第1060話 教えるって難しい

 この話が投稿される頃にはもう終わってるんですけども、息子の冬休みでして。


 毎回我々を悩ませるのがアレ。


 宿題ね。


 まだまだ親がしっかり管理してやらねばならないですからね。ウチの子が特別管理出来ないタイプなのかもしれませんし、我々が過保護すぎるだけかもしれませんが。


 今回も安定のどんぶり勘定スケジュールでやらせてたわけです。算数と国語ですわ。算数は余りの出る割り算のプリント、国語は漢字のドリル一冊。


 この国語ドリルが曲者で。


 まぁ普通のドリルなんですよ。一つの漢字に対して音読み訓読みを答えて、画数と書き順を確認して、熟語をなぞり、例文を作る、っていう。


 何が大変って、息子がね、聞いてくるんですよ。


「ママー、『○(漢字)』の音(訓)読みって何?」


 って。


 ここでね、私は思うわけですよ。


 ただ答えのみを教えるだけで良いのか。自分で考えさせた方が良いのではないか。ていうか、習ってないんか、これ。

 

 とにもかくにも、ズバリ答えを言わないで、答えに導くという、アマチュアでも作家を名乗るならこれくらい出来て当然だろ的な戦いが始まったわけです。私の中で。


 というわけで、私を悩ませた、漢字の音(訓)読みをここで紹介しようと思います。


VS『【練】の訓読み』


宇部「(何かを練る動きをやりつつ)息子君! これ、この動きよ! お菓子でさ、こういうのあるじゃん!(『ねるねるねるね』のつもり)」

息子「お菓子……? メレンゲ?」

宇部「ッハァ――――! そう来ましたかぁ――――!(そういや『ねるねるねるね』とか全然食わせてなかったわ。かといってメレンゲ食わせてるわけでもねぇけど!?)」


VS『【深】の音読み』

宇部「えーっと、ほら! 息子君、海のさ、すーっごく深いところ! 海の深いところって何ていう? 『○○かい』っていうんだけど(答:しんかい)」

息子「かい? かい?」

宇部「じゃあヒント、最初は『し』だよ。し〇かい、だよ?」

息子「しかい(死海)?」

宇部「それは別の海ぃ!」


 他にも色々あったんですけどね、ドリル提出しちゃったから忘れちゃいましたわ。


 逆にパッと答えてくれたのは【終】の音読みでしたね。


宇部「息子君、ライダーとかのさ、最後のお話って、『○○回』っていうっけ?」

息子「わかった! 最終回! てことは……『シュウ』?!」

宇部「そう! イエァ!」


 いや、まだまだ私も精進が足らんな、って思いましたね。良い機会だから漢字辞典の引き方を教えれば良かったな、とも思いましたし。学校から買ってくださいって言われたので買ったのに、いまだ出番ないんですもん。


 では最後に、息子君が作った例文の中で、個人的にグッと来たやつを三つほど紹介させていただこうと思います。


【世】の例文

・世の中をさまよっている。


→何かあったの? さまよってるとか、そんな言葉知ってたのね。


【根】の例文

・根本がくるっちゃう。


→どういう状態? 根本じゃなくて手元の間違いなのかとも思いましたし、果たして『ねもと』で書いているのか『こんぽん』で書いているのか。


【界】の例文

・日本が世界一。


→そうだね、日本はすごいね。なんかよくわからないけどグッときました。日本の何が世界一なのか、具体性がないところがポイント。

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