第936話 確実に面白いけど
先日、Twitterでですね、ふと流れてきたツイートに、
『自分の小説のキャラクター達が魅力的かどうかわからなくなったら食卓を囲ませて談笑するだけの短編小説を書け』
みたいなのがあったんですよ。ちなみに、私がフォローしている方ではなくてですね、私がフォローしている人がフォローしている人とかなのかな? このTwitterの『友達の友達は友達』みたいなシステムが正直よくわかりません。まぁ良いですけど。
で、いくら書いても面白くならなかったらキャラが弱い、みたいなことが書かれててですね。
ほぉ、成る程、と。
果たして自分のキャラは大丈夫かな? って思ったわけですよね。これはプロでもアマチュアでも書き手なら絶対に気になるところだと思うんですよ。キャラがちゃんと立ってるかな、みたいなのって。
まぁ、書いてはいないんですけど、脳内でちょっと想像してみたわけですよね。書くとしたら、どんな感じになるかな、って。書き手の皆さんもちょっと思い浮かべてみて。
いや、絶対に面白いでしょ。
そんな黙々と食べるだけにはならないでしょ。いや、黙々と食べるだけのキャラもいるかもですけど。宇部作品の場合、ただ黙々と食べるだけのキャラには、確実に何かしら茶々を入れて来るタイプの相棒がいるんですよ。
※ちょっとここから先は宇部作品のキャラをちょいちょい出します。未読の方、すみません。
桃太郎のキャラだと、太郎は姿勢もきちーんとして黙々と食べるでしょうけど、その斜向かいに座ったお猿がそれをニヤニヤしながら見つめてるでしょうし、口の端にご飯粒でもつけようものなら「んもー」とか言ってその米粒を食べちゃうでしょうし、それを見た犬が「あっ、お前!」って殴りかかるでしょうし、犬猿がぎゃあぎゃあしてるところへサッと雉が現れて太郎ごと奪っていく、みたいなストーリーになると思うわけですよ。
公家顔君と木綿ちゃんなら、にこにこもすもすしながらお弁当を食べる木綿ちゃんのあまりの可愛さに、自分のおかずをこれでもかとトンちゃんは与えちゃうでしょうし、その姿がまるで親鳥と雛のようだと思いつつも、いや蓼沼さんは俺の彼女なんだぞ、って柘植君がジェラって「蓼沼さん! こっちも!」って餌付け合戦が始まるだろうな、って。そんで最終的には木綿ちゃんの腹が破裂するわけです。
そんでスミスミシンなら、マリーさんがまた美味しい和スイーツを買ってきて、然太郎と二人で食べるわけですけど、それが流行りに乗った感じで抹茶クリームのマリトッツォ(たぶん商品名は『侘びトッツォ』とかそんな感じ)だったりして、大口開けてかぶりついたら抹茶クリームがうわわわわってなって、ちょ、ティッシュティッシュ! いやこれはウェットティッシュの方が良いかな? みたいなドタバタになるんだろうな、って。
いや、どう考えても全部面白いな、って(熱い自画自賛)。
そう思いません?
自作キャラって、だいたい自分が好きな要素を詰め込んでるわけですから、確実に面白くなると思うんですよ。まぁ、好きじゃないキャラも作れてこそ、なのかもしれませんけどね。そういう点では、悪役キャラとかそういうのが弱いですから、宇部作品は。
だけどね、途中までは最高に面白く書ける自信があるんですが……。
オチがない。
このワイワイ楽しいお食事会の〆がわからない。尻すぼみエンドの未来しか見えない。あのだんだんフェードアウトする曲みたいな感じで、カラオケだとどこまで歌って良いのかわからなくなる感じと言いますか。アレ、どこまで歌うのが正解なの? CDはそれでも良いけど、カラオケのはどこかでバシッと終わってくれよ。
いや、そんな話じゃなくて。
というわけで、宇部作品はほのぼの系であればあるほどオチが弱いんだよなぁ、っていう話でした。
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