第1081話 そこそんなに挟めるかな?

 私が忍者を好きな理由の一つに、暗器の存在があります。ほらあの、身体の中に――って本当に身体の中ではなくて服とかなんだけど――仕込んでる武器ですよ。


 あれをですね、サッと取り出してシュッと投げたりするのがすごく好きなんですよ。

 まぁ忍者に限らず、女スパイなんかは太ももの謎のベルトにナイフとか仕込んでたりしてね、ああいうのも凄く良い。


 ちなみに、いまももちろんハマっている忍たま乱太郎ではですね、上級生くらいになると得意な武器っていうのが定まってきて、それを当然のように制服(忍び装束)の中に隠してるんですけど、どう考えてもそれ仕込めないよね!? ってサイズのものも懐に入ってたりします。確実に数キロはあるだろう鎖をジャラジャラ出してきた時はかなりびっくりしましたけど、火のついた爆弾を出す人もいますからね。ファンタジー万歳。


 それでですよ。

 身体に何かを仕込む/隠すって話になると、そこそこの確率で登場するのがアレじゃないですか。


 女性の胸の谷間にレコーダー。

 いや、レコーダーに限定しなくても良いんですけど、私、胸の谷間といえばレコーダーのイメージなんですよね。


 私ね、あれすごく疑問で。

 一応同じものを搭載している『女』として、ほんと疑問で。


 どんな乳してたら挟めるの、って。

 何カップから挟めるの、って。


 いや、私だってね? 挟もうと思ったら挟めますよ。ただ問題はね、常時両脇に手を添えて寄せていないといけないってだけで。そんなのただのエロいおばちゃんですよ。何が目的だ。こっち来んな。


 いやいや、そのためのブラジャーでしょ、って思った方もいると思うんですよ。確かにいまはね、ブラジャーの性能もすごくてですね、それはそれは立派な谷間を作ってくれるやつもあったりするわけですよ。ただ、レコーダなどを挟むためのものではないけど。


 だけどね。


 そのレコーダーとやら、いくら小型っつっても厚さがあるわけですよね。それを誰にもバレずに隠さなくちゃいけなくて、そんで乳に挟もうぜ、せっかく立派なもんがあるんだからよぉ! って話なんですよね?


 その乳、スライム製なの?

 そんなに柔らかいの?

 どう頑張っても『何か挟めてます』感出ない?

 少なくとも私には無理です。レコーダーさんの存在が隠せない。


 まぁこれは私の乳の肉質に問題があるのかもしれないし、もっと大きさとかがあればすっぽり隠せるのかもなんですけど、すっぽり隠せたら隠せたで別の問題が浮上しません……?


 その状態で音拾えるの、って。


 そうでしょう?

 すっぽり隠せちゃったらマイク部分だって肉の餌食よ?

 そう考えたら、胸ポケットとかに忍ばせとくのが無難じゃない? いまあるんでしょ? ボールペン型のやつとかさ。そんなものを胸に挟んでたらただの痴女ですよ。


 あとね乳の谷間ってやつはね、案外汗かくのよ。別に左右がべったりくっ付いてる谷間じゃなくてもね、双子のお山の真ん中の部分、って意味の『谷間』でもね、夏場なんて結構汗かくんですよ。それがあなた、レコーダー挟めるほどばいんばいんだっつってんだから。挟んじゃってるってことは、左右の乳が密着してるってことだから。そりゃあもう汗が川となって流れるタイプのやつだから。レコーダー水没すんぞ。


 いやもうマジで、何かしらのロマンに該当するやつだとは思うんですけどね、現実世界ではやらない方が良いですよ、って。ボールペン型のがあるんなら胸ポケットに差せば良いでしょ、って。


 てっきりこれ男性作家さんの想像のアレなのかな、って思ってたんですけど、普通に女性作家さんでも書いてたんですよね。自分が出来るタイプだから書いたのか、それとも出来ないタイプだから願望的なやつなのか……。


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