倒ですし、下手に並べ替えてこないだみたいに『幻の●●●●話』みたいなことが起こっても困りますし。それにほら、ただ並べ替えるだけじゃなくて内容も多少手を入れないといけませんから。宇部さんそういう面倒なの嫌な人だから。


 というわけで、ホワイトデーでしたね。

 ちょうどKACのお題発表でしたから、もしかしたらそのまま『ホワイトデー』なんてお題が来るのかも?! なんて一瞬考えたんですけど、運営さんはこんな国民的イベントはガン無視し、国民の1%も恐らくは知らないんじゃないかな? っていうイベントのゲストの方を持って来ましたね。私彼が88歳だなんてここで知りましたよ。


 それでですね、もちろん宇部家にもホワイトデーはありました。

 無駄にドキドキした息子君のサプライズ抜歯回で少々薄れてしまいましたけれど、ホワイトデーはありました。


 その日、私はお休みだったものですから、KACのお題も無事に書き終え、ぽつぽつと別作品を書いたり、娘の入学グッズを作ったりしておりました。KACのために今回も夕飯の用意は午前中に済ませてしまいましたので、何とも優雅な時間です。そんな午後5時、家族が帰って来ました。


 ただいまー、と一番にリビングに入って来たのは息子君です。彼はランドセルを持ったまま、そのまま私の元へやって来て、小さな紙袋を渡してきました。


息子「お母さん、はい、どうぞ」

宇部「こ、これはもしかして息子君……?!」


 ホワイトデーなのでした。

 何かせめて「ホワイトデーだよ」くらいの言葉は欲しかったところですが、彼は壊滅的に語彙力がないタイプなので仕方ありません。紙袋の中を見ますと、何やら緑色の箱です。この雰囲気はもしや……!


 ウキウキしながら取り出すと、そこにはピスタチオという文字! ピスタチオ系の色んなチョコが入ったやつでした。しかも、何たる偶然か、その日の彼の服は、抹茶色、アイボリー、ブラウンの三色のスウェット。抹茶色、と書きましたが、これはあくまでもそっちの方がわかりやすいかな? という配慮からそう書いただけで、私の中ではピスタチオ色です。この服はしまむらで買ったのですが、配色がもろ『ピスタチオのムース』みたいに見えたという理由で即決した(私が)大のお気に入りの服でした。憎い、この演出!(知らずに選んだのは私だけども)


 息子よ、ママが、いやお母さんがピスタチオ大好きだって知って、これを選んでくれたんだね。うん、君ってそういうところあるもんな。妹のお菓子買う時も「これ可愛いから、妹ちゃん好きだと思う」って選ぶところあるもんな。


 そんなことを考えて、ちょっとウルっと来たりしてですね。そんで、息子に聞いたわけですよ。


宇部「ありがとう息子君。これはアレ? 息子君が選んでくれたの? お母さんがピスタチオ好きだから?」

 

 もうね、「なーんて聞かなくてもわかってるけどっ?!」みたいなテンションでね、聞きましたとも。何せ普段あれだけピスタチオピスタチオ騒いでるんですから。そしたら。


息子「ううん、お父さんが選んだの!(曇りなき眼)」

宇部「うん? 息子君じゃなくて?」

息子「そうだよ! そうだよね、お父さん?」

旦那「そうだよ~」


 そうだよ~、じゃねぇんだわ!

 だとしたら、オール旦那プロデュースじゃねぇか! どう考えたってお金出してんのも旦那なんだから! せめて選ばせろ! もしくはそれとなく誘導しろ、これに!


 もう完全に彼は操り人形でしたね。

 お父さんが選んだものをそのまま渡してきた、っていう……。


 まぁ、旦那からもね、ちゃんとチョコをもらいましたしね。それももちろん嬉しかったんですけど、これはもう実質旦那から二つもらったようなものなのでは……? って少々もやもやするホワイトデーでしたが、ちゃんと一ネタになってその点についてはホクホクです。

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