第860話 謝った方が良いんじゃない?
これね、私だけじゃなくて、たぶんほとんどのお母さんはそうなんじゃないかな(むしろそうであってくれ)、って思うんですけど、もちろん中には「そんなことないです」って方もいるでしょうから、一概に皆こうです! とは言えないやつなんですが。
腹がね、しわしわなんですわ。
いきなりどうした、って思われたかもしれないんですけど。
いや、皆さんちょっとね、風船を思い出してほしいんですよ。パンパンに膨らませてですね、そんで空気を抜いて萎ませるとね、サイズとしては膨らませる前の大きさに戻るっちゃあ戻るんですが、しわしわになりません?
あれと同じことがね、二人産んだ私の腹でも起きているわけです。
何でこんなことをいきなり書いたかと言いますと、そりゃあもちろんダイエットしてるからですわ。
まぁ痩せる前から腹はそこそこしわしわだったんですけども、ほら、お肉があったから。ある程度皮膚がまだ張ってたから。それがだいぶなくなりましてですね、そしたらもうしっわしわよ。
まぁ、良いんですよ。
別にグラビアがあるとかではないですし、へそ出しルックとかもしませんしね? ママタレントさん達の腹もこうなってんのかなぁ、と思うわけですけど、まぁ芸能人はね? たぶん色んな方法でどうにか出来るんでしょう。
だから、どうせ服着てるんだし、腹のしわくらいどうでも良いやー、って日々を過ごしていたわけなんですが、ついに指摘されたわけですよね。お風呂場で。
旦那から、ではありません。
彼はそんなことを気にするタイプではないのです。
いや、もしかしたら気にしているかもしれないけど、絶対にそんなことは言わない。私への愛ゆえに!(と思いたい)
子ども達ですわ。
子ども達っていうか、娘ですわ。
「ママ、どうしてお腹しわしわなの?」
お前たちのせいだよこんちくしょう。
じゃなくて、子どもの好奇心って大事にしたいものですよね、えへへ。
なので、私は言ってやりましたとも。
「君達がこの中に入っていたからだよ」と。
君達がこの中で大きくなったから、皮膚がぐいーんって伸びたんだよ、と。
すると娘は、自分がこの腹の中に収まっていた、ということをいまさら思い出したのか、「えぇ~? ほんとに~?」とか言ってキャッキャしてるわけですね。なので、こうも畳みかけてやったわけです。
「ほんとほんと。そんで、お腹の中でママのこと蹴っ飛ばしたりしてたんだよ」
するとこれには息子も食いついてきました。
息子「ほんと? 妹ちゃんが?」
宇部「妹ちゃんだけじゃなくて君もだよ」
娘「えぇ~? ほんと~? えいっ、って蹴ってたの?」
宇部「えいっ、っていうか、ぐおおおおお、って抉る感じかな」
娘「うっそ~!」
宇部「ほんとほんと。もー、結構痛かったんだから~」
とまぁこんな感じでですね、浴槽に子ども達と三人で浸かっていた(旦那は洗い場で洗髪中)わけなんですが、キャッキャと盛り上がる娘のその隣で息子が、
「妹ちゃん、ママに謝った方が良いんじゃない……?」
って。やけに真剣な顔で。
まぁ普通に考えればですよ。例え相手が親だとしても蹴っ飛ばしたらごめんなさいですよ。これは当たり前のことです。そんでしかも身体の内側からですから。内側から攻撃するとか、体格差がある敵を倒すやつですから。身体の中には大事な臓器がいっぱい詰まってるんだよ、って常日頃お話もしてますしね。だから彼の言い分は最もなんですよ。
でもね、息子よ。
そんな大真面目に言わんでも良いのよ。
ていうか、だとしたら謝るのはお前もだしな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます